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JX日鉱日石エネルギー、今冬の東北地方への石油製品の供給体制を発表
今冬の東北地方への石油製品の供給体制について
当社(社長:木村 康)は、灯油等の需要期である冬場を控えるなか、仙台製油所の生産開始予定が2012年3月末であることを踏まえ、今冬の東北地方への石油製品の供給安定化に向けた対策を下記のとおり講じてまいりますので、お知らせいたします。
従来(震災前)の東北地方においては、(1)仙台製油所での生産・貯蔵(2)グループ他製油所から東北地方各地の油槽所への転送および油槽所での貯蔵(3)製油所・油槽所からサービスステーション(SS)へのタンクローリーによる配送が、ガソリン・灯油等の基本的な石油製品供給体制でした。
しかしながら、本年3月の東日本大震災により、仙台製油所の生産停止および貯蔵用タンク・出荷設備の被災、SSへの配送用タンクローリー台数の減少等が生じたことから、当社は、グループ他製油所での増産および東北地方へ転送量の増、他地域から東北地方へのタンクローリーの移送等による供給体制の復旧を図り、東北地方への石油製品の安定供給に努めております。
石油製品の需要期となる冬場の供給体制についても、生産から配送に至る各段階における万全の対策を講じることで、お客様への石油製品の安定供給につとめてまいります。
記
(1)製油所における生産体制
仙台製油所の生産停止については、他のグループ製油所の稼動率アップでカバーし、本年度下期 (10月〜3月)は、グループ合計で前年実績並みの原油処理が可能となる処理能力を確保します。
なお、被災影響により現在も稼働率が約7割にとどまっている鹿島製油所についても、ネックとなっていた桟橋能力の回復により、11月を目処にフル稼動が可能な体制となります。
(2)製油所・油槽所への転送
〔1〕東北地方への転送・輸入
震災以降の製品転送体制や、製品輸入を通じて、地域需要に応じた石油製品供給量を確保してまいります。仙台製油所においても、被災により停止している桟橋が9月以降順次再開し、灯油を中心とした石油製品受入能力が回復します。
【参考:従来(震災前)からの主な変更点】
仙台製油所(タンカーにより転送) 鹿島製油所を含む関東以西の製油所より受入
新潟東港・東新潟(※1)油槽所(同上) 室蘭製油所(従来)に加え、西日本からも受入
盛岡油槽所(※2)(タンク車により転送) 根岸製油所より受入(従来は仙台製油所から)
郡山油槽所(※2)( 同上 ) 同 上
仙台製油所および日本海沿岸各油槽所 需要動向に応じた製品輸入を計画・実施
※1:東西オイルターミナル株式会社運営
※2:日本オイルターミナル株式会社運営
〔2〕タンカー数の確保
内航タンカーについては、前年を上回る船腹を確保しております。
また、製品輸入の実施は、外航タンカーの活用による船腹の確保に資するものとなります。
(3)仙台製油所貯蔵設備の復旧および在庫積み増し
〔1〕仙台製油所製品タンクの復旧
被災した製品タンクが9月以降順次復旧することから、現状約10万KLとなっている製品タンク容量は12月時点で約40万KLまで復旧します。これにより、灯油についてはほぼ震災前並みのタンク容量を確保するとともに、他石油製品についても備蓄能力を増強します。
〔2〕需要期に向けた石油製品の在庫積み増し
復旧する仙台製油所の製品タンク等を含め、10月末時点で、東北地方の石油製品在庫を昨年度実績を上回る水準まで積み上げ、冬場の需要増に備える予定です。
(4)仙台製油所タンクローリー出荷能力の回復
11月までに出荷設備を現在の9レーン(ガソリン・灯油・軽油)から36レーンに増強するとともに、冬場の需要期には出荷時間を延長することにより充分な製品出荷能力を確保いたします。
※36レーンには、ガソリン・灯油・軽油の追加レーンの他、A重油・LPガス・アスファルトの新規レーンも設置。
※7月28日発表の「仙台製油所の復興計画について」にて公表した連絡橋新設については11月完成予定。
(5)サービスステーション等へのタンクローリーによる安定的な配送
〔1〕タンクローリー配備数の増強
東北地方におけるタンクローリー配備については、11月までに震災前の約250台体制を確保するとともに、バックアップ用として追加配備を計画中です。
〔2〕配送圏の整備
被災により仙台製油所の生産が停止していること、および被災後の復旧が困難である気仙沼油槽所を廃止すること等を踏まえて、今冬の地域需要に応じたタンクローリー配送圏を整備します。
【従来(震災前)からの主な変更点】
仙台製油所 :岩手県の一部(今回廃止する気仙沼油槽所の旧配送網)まで拡大
郡山油槽所※:従来、仙台製油所の配送圏であった山形県の一部をカバー
※日本オイルターミナル株式会社運営
以 上