フリースケール、エネルギー効率を向上させる次世代デジタル・シグナル・コントローラーを発表

フリースケール、エネルギー節約に貢献する
次世代デジタル・シグナル・コントローラを発表

電源およびモータ用のスマート・エナジー管理ソリューションを実現する
新しいＭＣ５６Ｆ８４ｘｘファミリ


２０１１年７月８日−フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン株式会社（本社：東京都目黒区下目黒１−８−１、代表取締役社長：ディビッド　Ｍ．ユーゼ）は、高性能デジタル・シグナル・コントローラ（ＤＳＣ）を発表しました。
　アメリカのエネルギー情報局（ＥＩＡ）によると、世界のエネルギー需要は今後２０年間で３５％以上増大すると予測されており、エネルギー管理ソリューションの「スマート化」がますます重要視されています。この点でこれまでグリーン・テクノロジとして世界で注目を集めてきたのはスマート・グリッドの設計と実装でしたが、今日ではエネルギー節約に向けて別の重要な方法が使用され始めています。すなわち、電源やモータ、照明システムなどエネルギー需要が大きな分野において、デジタル制御システムの利用を通じて小さいながらもさまざまな効率改善策を積み重ねていくことで、世界全体のエネルギー消費にも重大な影響を与えることができるという発想です。フリースケールの新しいデジタル・シグナル・コントローラは、このようなニーズに対応します。

　フリースケールは、次世代ＤＳＣポートフォリオの最初のファミリ製品となる「ＭＣ５６Ｆ８４ｘｘ」を発表しました。このデバイスは、高速アナログ機能に効率的な３２ビット・デジタル・シグナル・プロセッサ・コアを統合し、電源（デジタル電力変換）やモータ向けに精密で高精度なデジタル制御を提供します。ＭＣ５６Ｆ８４ｘｘファミリの性能、精度、制御機能により、上記のような各種アプリケーションにおいてシステムの安定性を向上させることができます。

　モータ制御アプリケーションでシステムの安定性が向上すると、たとえば食器洗浄機などの家電製品において、静かで効率性に優れたモータが実現します。電源アプリケーションでシステムの安定性が向上すると、浪費されるエネルギー量や熱量を削減することができます。発生する熱量が少なくなれば、コストとシステム・サイズを抑えた設計が可能になります。たとえば、電源を備えたサーバ・ルームで生成される熱量が少なくなれば、冷却用に必要とされるエネルギー量が減り、回路基板で放散する熱量が少なくなれば、小型設計が可能になり、電力密度を向上させることができます。これにより、システム・サイズやコストの削減、アプリケーションの小型化が実現できます。

　フリースケールの上席副社長兼マイクロコントローラ・ソリューション・グループ担当ジェネラル・マネージャであるレザ・カゼロニアンは、次のように述べています。
　「世界全体のエネルギー使用に対する意識が高まる中、エネルギー消費を最小化できる設計方法が求められています。デジタル・シグナル・コントローラはエネルギー効率を向上させる上で理想的な技術であり、フリースケールの次世代ＤＳＣはその先頭に立っています。ＭＣ５６Ｆ８４ｘｘファミリの導入にあたり、フリースケールは、あらゆる面でＤＳＣの再検証と性能向上を行いました。コアを３２ビットにアップグレードし、ペリフェラルの柔軟性と精度を高め、設計手法を簡素化しています。このような改善により、エネルギー使用を管理する迅速でスマートな方法が実現します。」


＜クラウドのエネルギー節約＞
　ＭＣ５６Ｆ８４ｘｘファミリは、データ・センターのサーバに使われる電源など、ハイエンドのデジタル電源をターゲットにしています。ビジネス界や一般ユーザの間でクラウド・コンピューティングへの移行が進む中、データ・センターのエネルギー効率向上がますます重要な課題になっています。クラウドの利用は今後数年の間に大幅に増加すると見込まれ、それに伴いクラウド・インフラストラクチャをホストするデータ・センターの平均規模も劇的に増大し、結果としてエネルギー消費も増大すると考えられます。電気代の値上がりが続き、サーバ・ラックにかかる電気代が総所有コストの２０％近くを占めることも一般的になり、データ・センターを所有する企業は、総コスト削減につながるエネルギー効率に優れたソリューションを求め続けています。（注１）

　ＭＣ５６Ｆ８４ｘｘファミリは、伝統的な産業アプリケーションや照明システム、さらには太陽光発電など次世代エネルギー発生装置において、浪費されるエネルギーを低減する上で理想的です。


＜ＭＣ５６Ｆ８４ｘｘ　ＤＳＣファミリの詳細＞：
　ＭＣ５６Ｆ８４ｘｘ　ＤＳＣファミリは、マイクロコントローラ業界で最速の信号処理性能を発揮します。マイクロコントローラの使いやすさと、ＤＳＰコアの先進的な高速演算処理能力を兼ね備えています。

　このファミリの主な特長は、次の通りです。

・３２ビット・コア、高分解能パルス幅変調（ＰＷＭ）、ならびにＡＤＣ（ＡＣ／ＤＣ変換）により、高性能と高精度の最適な組み合わせを実現
・デジタル信号処理に最適化された１００ＭＨｚ／１００ＭＩＰＳ　３２ビット・コアにより、制御ループの実行を増加
・ハーバード型アーキテクチャによりサポートされるシングル・サイクル演算処理、小数演算サポート、ならびにパラレル・ムーブにより、高速制御ループを実現
・３１２ピコ秒の分解能を備えた高分解能ＰＷＭにより、拡張温度範囲において高精度かつ安定した制御を実現
・最大３．３Ｍｓｐｓ（メガサンプル／秒）のサンプリングを行うＰＧＡ（プログラマブル・ゲイン・アンプ）を内蔵したデュアル１２ビットＡＤＣにより、リアルタイム制御性能を向上させ、効率的な設計を実現
・メモリ保護機能により、重要なモジュールへのアクセスを制限し、信頼性の高いソリューションを実現
・オンチップのコンパレータにより、システムの部品コストを削減し、設計を簡素化・６４ＫＢから２５６ＫＢまで拡張可能なプログラマブルＦｌａｓｈメモリ
・フリースケールのＦｌｅｘＭｅｍｏｒｙ　ＥＥＰＲＯＭ機能により、頻繁なイベントの保存をサポート
・ダイレクト・メモリ・アクセス（ＤＭＡ）により、コアへの割込みなしに高速データ転送を実現
・５ＶトレラントＩ／Ｏにより、柔軟性を高め、システム・コストを削減

　フリースケールは長年にわたり自社の製品に対して長期製品サポートを提供しています。ＭＣ５６Ｆ８４ｘｘファミリは、フリースケールの長期製品供給プログラム（Ｐｒｏｄｕｃｔ　Ｌｏｎｇｅｖｉｔｙ　Ｐｒｏｇｒａｍ）の対象となっており、最低１０年間の供給体制が保証されます。
　諸条件の詳細、ならびに利用可能な製品のリストについては、http://www.freescale.com/productlongevityのＷｅｂサイトをご覧ください。


＜価格と供給＞
　ＭＣ５６Ｆ８４ｘｘファミリは、２０１１年第４四半期にフリースケールおよび販売パートナーを通じてサンプル出荷を開始する予定です。１万個購入時の１個あたりの参考価格は、２ドル（ＵＳＤ）です。フリースケールのＤＳＣ製品の詳細については、http://www.freescale.com/dscのＷｅｂサイトをご覧ください。ＭＣ５６Ｆ８４ｘｘファミリの詳細については、http://www.freescale.com/MC56F84xxのＷｅｂサイトをご覧ください。


（注１）ＡＰＣ（Ａｍｅｒｉｃａｎ　Ｐｏｗｅｒ　Ｃｏｎｖｅｒｓｉｏｎ）ホワイト・ペーパー「Ｄｅｔｅｒｍｉｎｉｎｇ　Ｔｏｔａｌ　Ｃｏｓｔ　ｏｆ　Ｏｗｎｅｒｓｈｉｐ　ｆｏｒ　Ｄａｔａ　Ｃｅｎｔｅｒ　ａｎｄ　Ｎｅｔｗｏｒｋ　Ｒｏｏｍ　Ｉｎｆｒａｓｔｒｕｃｔｕｒｅ（データ・センターおよびネットワーク・ルーム・インフラストラクチャの総所有コストの決定）」。


＜フリースケール・セミコンダクタについて＞
　フリースケール・セミコンダクタ（ＮＹＳＥ：ＦＳＬ）は、自動車用、民生用、産業用、およびネットワーキング・マーケット向け組込み用半導体のデザインと製造の世界的リーダーです。フリースケールは、テキサス州オースチンを本拠地に、世界各国で半導体のデザイン、研究開発、製造ならびに営業活動を行っています。
　詳細は、http://www.freescale.com（英語）、またはhttp://www.freescale.co.jp/（日本語）をご覧ください。


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　Ｔｅｌ：０１２０−１９１０１４
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