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飛島建設、ムーヴと共同で切羽安全監視システムを開発

2011-07-06

安価で、多点同時にリアルタイム連続計測できる切羽安全監視システムを開発
―レーザー距離計を用いた多点同時変位計測による安全で効率的なトンネル施工を実現―



 飛島建設(株)(社長:伊藤寛治)は、株式会社ムーヴ(社長:吉田誠一)と共同で、岩塊の抜落ちが発生しやすい亀裂性地山や鏡吹付け等の切羽補強工が必要な不良地山に対して、安全な切羽作業や効率的な対策工を実現するための「切羽安全監視システム」を開発しました。この度、度々切羽崩壊が発生した強変質塑性地山や未固結地山におけるトンネル現場等に適用し、その有効性・実用性を確認しました。


■技術の概要
 山岳トンネルの施工では、未固結地山や断層破砕帯等の脆弱地山に遭遇し、作業中に切羽崩壊が発生することがあります(写真−1)。近年、切羽マーキングシステムや坑内計測(A計測)で用いられる自動追尾型トータルステーション(以下、自動追尾型TSと記す)により切羽押出し量を一定間隔で計測することが可能となっています。しかしながら、自動追尾型TSによる計測では、1測点の計測に5〜10秒を要し、例えば4測点で切羽を計測する場合、各測点で20〜40秒間の未計測期間(監視していない空白の時間)が発生し、岩塊の抜落ち前の予兆を見逃してしまうリスクがありました。これに対して、建設現場での簡易測量に使用される安価なレーザー距離計を用いて、複数台のレーザー距離計を遠隔制御する技術を応用し、切羽押出し量等の地盤変位を1秒間隔で多点同時に連続計測する「切羽安全監視システム」を開発しました(図−1、図−2参照)。本システムでは、システムの機動性を考慮し、パソコンと機器間の通信はワイヤレスとし、計測用パソコンに計測データをリアルタイムに転送し、変位量や変位速度等の物理量を演算処理します。そして、あらかじめ設定した管理基準値(注意、危険、限界の3レベル)を超えた場合、警告音や警告灯により切羽作業員に対して即時に注意喚起します。


 <写真−1 切羽崩壊の例>

  ※画像は添付の関連資料を参照


 切羽の不安定な不良地山や崩壊性の地盤において、「切羽安全監視システム」を押出し量や地盤挙動の計測監視に適用することにより、変位の発生をリアルタイムに検知し、従来より課題であった迅速に多点同時の地盤変位量を計測することが可能となります(表−1参照)。これによって、以下の通り、山岳トンネルの安全性向上、支保工や対策工の品質および経済性の確保が期待できます。


●切羽崩壊の予兆を検知して、切羽作業、退避等の安全行動を的確に実施できる。
●切羽全体の変位量を面的に把握して、切羽補強工(鏡吹付け、鏡ボルト)の効果を定量的に評価し、対策工の規模の増減や実施範囲区間を合理的に設計・施工できる。
●ハンディなレーザー距離計をワイヤレス環境で使うため、施工が簡単で導入工程が従来の自動追尾型TSに比べて25〜30%に短縮できる。
●導入コストは従来の30%程度と安価(計測期間6ヶ月で試算)。
●同一現場内や他現場への移設が簡単で、機器の増設や測定環境設定は専門知識が不要。


<表−1 レーザー距離計による多点同時計測の特徴>

 ※添付の関連資料を参照



※以下、リリースの詳細は添付の関連資料を参照


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