武田薬品など、ＳＧＮ−３５の臨床試験に関する最新データを発表

米国臨床腫瘍学会年次集会
ＳＧＮ−３５の臨床試験の最新データについて


　Ｓｅａｔｔｌｅ　Ｇｅｎｅｔｉｃｓ，Ｉｎｃ．（米国ワシントン州ボセル、以下「シアトルジェネティクス社」）と武田薬品工業株式会社（大阪市、以下「武田薬品」）ならびにその１００％子会社であるＭｉｌｌｅｎｎｉｕｍ　Ｐｈａｒｍａｃｅｕｔｉｃａｌｓ，Ｉｎｃ．（米国マサチューセッツ州ケンブリッジ、以下「ミレニアム社」）は、本日、ＳＧＮ−３５（一般名：ブレンタキシマブ　ベドチン、製品名：ＡＤＣＥＴＲＩＳ（ＴＭ））について、再発・難治性のホジキンリンパ腫を対象とした臨床試験および再発・難治性全身性未分化大細胞リンパ腫を対象とした臨床第２相試験のデータを発表しましたのでお知らせします。ＳＧＮ−３５は、ホジキンリンパ腫や全身性未分化大細胞リンパ腫などの悪性腫瘍に発現するＣＤ３０抗原を標的とした抗体−薬物複合体（ＡＤＣ：ａｎｔｉｂｏｄｙ−ｄｒｕｇ　ｃｏｎｊｕｇａｔｅ）です。本試験データは、米国イリノイ州で開催されている米国臨床腫瘍学会年次集会のポスターセッションで発表されました。

　再発・難治性ホジキンリンパ腫を対象とした試験について、Ｈｅｍａｔｏｌｏｇｙ　＆　Ｈｅｍａｔｏｐｏｉｅｔｉｃ　Ｃｅｌｌ　Ｔｒａｎｓｐｌａｎｔａｔｉｏｎ　ａｔ　Ｃｉｔｙ　ｏｆ　Ｈｏｐｅ准教授であり２０１０−２０１１　ｒｅｃｉｐｉｅｎｔ　ｏｆ　ｔｈｅ　Ｔｉｍ　Ｎｅｓｖｉｇ　Ｒｅｓｅａｒｃｈ　Ｆｅｌｌｏｗｓｈｉｐ　ｉｎ　ＬｙｍｐｈｏｍａであるＲｏｂｅｒｔ　Ｃｈｅｎ医師は、「前治療を受けた難治性ホジキンリンパ腫の患者さんへの単剤治療によって、完全寛解が１８ヶ月以上続くことは稀であり、臨床的に大変重要です。自己幹細胞移植後に再発した約半数のホジキンリンパ腫の患者さんは、２年以内に亡くなられるというデータがあり、本疾患領域には大きなアンメットニーズが存在します。本薬が再発・難治性ホジキンリンパ腫の患者さんにとって重要な治療オプションになり得ると期待できます」と述べています。

　再発・難治性全身性未分化大細胞リンパ腫を対象とした試験について、Ｈｅｍａｔｏｌｏｇｙ　ａｔ　ｔｈｅ　Ｕｎｉｖｅｒｓｉｔｙ　ｏｆ　Ｗａｓｈｉｎｇｔｏｎ　Ｓｃｈｏｏｌ　ｏｆ　Ｍｅｄｉｃｉｎｅ准教授でありａｔｔｅｎｄｉｎｇ　ｐｈｙｓｉｃｉａｎ　ｉｎ　ｔｈｅ　Ｈｅｍａｔｏｌｏｇｉｃ　Ｍａｌｉｇｎａｎｃｉｅｓ　Ｐｒｏｇｒａｍ　ａｔ　ｔｈｅ　Ｓｅａｔｔｌｅ　Ｃａｎｃｅｒ　Ｃａｒｅ　ＡｌｌｉａｎｃｅであるＡｎｄｒｅｉ　Ｓｈｕｓｔｏｖ医師は、「全身性未分化大細胞リンパ腫は、侵襲性Ｔ細胞型非ホジキンリンパ腫であり、特に本試験にエントリーされた難治性の患者さんにとっては、大きなアンメットニーズが存在します。本薬について、以前発表した奏効率８６％および今回発表した奏効期間に関するデータは、再発・難治性全身性未分化大細胞リンパ腫の患者さんを対象とした本薬の臨床開発を進めるうえで重要なものであると確信しています」と述べています。


　※ＳＧＮ−３５の臨床試験の概要は添付の関連資料を参照


＜ＳＧＮ−３５（ＡＤＣＥＴＲＩＳ（ＴＭ））について＞
　シアトルジェネティクス社とミレニアム社は、共同事業化契約に基づき、本薬の共同開発を実施しています。同契約により、タケダグループは米国・カナダを除く全世界を対象とした独占的販売権を獲得するとともに、海外における開発費用の５０％を負担しています。なお、日本における開発費用はタケダグループが全額を負担します。
　ＳＧＮ−３５は、ホジキンリンパ腫および全身性未分化大細胞リンパ腫治療薬として、ＦＤＡおよびＥＭＡより希少疾病用医薬品に指定されており、ＦＤＡよりホジキンリンパ腫の効能に関して優先審査制度の指定も受けています。


＜ホジキンリンパ腫について＞
　リンパ腫とは、リンパ系で発生する癌種を表す一般名称であり、主にホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫に区分されます。ホジキンリンパ腫は、ＣＤ３０抗原を発現するリードスタンバーグ細胞が認められることにより、病理学上、他のリンパ腫と区別されます。米国癌学会によると、２０１０年、米国では約８，５００例のホジキンリンパ腫が確認され、１，３００例以上の患者さんが亡くなられています。