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小野薬品、米国腎臓学会で「エテルカルセチド塩酸塩」の臨床試験・長期投与試験の成績を発表
米国腎臓学会(ASN)Kidney Week 2016において
血液透析下の二次性副甲状腺機能亢進症患者に対するカルシウム受容体作動剤
「エテルカルセチド塩酸塩(ONO−5163)」の
国内第1/2相臨床試験及び長期投与試験の成績を発表
小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:相良暁、以下「当社」)は、11月17日(米国現地時間)、米国のシカゴで開催されている米国腎臓学会(American Society ofNephrology:ASN)Kidney Week 2016において、エテルカルセチド塩酸塩(ONO−5163)の「血液透析下の二次性副甲状腺機能亢進症」を対象とした、国内第1/2相臨床試験及び長期投与試験の成績について発表しましたので、お知らせします。
二次性副甲状腺機能亢進症は、慢性腎不全の合併症のひとつで、副甲状腺から副甲状腺ホルモン(PTH)が過剰に分泌される病態です。PTHが過剰に分泌されることにより、骨からのリンおよびカルシウムの血中への流出が促進され、骨痛や関節痛などの症状が引き起こされます。また、骨から溶け出したリンおよびカルシウムが全身の心血管系に蓄積することで動脈硬化などの心血管系障害の発症リスクが高まり、生命予後に影響を及ぼすことが報告されています(※)。
国内第1/2相臨床試験では、エテルカルセチド塩酸塩を4週間反復投与した結果、血清中副甲状腺ホルモン(iPTH)に加え(既報)、骨吸収マーカーであるTRACP−5bを用量依存的に低下させることが確認されました。国内長期投与試験では、190名の患者を対象にエテルカルセチド塩酸塩を52週間反復投与した結果、忍容性は良好であることが確認されました。また、iPTHが管理目標値(※)(60〜240pg/mL)の範囲となった患者の割合は87.5%(140/160名)でした。
なお、エテルカルセチド塩酸塩は静脈注射剤であり、透析ルートからの投与が可能なため、確実な投与が可能になるとともに、透析患者さんの服薬の負担を軽減することが期待されます。
当社は、2011年9月にKAI社(現Amgen社の子会社)と締結したライセンス契約に基づき、エテルカルセチド塩酸塩について、日本で独占的に開発・商業化する権利を取得しています。
日本では、当社が2016年1月に血液透析下の二次性副甲状腺機能亢進症の治療薬として製造販売承認申請し、同年10月31日に薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会で、承認が了承されました。欧米においてはAmgen社が、慢性腎臓病に伴う血液透析患者における二次性副甲状腺機能亢進症を適応として、米国では2015年8月に新薬承認申請(NDA)を行っており、また、欧州では2015年9月に中央審査方式による医薬品販売承認申請(MAA)を行い、2016年11月11日(欧州現地時間)に欧州委員会より医薬品販売承認を受けています。
※日本透析医学会「慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常の診療ガイドライン」(2012年)
以上