イマコト

最新の記事から注目のキーワードをピックアップ!

Article Detail

積水化学、機能フィルムメーカー「鈴寅」を買収しIT分野を強化

2011-05-07

機能フィルムメーカー「株式会社鈴寅」買収によるIT分野の強化について


 積水化学工業株式会社(代表取締役社長:根岸 修史、以下当社)は、株式会社鈴寅(代表取締役社長:鈴木 隆啓、以下鈴寅社)を本日付で買収しましたので、お知らせいたします。鈴寅社が持つITOフィルム[※1]などの技術を活用することで、IT(電子材料)分野の拡大を目指します。

 ※1:ITOフィルム ― PETフィルムなどのベースフィルムにITO(酸化インジウム錫)でコーティングされた透明な導電性フィルム。
携帯電話、スマートフォンなどのタッチパネルや、太陽電池、有機ELなどに使用される。


1.背景

 当社の高機能プラスチックスカンパニー(プレジデント:松永 隆善)では、車両・IT・メディカルの3分野を戦略事業分野と位置づけ、積極的に戦略投資を実施するなど強化を図ってきました。

 これまで、IT分野については、フラットパネルディスプレイ(以下FPD)分野における微粒子群やシール材、各種接合テープや保護フィルムなどを中心に、実装基板分野[※2]などにおいて機能材料を展開してきましたが、さらに付加価値の高い周辺製品への進出についても検討していました。

 一方、鈴寅社はフィルムの高機能化に寄与する高度なスパッタリング[※3]技術をベースに2007年よりITOフィルム市場に参入し、高い評価を得てきましたが、市場の急激な拡大に対応するためには、さらなる体制強化が課題となっていました。

 この度、当社グループの傘下に鈴寅社が入ることにより、双方の目的を達成することができます。

 ※2:実装基板分野 ― 電気回路の形成に、多種多様の電子部品を搭載したプリント基板が用いられている。当社では、このようなプリ
ント基板製造に必要な樹脂、テープ等を展開。

 ※3:スパッタリング ― 薄膜として付けたい金属(ITO:酸化インジウム錫など)をターゲットとして設置し、高エネルギーのイオン粒子を衝突させて、ターゲット表面の原子、分子を外に弾き出し、被着体に膜を成膜する方法。


2.買収の狙い

1)新分野進出と販売シナジー
 当社が、IT関連フィルム製品の新分野(ITOフィルム)進出を果たすとともに、特にFPD 分野での既存IT製品の販売網を活用するなどのシナジー効果を見込みます。

2)当社グループの経営資源活用
 当社グループの経営資源を有効活用することによって、ITOフィルム市場の規模拡大のスピードに対応し、さらなる成長・拡大を目指します。

3)新製品開発
 鈴寅社のスパッタリング技術と当社の粘接着、塗工技術などを複合することにより、IT分野をはじめ、太陽電池、燃料電池などエネルギー分野での新製品の早期開発・立ち上げを図ります。


3.事業目標

 FPD 分野において、急成長が見込まれるスマートフォンやタブレット型端末に使われるタッチパネル向けに、鈴寅社の高性能ITOフィルムの販売を拡大し、2013年に売上高100 億円を目指します。


4.買収対象会社の概要

 1)社名:株式会社鈴寅
 2)事業内容:薄膜事業(タッチパネル主用途ITOフィルム)
          テキスタイル事業(金属コーティング加工、合成皮革向けレザー基布加工、他)
 3)所在地:愛知県蒲郡市浜町36

 4)設立年:1936年4月

 5)資本金:3千万円

 6)従業員:約140名

 7)売上高:約43億円(2010年8月期)

 8)買収方法:100%株式買収


【ご参考】
 <静電容量式タッチパネル構成図>
  ※ 関連資料参照


以上


Related Contents

関連書籍

  • 死ぬまでに行きたい! 世界の絶景

    死ぬまでに行きたい! 世界の絶景

    詩歩2013-07-31

    Amazon Kindle版
  • 星空風景 (SKYSCAPE PHOTOBOOK)

    星空風景 (SKYSCAPE PHOTOBOOK)

    前田 徳彦2014-09-02

    Amazon Kindle版
  • ロンドン写真集 (撮影数100):ヨーロッパシリーズ1

    ロンドン写真集 (撮影数100):ヨーロッパシリーズ1

    大久保 明2014-08-12

    Amazon Kindle版
  • BLUE MOMENT

    BLUE MOMENT

    吉村 和敏2007-12-13

    Amazon Kindle版