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住友金属鉱山、希土類元素・スカンジウムの回収事業に参入
スカンジウム回収事業への参入について
住友金属鉱山株式会社(本社:東京都港区、社長:中里佳明)は、このたび希土類元素のひとつであるスカンジウムの回収事業への参入を決定するとともに、主要用途のうち燃料電池向け販売に関し、米国の大手企業と酸化スカンジウムの長期販売契約を締結致しました。
当社は、当社子会社であるコーラルベイニッケル社(所在地:フィリピン国パラワン島、社長:久保田 毅)においてニッケル鉱石からスカンジウムを回収するパイロットプラントを2013年に建設し、ニッケル・コバルト混合硫化物の製造工程からスカンジウムを商業生産規模で効率的に回収する技術を確立しました。このたび、当社はスカンジウム回収の事業化を決定、その一環として当社子会社であるタガニートHPALニッケル社(所在地:フィリピン国ミンダナオ島、社長:久保田 毅、以下「THPAL」という。)に酸化スカンジウムの中間品製造プラントを建設致します。また、この中間品を最終製品である酸化スカンジウムに加工するための工程を当社播磨事業所に設置致します。
スカンジウムは希土類元素の一つで、現在は中国、ロシア等を中心に年間約10〜15トン(酸化スカンジウム換算量)程度生産されていると推定されます。世界的に生産量が少ないことからこれまでは需要が限定されておりました。
当社が西側諸国で初めて本格的な量産を行うことでスカンジウムユーザー、とりわけ、燃料電池用途への酸化スカンジウムの長期的かつ安定的な供給が可能となります。世界的な潮流として、省エネルギーと地球温暖化への取り組みが高まっており、当社は酸化スカンジウムの燃料電池分野への供給により、発電によるCO2の大幅な排出量削減にも貢献できる見込みです。
また安定したスカンジウム源の確保により酸化スカンジウムの新規材料としての特性を生かした様々な分野での活用が期待できます。今後、燃料電池向け用途を基軸に、新規用途を開拓し、顧客とともに市場を創り上げて参ります。
当社は資源の効率的な回収を進めることでHPAL技術(High Pressure Acid Leach:高圧硫酸浸出法)の付加価値を高め、世界のニッケル事業における当社の競争力をさらに向上させて参ります。
<スカンジウム回収事業化の概要>
1)投資額:約40億円
2)製造能力:約7.5t/年(酸化スカンジウム換算量)
3)製造拠点:
(前工程)THPAL
鉱石より酸化スカンジウムの中間品を回収致します。
(後工程)当社播磨事業所
中間品から酸化スカンジウムを生産致します。
4)生産開始時期:2018年春を予定しております。
■参考資料1 THPALの概要
1)名称:タガニートHPALニッケル社
2)資本関係:住友金属鉱山62.5%、NAC22.5%、三井物産15.0%
3)所在地:フィリピン国スリガオデルノルテ州タガニート地区
4)従業員数:約550名
5)生産品
ニッケル・コバルト混合硫化物
6)生産量
ニッケル量換算で約30,000トン/年、コバルト量で約2,600トン/年。
■参考資料2 スカンジウムの用途可能性
添付資料のとおり
※参考資料2は添付の関連資料を参照