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IHI、褐炭から肥料の原料となる合成ガスを製造する二塔式ガス化炉の実証運転を開始

2015-03-06

〜未利用エネルギーの褐炭から肥料の原料となる合成ガスを製造〜
二塔式ガス化炉「TIGAR(R)」による実証運転を開始
〜褐炭の有効利用に向けた取組みを加速 早期市場参入へ〜


 株式会社IHI(本社:東京都江東区/社長:斎藤 保)は,褐炭(※1)から肥料の原料となる合成ガスを製造する,褐炭ガス化炉の実証プラント(褐炭処理量50tons/日)を完成させ,実証運転を開始しました。実証プラントは,インドネシア最大の国営肥料統括会社である,ププックインドネシアのクジャン工場(チカンペック市,ジャカルタ中心部から東へ約75km)に建設され,2月26日に竣工式典を開催しました。式典では,藤井敏彦 経済産業省資源エネルギー庁国際資源エネルギー戦略統括調整官,谷崎泰明 駐インドネシア日本国大使館特命全権大使インドネシア政府関係者をはじめとする来賓の方々からお祝いの言葉をいただきました。
 今後は,実証プラントでの約2年間にわたる長期実証運転によってプラントの運用性や耐久性を確認する予定で,2015年内にも商用機(褐炭処理量500〜1,000tons/日)の受注活動開始を目指します。

 水分含有量が多い低品位炭の一つである褐炭は,その豊富な埋蔵量と価格の安さから,有効利用が世界的に期待されています。IHIではこれまで,瀝青炭などの高品位炭を燃料とする石炭火力発電用ボイラの高効率化を進める一方で,今回の二塔式ガス化炉「TIGAR(R)」(Twin IHI Gasifier)や,水分を多く含む褐炭を効率よく利用するための予乾燥褐炭設備の開発,褐炭焚きボイラの知見を数多く有する欧州企業の買収など,褐炭の有効利用に向けた積極的取組を加速させています。

 今回完成した「TIGAR(R)」は,IHIが実績を有する循環流動層ボイラ技術を応用し,自社開発したガス化炉です。IHIは2004年に「TIGAR(R)」の開発を開始し,2010年からは経済産業省の支援を受けて研究開発を行っており,今回の実証運転も経済産業省からの補助金を受けて行うものです。

 「TIGAR(R)」の主な特徴は以下の通りです。
  1.低温,常圧での効率的な運転が可能で,容易な運用性,安価な運転・保守費を実現
  2.多くの実績を有する流動層技術に裏打ちされた,高い信頼性
  3.化学原料や燃料用途などへの多様な適用性
  4.低品位炭,バイオマス,廃棄物などの多種燃料への優れた適用性

 IHIは,未利用エネルギーである褐炭の有効利用技術の開発に対する取組みや,石炭火力発電設備の更なる高効率化,CO2回収技術の開発などを含む,資源・エネルギー・環境領域における積極的な事業展開を通じて,地球環境およびエネルギー問題に取り組んでまいります。

 (※1)褐炭
  世界の石炭可採埋蔵量の約半分を占める低品位炭の一つ。東南アジア,欧州,オーストラリアなどに多く存在しており,安価。一方で,水分を多く含むために発熱量が低く,また,自然発火性が高いことから,これまでは利用が限られており,未利用エネルギーと言われている。


【参考資料】

 <「TIGAR(R)」実証プラントの仕様>
 石炭使用量:50tons/日
 合成ガス発生量:1,800m3/時
 蒸気発生量:4.5tons/時
 敷地面積:100m×80m

 *参考画像などは添付の関連資料を参照



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