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TDK、高速スイッチングコンバーター向けセラミック「キャパシタCeraLink」を商品化
コンデンサ
新コンセプト高速スイッチングコンバータ向けセラミック
キャパシタCeraLink(TM)
・実使用条件下の高DCバイアス電圧領域で最大実効容量を実現
・150℃までの高耐熱性能
・パワー半導体モジュール内への埋込対応可能
TDK株式会社(社長:上釜 健宏)は、高速スイッチングコンバータのスナバやDCリンク回路向けに、EPCOSブランドの新コンセプトのセラミックキャパシタ、CeraLink(TM)を商品化したことを発表します。PLZT(PbLaZrTiO3)材料をベースとするこの新しいセラミックキャパシタは、BT(BaTiO3)材料をベースとする一般的なセラミックコンデンサとは対照的に、高DCバイアス電圧印加時に最大静電容量を示すことを特長とします。
シリーズ最小機種は、定格電圧500VDCで1μFの静電容量を持つ面実装(SMD)低背タイプで、外形寸法はL:10.84mmxW:7.85mmxH:4.25mmです。また、ソルダーピンタイプの機種は、定格電圧500VDCで20μFの静電容量を持ち、外形寸法は、L:33.00mmxW:22.00mmxH:11.50mmとなります。どちらのタイプも3.5nH以下の極めて低いESL(等価直列インダクタンス)値を示します。連続使用温度範囲は−40℃〜+125℃で、保証時間に対して5%以内であれば150℃までの対応も可能です。
SMD低背タイプの特長は、素体および端子構造が高耐熱性能を有することによるパワー半導体モジュール内への埋込が可能なことです。それにより回路の低インダクタンス化が可能となり、半導体スイッチング時の過電圧を抑制することが出来ます。
上記タイプのほか、定格電圧500V DC、静電容量5μF、外形寸法L:3.25mmxW:14.26mmxH:9.35mmのSMDタイプと、定格電圧1000VDC、静電容量5μF、外形寸法L:33.00mmxW:22.00mmxH:11.50mmのソルダ−ピンタイプの2タイプもサンプル提供致します。
本製品は、反強誘電体材料という一般的なセラミックコンデンサと異なる材料を使用することで、実使用条件下の高DCバイアス電圧領域で実効静電容量を最大にすることが可能となります。更に、量産中の燃料噴射用インジェクタのCu内部電極プロセス技術を応用展開するという2つの技術を融合することで、世界で初めて卑金属内部電極タイプの商品化を実現しました。
<用語集>
・PLZT:チタン酸ジルコン酸ランタン鉛
<主な用途>
・SiC/GaN パワー半導体のスナバ/DCリンク回路
<主な特長と利点>
・3.5nH以下の超低ESL
・定格動作温度−40℃〜+125℃、瞬時許容温度+150℃の高耐熱性能
・定格電圧500V DC/1,000V DC
・定格静電容量1,20μF@500VDC,5μF@1000VDC
・パワー半導体モジュール内への埋込対応可能
【TDK 株式会社について】
TDK 株式会社(本社:東京)は、各種エレクトロニクス機器において幅広く使われている電子材料の「フェライト」を事業化する目的で1935年に設立されました。
主な製品としては、各種受動部品(※)(製品ブランドとしてはTDK、EPCOS)をはじめ、電源、HDDヘッドやマグネットなどの磁気応用製品、そしてエナジーデバイスやフラッシュメモリ応用デバイス等があります。アジア、ヨーロッパ、北米、南米に設計、製造、販売のネットワークを有し、現在、情報通信機器、コンシューマー製品、自動車、産業電子機器の分野において、電子部品のリーディングカンパニーを目指しビジネスを展開しています。
2014年3月期の売上は約9,800億円で、従業員総数は全世界で約83,000人です。
※主な製品は、コンデンサ(積層セラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサ)、インダクタ、フェライトコア、高周波部品、センサ、ピエゾおよび保護部品等です。
*商品画像は添付の関連資料を参照