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大日本印刷、バイオマス度98%の飲料用紙容器「L−Bioカートン」を開発

2014-10-02

国内初 バイオマス度98%の飲料用紙容器『L−Bioカートン』を開発
植物由来原料のポリエチレンとFSC森林認証用紙を用いた環境配慮型の包装材


 大日本印刷株式会社(本社:東京 社長:北島義俊 資本金:1,144億円 以下:DNP)は、植物由来の原料で製造したバイオマスポリエチレンと、森林管理協議会(FSC:Forest Stewardship Council)(*1)の森林認証紙を使用した、バイオマス度(*2)98%の飲料用紙容器『L−Bio(エル−バイオ)カートン』を国内で初めて開発しました。果汁飲料やコーヒー飲料などの飲料向けの包装材として本年12月に発売します。

【L−Bioカートン開発の背景】
 DNPは、環境への負荷や持続可能性、生物多様性に配慮した多様な包装材を積極的に開発しています。2012年に植物由来の原料(サトウキビの廃糖蜜)を含むポリエチレンテレフタレート(PET)を使った『バイオマテックRPETフィルム』を世界に先駆けて開発しました。その後、2013年に酸素と水蒸気のバリア性を高めた透明な蒸着フィルム『バイオマテックRIB−PETフィルム』を、2014年7月にはバリア性と遮光性に優れたアルミ蒸着フィルム『バイオマテックRVM−PET』などを開発し、『バイオマテックR』シリーズとして、食品や日用品などの包装材として提供しています。一方、1980年から、「Lカートン」や「Lアルミカートン」という名称で、ジュースや茶系飲料、アルコール飲料などの飲料用紙容器(Lシリーズ)を開発・販売し、業界をリードしてきました。

 今回開発した『L−Bioカートン』は、植物由来原料を使ったポリエチレン樹脂をFSC森林認証紙の表裏にラミネートした材料を使用した飲料用紙容器です。Lシリーズとバイオマテックシリーズのそれぞれの強みを組み合わせた製品ラインアップとして飲料用紙容器向けに提供していきます。

【L−Bioカートンの特長】
・約98%のバイオマス度を達成
 バイオマス度95%のバイオマスポリエチレンをFSCの森林認証紙の表裏にラミネートすることによって、容器全体として約98%のバイオマス度を達成しています。“インキを除き、ほぼ100%バイオマス化”を実現した液体紙容器です。導入企業は、当容器にFSCのCoC認証(Chain−of−Custody:加工・流通過程の管理の認証)ラベルも付与でき、環境に配慮する企業であることを一層アピールできます。

・多様な飲料に適用
 「厚生省告示370号及び乳等省令」(*3)にも適合しているため、果汁等のさまざまな飲料の容器として使用できます。

【L−Bioカートンの環境対応】
 L−Bioカートンの原料であるバイオマスポリエチレンは、接着性などの機能を損なうことなく、原料を石油由来から植物由来に置き換えて石油使用量を削減することに成功しました。LCA(Life Cycle Assessment)によって環境負荷の低減効果を定量的に評価すると、当製品1個あたりのライフサイクル全体で、石油由来ポリエチレン樹脂を使用した従来品と比較して、CO2の排出量を約14%削減できました。また、従来の飲料用紙容器と同様にリサイクルも可能です。DNPは、L−Bioカートンの普及を推進し、地球温暖化防止に貢献していきます。

【今後の展開】
 DNPは、食品や飲料、日用品などのメーカーに提供する包装材を可能な限りバイオマテックシリーズに切り替えるよう働きかけていく方針です。L−Bioカートンを皮切りに他の紙容器へもバイオマス化を進め、バイオマテックシリーズの普及と、生活者へのバイオマスおよび森林認証ラベルの浸透を行っていきます。DNPは、バイオマテックシリーズを利用した包装材で、2017年度までに150億円の売上を目指します。

 なお、DNPはL−Bioカートンを本年10月7日(火)〜10日(金)に東京ビッグサイトで開催される「TOKYO PACK2014(2014東京国際包装展)」のDNPブースに出展します。


 *1)FSC認証
 非営利の会員組織であるFSCが運営する国際的な認証制度で、『森林認証』『CoC認証』の2つがあります。『森林認証』は、環境・社会・経済的影響を考慮した厳しい国際基準に基づき、適正に管理された森林に与えられるものです。『CoC認証』は、『森林認証』を受けた森林からのみ伐り出された木材・木材製品が、加工・流通過程において、認証されていない森林からの木材・木材製品と区別して管理されていることを認証するものです。

 *2)バイオマス
 使用する原料全体の乾燥重量のなかで、バイオマス原料の乾燥重量が占める割合のこと。本製品の容器全体のバイオマス度は約98%ですが、日本有機資源協会認定のバイオマスマークは、10%きざみで表示するため、容器への表記は90%となります。

 *3)厚生省告示370号及び乳等省令
 食品衛生法に基づく省令。乳等省令は「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令 昭和26年12月27日厚生省令第52号」の略称で、牛乳や乳製品の成分や製造基準、容器包装の規格などを定めたものです。厚生省告示370号は昭和34年に食品、添加物、器具及び容器包装の規格基準を定めたものです。

 ※「バイオマテック」は、大日本印刷株式会社の登録商標です。






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