Article Detail
三菱電機、東西線妙典駅に納入の「駅舎補助電源装置」が省エネ効果を実現
鉄道車両の回生電力を活用し、駅の照明や空調・エレベーター等の省エネ化を推進
初の実運用で三菱電機「駅舎補助電源装置(S−EIV(R))」が省エネ効果を実現
三菱電機株式会社は、東京地下鉄株式会社(以下、東京メトロ)東西線妙典駅に駅舎補助電源装置(S−EIV(R))(※1)を今年6月に納入し、実運用試験をこれまで実施してきました。その結果、実運用として初めて、駅で消費される電力一日当たり約600kWhの省エネ効果(一般家庭約60世帯の消費電力に相当)を実現しましたのでお知らせします。
本件は、2013年1月に東京メトロ東西線 西船橋変電所で行った実証実験の成果を踏まえ、製品を納入したものです。
※1:鉄道車両のブレーキ時に発生する回生電力のうち、近くを走行している車両だけでは消費できない余剰電力を蓄電池を用いず、駅の電気設備に直接供給する装置。S−EIVはStation Energy Saving Inverterの略
*参考画像は添付の関連資料を参照
<納入製品の主な特長>
1.小型軽量化による省スペース化を実現
・SiC(※2)パワーデバイスや高周波リンク方式を採用し、小型軽量化を実現。これにより、駅のホーム端等の限られたスペースにも設置可能
・防滴・防塵・防錆構造により、屋外の過酷な環境での高い耐久性を保持
※2:Silicon Carbide(炭化ケイ素:炭素とケイ素の化合物)
2.交流変換技術による安定した電力供給で信頼性向上
・回生電力を交流に変換する際の異常振動や高調波の発生を防止
・既設系統に影響を及ぼさない発電電力の品質安定化向上
3.運転監視機能による装置運用の負荷を軽減
・電気室に設置した監視操作盤で、駅舎補助電源装置本体の操作(入/切)、運転状態の監視、電気量の計測値表示、電力量記録を可能としたことで、監視員の負担を軽減
・無線LAN経由モバイルPCに記録データをダウンロードし、管理・運用が可能
<システム概要>
*添付の関連資料を参照
<「駅舎補助電源装置」の仕様概要>
入力電圧:直流1500V、750V/600V
出力電圧:交流210V、3相 50Hz/60Hz
定格出力:200kW−30秒、2分30秒休止
冷却方式:自冷
設置場所:屋外(駅のホーム端や線路脇への設置を想定)
<実運用試験結果(一日当たりの最大省エネ効果)>
平日:最大576kWh(一般家庭58世帯の消費電力に相当)
休日:最大661kWh(一般家庭66世帯の消費電力に相当)
*グラフ資料は添付の関連資料を参照
<開発の背景>
当社は従来から、「車両エネルギー管理」「駅エネルギー管理」「車両基地エネルギー管理」「路線エネルギー管理」の4つの階層から鉄道トータルのエネルギー管理・省エネルギー化を目指す「三菱電機/鉄道トータルエネルギー・環境ソリューション」に取り組んでいます。
「車両エネルギー管理」においては、一早くSiCパワーモジュールを適用した鉄道車両用インバーター装置を製品化し、鉄道車両の減速時の制動エネルギーを回生電力としてより効率的に回収することを可能としました。
今回の駅舎補助電源装置は「路線エネルギー管理」の取り組みの一つとして製品化したものです。SiCパワーモジュール適用鉄道車両用インバータ装置により、より多く発生させた回生電力を、駅設備へ効率的に戻すことで、鉄道システムトータルでの省エネに貢献します。
なお、今回のパワーモジュール開発の一部は、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託研究として実施したものです。
<商標関係>
S−EIV(R)は当社の登録商標です。
<製品担当>
三菱電機株式会社 神戸製作所
〒652−8555 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番2号
<お客様からのお問い合わせ先>
三菱電機株式会社
交通事業部
〒100−8310 東京都千代田区丸の内二丁目7番3号
TEL 03−3218−1293
FAX 03−3218−2641