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NTT−AT、ソフトウェアコーデックSDKなどバージョンアップし販売開始
H.265/HEVCソフトウェアコーデックSDKと
ファイルコンバートソフトウェアがバージョンアップ
〜Range Extensionsに対応し、4Kコンテンツ市場へ参入〜
NTTアドバンステクノロジ株式会社(以下:NTT−AT、本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長:花澤 隆(*))は、映像符号化国際標準 H.265/HEVC(※1)のソフトウェアコーデック開発キット「HEVC−1000 SDK」を2014年8月7日(木)に、ファイルコンバートソフトウェア「RealFeel(リアフィール)FileConvert 4K」を同26日(火)にバージョンアップし販売開始します。
*社長名の正式表記は添付の関連資料を参照
これらの商品に採用しているNTT研究所が開発したH.265/HEVCエンコードエンジンがバージョンアップしたことにより、4K"Range Extensions"(※2)(カラーフォーマット(※3) 4:2:2,ビット深度(※4) 10bit)に対応し、さらに高速かつ高画質を実現しています。
昨今4K試験放送が開始され、さまざまな分野でH.265/HEVCを用いたサービスが検討されています。
「HEVC−1000 SDK」は容易にH.265/HEVC対応のアプリケーションを開発することができ、映像アプリケーションベンダーなどにおけるソフトウェアの開発に役立ちます。また「RealFeel FileConvert 4K」を使用することで、汎用PCで効率的に4K放送対応のコンテンツ作成が可能になり、コンテンツホルダーや映像配信事業者などにおけるコンテンツビジネスに大きく貢献いたします。
■H.265/HEVCエンコードエンジン
昨年より販売を行っている、H.265/HEVCコーデック商品に採用しているエンコードエンジンがバージョンアップしました。このエンコードエンジンは日本電信電話株式会社 メディアインテリジェンス研究所が開発した、H.265/HEVC符号化アルゴリズムを搭載しており、今回、4K“Range Extensions”(カラーフォーマット4:2:2,ビット深度10bit)に世界で初めて対応しました。高画質・高圧縮を実現する「LQAアルゴリズム」や安定した「CBR(※5)制御」といった特長があります。
◎LQAアルゴリズム(LQA=Local QP Adjustment):
人間の目では歪が気づきにくい領域でデータを削減し、高い画質を維持しつつ圧縮率を向上させるアルゴリズム。
◎CBR制御:
安定したストリーミングを可能にする正確なCBR制御と高画質化を両立。
通常、CBR制御は発生ビット数の変動を抑制しなければならないため、高画質を実現することが難しいが、独自の符号化制御により高画質を実現。
「HEVC−1000 SDK」および「RealFeel FileConvert 4K」への適用が完了し、バージョンアップ版を販売開始いたします。
※1:H.265/HEVC・・・High Efficiency Video Coding、2013年に国際標準化規格に規定。今後の映像符号化の主流。
※2:Range Extensions・・・2014年策定のH.265/HEVCの規格で、映像撮影機器のハイエンドユーザーや映像制作現場に求められる高品質な映像符号化規格。
※3:カラーフォーマット・・・信号フォーマットの一種。4:2:2フォーマットは、配信用映像に用いられる4:2:0フォーマットと比較して色差情報量が2倍。
※4:ビット深度・・・輝度および、色差の信号のサンプリング時のビット数。高いビット深度でサンプリングすることにより、なめらかな階調表現や高いコントラストの映像表現が可能。
※5:CBR・・・一定のビットレートで転送するデータを圧縮すること。固定ビットレートとも言われる。
1.H.265/HEVCソフトウェアコーデック開発キット「HEVC−1000 SDK」
エンコーダーとデコーダーがセットになったソフトウェアコーデック開発キットです。今回のバージョンアップで、以下の機能が追加されました。
●カラーフォーマット4:2:2(ビット深度 12bit)、4:2:2(ビット深度 10bit)、4:2:2(ビット深度 8bit)に対応。高画質な放送素材にも対応できるようになりました。
●符号化効率で20%以上、処理速度性能で40%以上向上。
●720/30Pのリアルタイムエンコードを実現。
●Linux版を追加し、マルチOS対応。
本開発キットで、マルチメディアソフトウェアを容易にH.265/HEVCに対応させることができます。映像データの圧縮方法の変換やビットレートの変換を行うファイルコンバートソフトウェアや映像データを編集するためのオーサリングソフトなどの映像アプリケーションへの組み込みに活用いただけます。
高画質・高圧縮なモバイル端末向けの映像配信やデジタルサイネージ、4K映像配信などさまざまな分野で活用いただけます。
2. RealFeelシリーズ ファイルコンバートソフトウェア「ReaFeel FileConvert 4K」
ファイルコンバートソフトウェアで、主要な映像メディア形式を入力することができます。バージョンアップにより、処理速度のさらなる向上を図り、カラーフォーマット4:2:2(ビット深度 10bit)、4:2:2(ビット深度 8bit)に対応します。
「RealFeel FileConvert 4K」は、汎用PCで効率的に高圧縮かつ高画質の映像コンテンツを作成することができます。4K試験放送も開始され、昨今、H.265/HEVCを用いたサービス検討がされております。VoDサービス検討のためにH.265/HEVCエンコード性能とともに、再生端末やサーバー、ネットワークの検証が必要になりますが、その際に必要なエンコードストリームをこのアプリケーションで作成することができます。
■価格
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■販売目標
2014年度:SDK600ライセンス、ファイルコンバートソフトウェア 50本
2015年度:SDK700ライセンス、ファイルコンバートソフトウェア 100本