不動産経済研究所、２０１０年の首都圏マンション市場動向を発表

《首都圏マンション市場動向》

−２０１０年のまとめ−
◎年間供給は２２．４％増の４万４，５３５戸、全エリアで増加。都区部偏りも市況回復。
◎平均価格は４．０％アップの４，７１６万円。契約率は７８．４％で、在庫は５，６００戸に。


（１）２０１０年１〜１２月に首都圏で供給された民間分譲マンションは４万４，５３５戸であった。
　前年（２００９年＝３万６，３７６戸）に比べて８，１５９戸（２２．４％）の増加。過去最多は２０００年の９万５，６３５戸。

（２）東京都区部２４．４％増、都下４．１％増、神奈川県３２．４％増、埼玉県１５．１％増、千葉県１９．１％増。

（３）１戸当たりの平均価格は４，７１６万円で前年比４．０％のアップ。２年ぶりの上昇。
　東京都区部５，４９７万円、都下４，４７４万円、神奈川県４，２６２万円、埼玉県３，７９６万円、千葉県３，６３８万円。

（４）億ションは９０１戸。前年（６１１戸）比２９０戸（４７．５％）の増加。過去最多＝１９９０年３，０７９戸。
　最高額は８億２，０００万円（「平河町森タワーレジデンス」、千代田区、全１３５戸、専有面積２９９．８ｍ２、ｍ２単価２７３．５万円）。

（５）初月契約率は月間平均が７８．４％、前年（６９．７％）比８．７ポイントのアップ。
　累積契約率は９０．９％、前年（８４．６％）比６．３ポイントのアップ。

（６）１２月末の販売在数は５，６００戸、前年末（７，３８９戸）比１，７８９戸の減少。

（７）２０１１年の供給は５．０万戸程度、前年比１２．３％の増加見込み。


＜２０１０年の概要＞
１．首都圏における２０１０年年間（１〜１２月）の新規供給戸数は４万４，５３５戸である。対前年（３万６，３７６戸）比２２．４％（８，１５９戸）の増加である。

２．首都圏の都県別供給戸数は東京都区部２万３９３戸（シェア４５．８％）、東京都下３，４４７戸（７．７％）、神奈川県１万１９４戸（２２．９％）、埼玉県５，５９０戸（１２．６％）、千葉県４，９１１戸（１１．０％）である。東京都区部２４．４％増、都下４．１％増、神奈川県３２．４％増、埼玉県１５．１％増、千葉県１９．１％増。
　全エリアで増加しており、都下以外はすべて２ケタアップとなっている。都区部は前年に引き続いての増加である。

３．２０１０年の分譲価格は首都圏平均で４，７１６万円である。２００９年の平均価格４，５３５万円に比べて１８１万円・４．０％のアップであった。２年ぶりの上昇。
　東京都区部５，４９７万円（２００９年５，１９０万円）、都下４，４７４万円（２００９年４，３３５万円）、神奈川県４，２６２万円（２００９年４，２４１万円）、埼玉県３，７９６万円（２００９年３，６５７万円）、千葉県３，６３８万円（２００９年３，６７６万円）。千葉県以外の全エリアで値上がりを見せたが、都区部の上昇率が最も高かった。変動率は都区部５．９％アップ、都下３．２％アップ、神奈川県０．５％アップ、埼玉県３．８％アップ、千葉県１．０％ダウン。

４．ｍ２単価は首都圏平均６６．４万円で２年ぶりの上昇。都区部８２．９万円、都下５９．７万円、神奈川県５８．５万円、埼玉県５１．０万円、千葉県４５．４万円。
　平均価格と同様に千葉県のみが下落、その他のエリアは上昇している。上昇率が最も高かったのは埼玉県であった。変動率は都区部３．９％アップ、都下２．２％アップ、神奈川県１．４％アップ、埼玉県４．５％アップ、千葉県１．９％ダウン。

５．売れ行きは、２０１０年の初月契約率の平均が７８．４％であり、２００９年の６９．７％を８．７ポイント上回っている。上期７８．９％、下期７８．０％。
　初月契約率の平均の推移＝’０８年６２．７％、’０７年６９．７％、’０６年７８．３％、’０５年８２．５％、’０４年７９．０％、’０３年７８．１％、’０２年７５．４％、’０１年７８．１％。
　累積契約率は９０．９％で２００９年の８４．６％比べて６．３ポイントの上昇であった。

６．販売在庫数は１２月末現在で５，６００戸。２００９年末の７，３８９戸に比べて１，７８９戸の減少である。２年連続の減少。
　’０８年末１万２，４２７戸、’０７年末１万７６３戸、’０６年末８，１７３戸、’０５年末５，９８７戸、’０４年末７，９００戸、’０３年末９，７２８戸、’０２年末１万１，６１１戸。

７．２０１０年年間の即日完売戸数は５，９１３戸（全体の１３．３％）、フラット３５登録物件は４万１，６６９戸（同９３．６％）である。
　’０９年年間の即日完売戸数は１，０６２戸（全体の２．９％）、フラット３５登録物件は３万２，６４３戸（同８９．７％）であった。

８．２０１１年の供給見込みは５．０万戸。’１０年に比べて１２．３％増加する見込みである。


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