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花王、フィリピンの高級アルコール生産設備の増強工事を完了
フィリピンの高級アルコール生産設備の増強工事が完了
花王株式会社(社長・澤田道隆)は、フィリピンで進めていたピリピナス花王の高級アルコール生産設備の増強工事を8月に完了させました。
高級アルコールは、家庭用製品のシャンプー、洗剤などに配合される界面活性剤の主原料をはじめ、工業用の洗浄剤、プラスチック加工用薬剤の原料として使用されることから幅広い用途があります。このたびの生産設備の増強は、アジア地域を中心とした高級アルコールへの需要の伸長に対応するためのもので、ピリピナス花王の高級アルコールの生産能力は約1.4倍になりました。
ピリピナス花王の生産設備には、環境負荷の低い花王独自の触媒を用いたアルコール製造技術を従来から導入しており、効率的に高品質なアルコールの生産を行なうことができます。また、花王の高級アルコール事業はフィリピンとマレーシアの生産拠点を合わせて、世界トップクラスの生産能力を有しており、このたびの生産能力アップにより、安定供給をいっそう万全に行なえる体制が整いました。
花王グループは、グローバルでの利益ある成長の実現に向けて、中期3カ年計画「K15」を策定し、そのなかで、『ケミカル事業の強化』を成長戦略のひとつに掲げています。このたびのピリピナス花王の生産能力アップのほか、今年7月には花王インドネシア化学の新工場が竣工、2014年末には中国の上海金山区で建設を進めている花王(上海)化工有限公司の工場が完成する予定となっています。
花王グループは今後も、ケミカル事業の設備投資を積極的に進め、産業界への安定供給に努めてまいります。
<ピリピナス花王 概況>
社名:ピリピナス花王(Pilipinas Kao Incorporated)
設立年:1977年
代表者:社長 三浦 勉
出資比率:花王株式会社 100%
事業内容:ヤシ油などを原料とする工業用製品(界面活性剤の原料となる高級アルコール)の製造販売
ピリピナス花王は、フィリピンの経済区庁PEZA(*)の許認可を受け、生産する高級アルコールの約90%を輸出するなど同国経済の発展に貢献しています。
*PEZA:Philippine Economic Zone Authorityの略。フィリピン経済区庁は原則として、製品の70%以上を輸出することを条件に、税制など優遇措置を設けています。