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STマイクロ、トランザクション・レベルでのESLモデルとツールの相互運用性を改善

2013-08-27

STマイクロエレクトロニクス、ARMおよびCadence、
Accellera Systems Initiativeに対する3社の協力を通じて、
ツールとモデルの相互運用性を改善

割り込みモデリング、レジスタ観測および
メモリ・マップのモデリング用に提案されたインタフェースで、
モデルとツールのサードパーティ市場の可能性を拡大



 STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)、ARMおよびCadence Design Systemsは、Accellera Systems InitiativeのSystemC Language Working Groupに対する3社の新しい貢献を発表しました。今回の協業により、トランザクション・レベルでのESL(Electronic System Level)設計向けにモデルおよびツールの相互運用性の向上が期待できます。

 今回の協業には、各社のモデルをシームレスに統合する新しい割り込みモデリング用インタフェース、レジスタ値のシームレスな表示および更新を行うためのツールの相互運用性を実現するレジスタ観測用API(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)、およびハードウェア/ ソフトウェア・マルチコア・システム用仮想プラットフォームのデバッグ時の生産性を向上させるメモリマップ・モデリングへの新たなアプローチが含まれます。今回の貢献により、完成されたAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)と実装方法がApache2.0オープンソース・ライセンスのもとにリリースされ、いずれも資料および実例とともにhttp://forums.accellera.org/files/よりオンラインで入手できます。

 STの設計実現化・サービス担当エグゼクティブ・バイスプレジデントであるPhilippe Magarshackは、次の様にコメントしています。「これらの新しいインタフェースは、ESLエコシステムを強化する上で非常に重要です。ST、ARMおよびCadenceが推進する相互運用性に向けたステップとして、提案されたこれらの規格(標準インタフェース)は仮想プロトタイプの統合に伴うリスクと労力を大幅に低減します。アダプタの必要性を無くすことで、仮想プロトタイプのシミュレーション性能が向上すると同時に迅速なハードウェア・ソフトウェアの統合が可能となり、結果として製品化期間が短縮されます。」

 Cadenceのディスティングイッシュド・エンジニア(特別上級エンジニア)であるStan Krolikoskiは、次の様にコメントしています。「Cadenceは、ST、ARMおよびその他パートナー各社と緊密に協力し、これらのオープン規格の提案を進めてきました。提案されたこれらの標準インタフェースを仮想プロトタイピング・ソリューションに採用することで、ESLエコシステムを拡大し、相互運用性による付加価値をユーザに提供することができます。」

 ARMの設計技術及び自動化担当バイスプレジデントであるJohn Goodenoughは、次の様にコメントしています。「Accellera TLM 2規格は、SystemC仮想プロトタイプに統合可能なモデルのエコシステムを実現する上で、非常に重要でした。モデル間インタフェースの重大なギャップを解消し、ツール統合を強化する今回の貢献は、仮想プロトタイプの予測可能で一貫した統合を確実にする上で役立ちます。」

 Synopsys社の標準化・相互運用性担当ディレクタであるYatin Trivedi氏は、次の様にコメントしています。「早期ソフトウェア開発用に仮想プロトタイプの採用が増している中、ユーザに付加価値を提供すると同時に仮想プロトタイプの作成を簡略化していくことが重要です。当社は、仮想プロトタイピングのマーケット・リーダーとして、Accellera SystemC TLM規格の推進に役立つ貢献ならびに議論を歓迎します。」

 Mentor Graphics社のESL市場開発マネージャであるShabtay Matalon氏は、次の様にコメントしています。「当社は、改善された仮想プロトタイピング・モデルおよびツール相互運用性の必要性が更に高まるように、Accellera Systems InitiativeのSystemC Language Working Groupで連携及び協業できることを楽しみにしています。このオープン・ソースへの最初の貢献は、標準化における喫緊の課題への対処・改良プロセスを開始するための、良い触媒の役割を果たしています。」

 第1の提案では、SystemC TLM(トランザクション・レベル・モデリング)モデル間の相互運用性の改善要求に対応し、トランザクション・レベルでの割込みおよび配線をモデル化する標準インタフェースを提案しています。これにより、標準化されメモリマップされた接続で、異なった会社からのモデルをシームレスに統合できるようになり、サードパーティTLMモデル市場がさらに成長します。

 第2の提案では、レジスタの観測をサポートするためにモデルおよびツール間の標準インタフェースを定義し、ツールによるレジスタ値のシームレスな表示および更新を可能にします。このインタフェースは、異なるユーザ定義レジスタ・クラスが混在する中で機能し、さまざまなモデル・プロバイダによる異種のモデルを統合するプラットフォームをサポートします。この機能は、プリシリコン仮想プロトタイプ上での組み込みソフトウェアの統合およびデバッグを実現する上で、重要な役割を果たします。

 第3の提案では、システム・メモリ・マップをイニシエータから見た状態で再構築するアプローチを導入し、メモリ・マップの理解が重要になる、複合仮想プラットフォーム上でのESLツールによるハードウェア/ソフトウェア・デバッグを可能にします。この提案では、メモリ・マップがモデル間の相互接続に依存することで各々のシステム・イニシエータが固有のビューを持つという課題に対処します。

 ST、ARMおよびCadenceは、今回の新たな貢献により、SystemCモデルの仮想プロトタイプへの統合が飛躍的に改善され、モデルの迅速かつ効果的な展開が実現されることを期待しています。さらに、モデルおよびツール間の標準インタフェースにより、適切なツールを使用しながらハードウェア/ソフトウェアの統合及びデバッグ能力が広がっていくでしょう。

 Accellera Systems Initiativeにおいて、ARM、CadenceおよびSTは、これらの提案を改良し、完全な標準化を実現するため、その他の企業各社と協力する予定です。


STマイクロエレクトロニクスについて>
 STは、「センス&パワー、オートモーティブ製品」と「エンベデッド・プロセッシング ソリューション」の多種多様なアプリケーションに半導体を提供する世界的な総合半導体メーカーです。エネルギー管理・省電力からデータ・セキュリティ、医療・ヘルスケアからスマート・コンスーマ機器まで、そして、家庭、自動車、オフィスおよび仕事や遊びの中など、人々の暮らしのあらゆるシーンにおいてSTの技術が活躍しています。STは、よりスマートな生活に向けた技術革新を通し、「life.augmented」の実現に取り組んでいます。
 2012年の売上は84.9億ドルでした。さらに詳しい情報はSTのウェブサイト(http://www.st-japan.co.jp)をご覧ください。

<ARMについて>
 ARMは、ワイヤレス、ネットワーク、コンシューマ・エンターテイメント・ソリューションからイメージング、自動車、セキュリティ、そしてストレージ機器といった高度なデジタル製品のコアとなる技術をデザインしています。ARMが提供する総合的な製品・IP(知的財産)には、組み込みRISCマイクロプロセッサ、グラフィックス・プロセッサ、ビデオ・エンジン、組み込みソフトウエア、セルライブラリ、組み込みメモリ、高速インターコネクトとメモリコントローラ、ペリフェラル、開発ツールが含まれます。ARMは、総合的なデザインサービス、トレーニング、サポート、メンテナンスとARMの幅広いパートナーコミュニティと共に、信頼性の高い製品を迅速に市場へ投入するためのトータルシステムソリューションを、大手エレクトロニクス企業に提供しています。ARMについて詳しくは当社Webサイト(http://www.arm.com/)をご覧ください。

<Cadenceについて>
 Cadenceは、電気・電子設計におけるグローバルな革新を可能にし、今日のICおよびエレクトロニクス製品を生み出すために重要な役割を果たしています。Cadenceのソフトウェア、ハードウェア、IP、およびサービスは、先端の半導体、コンシューマ向け電子機器、通信ネットワーク機器、およびコンピュータ・システムなどの設計・検証に利用されています。米国カリフォルニア州、サン・ノゼに本社をおくCadenceは、世界各地の営業拠点、デザイン・センターおよび研究施設を通じ、エレクトロニクス産業をグローバルに支援しています。Cadenceの製品およびサービスに関する詳細はhttp://www.cadence.comをご覧ください。


 CadenceおよびCadenceロゴはCadence Design Systems,Incの米国およびその他の国々における登録商標です。


<お客様お問い合わせ先>
 STマイクロエレクトロニクス株式会社
 デジタル製品グループ
 TEL:03−5783−8340 Fax:03−5783−8216

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