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日本HP、仮想サービスによるテスト用サービスシミュレーションツールの新版を発表
仮想サービスによるテスト用サービスシミュレーションツールの新版「HP Service Virtualization software3.0」を発表
−SAPシステムを含むWebアプリケーションや複合システムのテストを待たせず品質を向上、リスクも低減、迅速な開発を実現−
日本ヒューレット・パッカード株式会社(略称:日本HP、本社:東京都江東区、代表取締役 社長執行役員:小出 伸一)は本日、アプリケーションライフサイクル管理(以下、ALM)ソリューションファミリの開発テスト用サービスシミュレーションツールを強化し、新たにSAPプロトコルに対応させ、テスト管理ツールとの連携を高めた新バージョン「HP Service Virtualization software3.0」(日本語版)を発表します。
昨今のビジネス向けWebアプリケーションの構成は、コンポーネントや各レイヤーの共有に加え、さらに現実のビジネスプロセスを反映した複雑な構造となっていることも珍しくありません。特に、ERPがバックエンドで稼働するWebアプリケーションをテストする際には、クライアント側と開発対象モジュール、複数のERPシステムとの間での複雑なコミュニケーションを考慮した実機テストを、ビジネスニーズに応えるため、迅速に行う必要があります。
しかしながら、実際には実機をテストに利用できる時間帯や回数が制限されるため、ごく単純な応答が行えるレベルのシミュレーションツールやスタブを別途工数をかけて自社作成し、限定された形でのテストを行って本番に投入することになり、一定のリスクを負っていました。また、こうした自社作成のツールやスタブは各サブプロジェクトで個別に対応するため、プロジェクト全体や全社レベルでは結果的に大きなコスト負担となっています。
こうした背景の中、日本HPでは今回、動的な応答が可能なテスト用スタブを仮想サービスとして容易に生成できるサービスシミュレーションツール「HP Service Virtualization software(HP SV)」を、日本でも代表的なERPであるSAPのプロトコルに対応させました。この新バージョン「HP SV3.0」では、これまで提供されていた主要Webサービスプロトコル(SOAP、REST、JMSなど)による仮想サービスに加え、SAPコンポーネント間および、それらとのコミュニケーション(具体的には、RFCとIDoc)を含む仮想サービスを提供することで、実機のスケジュールや利用制限に関係なく、実機の反応に近い仮想レスポンスでテストを実施できるようになりました。
また、「HP SV」により生成された仮想サービスを有効に共有して活用するため、世界的にも評価の高いテスト管理ツールである「HP Quality Center software(HP QC)」およびその上位版「HP Application Lifecycle Management software(HP ALM)」上で仮想サービスを共有・管理できるように連携・統合機能を設けました。
<「HP Service Virtualization3.0」の新機能>
・SAPの様々なシステムとXI/PIとのコミュニケーションに使われる主要プロトコルであるRFC,IDocを新たにサポート
これまで「HP SV3.0」でサポートされていた他のプロトコルと同様に設計し、仮想化・モデリングできます。これにより、SAPを接続した既存あるいは新規のシステムのテストを、制約の多い実機の利用を待たずに「HP SV3.0」が生成する仮想サービスにより容易に行え、開発プロセスを先に進めることができます。
・テスト管理ツール「HP Quality Center(HP QC)」と、その最上位版である「HP Application Lifecycle Management(HP ALM)」との連携・統合をサポート
「HP SV」による仮想サービスを、HP QC/ALMのレポジトリを通じ他のメンバーと共有、管理できるため、テスト・プロジェクトの準備や再利用、バージョン管理、実行の記録などをHP QC/ALMから容易に行うことが可能となります。
・「HP SV」サーバーの各種管理画面を、利用しやすいWebインターフェース経由で提供
・拡張された仮想サービスのモデリング機能として、「HP SV」に動的なデータの生成機能を新たに用意(ランダム、シーケンシャル、サブストリング)
・実データを取り込んで利用する際にテスト実行者に対しデータを秘匿するデータマスク機能
・その他
アクセスコントロール機能の拡充、仮想サービス配備機能の充実、一定時間をおいて応答することができるサービスコール型のポストレスポンス機能の装備、TCP/IPのバイナリデータレベルでのやりとりをカスタマイズできる拡張SDK(開発者キット)を追加。
<「HP Service Virtualization3.0」とその特長>
「HP SV3.0」は、Webアプリケーション開発におけるテスト工程において、サービスコンポーネントのシミュレーションテストを容易に行うことができるツールです。各種プロトコルで接続されるサービスコンポーネントのシミュレーションを実行するための仮想サービスを作成するもので、これにより、Webアプリケーション開発における待ち時間を最小化。テスト期間の短縮、品質向上、およびコスト削減を実現、全体のリスクも低減します。
サービスコンポーネントのシミュレーションツール(仮想サービスを提供するスタブ)を作成・編集する「Service Virtualization Designer」と、作成したシミュレーションツールをサーバーに配備する「Service Virtualization Server」の2製品で構成されます。主な特長は以下の通りです。
≪Service Virtualization Designer≫
・日本語化された直感的なインターフェイスで、簡単にシミュレーション用の仮想サービスを作成可能。SOAP、REST、JMSなど全てのメジャーなWebサービステクノロジーと、今回発表のSAP RFC,IDocをサポート。
・データモデルのパラメータファイルとしてExcelファイル(InputデータとOutputの両方記載可能)が利用可能。
・実際のトラフィックをリアルタイムに記録する機能を実装。
・性能のモデル化により、CPU負荷やスループットなど、性能に影響のあるアイテムパラメータを調整しSLAシミュレーションが可能。
・HP QC/ALMのレポジトリ上で管理することで、社内での仮想サービス共有が可能。
・HPの各種テストツール「HP LoadRunner」「HP Unified Functional Testing」(旧HP QuickTest Professional,HP Service Test)とも連携することが可能、自動化されたテストの効率化をさらに促進。
≪Service Virtualization Server≫
・サーバーのサービスとして稼働し、多重スレッドによるシミュレーションが可能。
・複数のサービスを同一サーバーで稼働可能なため、サーバー台数とコストを低減。
なお、この度の発表にあたり、以下のエンドースメントをいただいております。
SAPジャパン株式会社
バイスプレジデント エコシステム・パートナー本部 部長 佐藤 知成 様
「SAPジャパン株式会社は日本ヒューレット・パッカード株式会社によるSAPテスト自動化のための開発環境サポート製品Service Virtualization3.0によるSAP対応機能のサポートを歓迎いたします。SAP APIであるRFC(Remote Function Call)や標準SAP文書書式であるIDoc(Intermediate Document)を利用したビジネスプロセスは現在日本でも様々な形で広く利用されていますが、今回、日本HP様より提供される製品機能により、これらを現場での利用と同様な環境で自在に仮想テストを実施できることになり、SAP製品およびSAP製品と接続するアプリケーションのバージョンアップや機能追加のリリースを大幅に加速できることになります。今後、拡大が期待されるクラウドビジネス領域において、協業を加速するための布石と確信しております。」
■新製品に関する製品情報は以下のURLを参照してください。
http://hp.com/jp/alm
SAP、SAPジャパン、SAP XI/PI、RFC、IDoc、その他文中の各社名、各商品名は、各社の商標または登録商標です。
■お客様からのお問い合わせ先
カスタマー・インフォメーションセンター TEL:0120−436−555
ホームページ:http://www.hp.com/jp/
<HPについて>
HPは、テクノロジーの新たな可能性を見出し、人々、企業、行政機関、および社会に多大なメリットをもたらします。 世界最大のテクノロジー企業であるHPは、プリンティング、パーソナルコンピューティング、ソフトウェア、サービス、ITインフラストラクチャにまで及ぶポートフォリオを統合し、お客様が抱える問題を解決します。 HPの詳細情報 (NYSE:はhttp://www.hp.com(英語)でご覧いただけます。