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サカタのタネ、トマトの2本仕立て接ぎ木苗「ツートップ苗」を発売

2013-04-30

トマトの生産現場を一変させる画期的商品が登場
トマトの2本仕立て接ぎ木(※1)苗『ツートップ(R)苗』を発売
従来の2本仕立て苗と比べ栽培管理がしやすく、収量性が高い


 サカタのタネは、トマトの2本仕立て接ぎ木苗『ツートップ(R)苗』を発売します。トマトの仕立て方は、主茎のみを育てる「1本仕立て」が一般的ですが、苗代や労力の削減のため、主茎と側枝、あるいは主茎を摘芯して側枝を2本伸ばして作る「2本仕立て」が近年普及しつつあります。2本の側枝を伸ばす『ツートップ(R)苗』は、両側枝の生育がよくそろい栽培管理がしやすく、高品質な青果を安定生産できる接ぎ木苗です。1本仕立て接ぎ木苗を購入した場合と比べ、全作業時間の約4.5%を削減できます(※2)。同商品は当社独自の生産方法(特許出願中)により、2本仕立て苗としてはこれまでにない小さなサイズで出荷できるため、1株当たりの苗代や輸送費を大幅に軽減できます。このように『ツートップ(R)苗』は、トマトの生産現場を一変させる画期的な商品です。販売は受注生産方式で行い、当社のトマト、ミニトマトの主要品種で対応します。全国の種苗店、JAなどを通じ、2013年5月1日に受注を開始し、7月上旬から発送します。「プラントプラグ(R)」(※3)標準仕様で、規格は72穴(70本保証)、128穴(125本保証)です。価格は品種により異なります。同商品の3年後の売上目標は年間2億円です。


 *商品画像は添付の関連資料を参照


 トマトは、国内での作付面積が最も多い果菜です。周年供給に対応するため、多様な作型で栽培されています。トマトを連続して同じ場所で栽培すると、土壌病害が蔓延します。そこで1970年代ごろに普及し始めたのが「接ぎ木苗」です。「接ぎ木苗」は、性質の異なる植物体同士をつなぎ合わせたもので、土壌病害に強いなど栽培に有利な性質が組み込まれています。現在のトマト苗の市場規模は2億株程度ですが、その半分にあたる約1億株が接ぎ木栽培されています(※4)。かつては、生産者自らが接ぎ木苗を仕立てていましたが、高度な技術を必要とすること、育苗の失敗によるロスがかさむこと、労力がかかることから、現在では苗生産業者からの購入が主流となっています。接ぎ木苗を種子から栽培する場合は、種子代の他、資材代、さらに播種、育苗、接ぎ木などの労力が、また接ぎ木苗を購入する場合は苗代が高くかかることから、種苗費や労力を半減させるための方策として、生産者の間では独自に苗を2本に仕立てて栽培する方法が広まりました。
 トマトの仕立て方は、広く普及している主茎のみを育てる「1本仕立て」と、本葉2〜3枚で摘芯して側枝を2本伸ばす、あるいは摘芯することなく主茎を伸ばして第一果房直下の葉腋から側枝を伸ばす「2本仕立て」があります。現在国内では、接ぎ木苗全体の約30%に当たる約3,000万本が2本仕立て栽培されています(※4)。接ぎ木同様、2本に仕立てるには手間と技術が必要なため、近年では「2本仕立ての接ぎ木苗」を苗生産業者に発注するケースが増えています。
 流通している従来の2本仕立て苗は、本葉2〜3枚で摘芯して側枝を2本伸ばす方法で作られています。この方法は、側枝が発生する時間差の影響で両側枝の生育にばらつきが出やすくなります。
 その結果、生産者は、株ごとに苗の植え付け方や誘引方法を変えたり、施肥や薬剤散布なども工夫しなければならず、労力的にも精神的にも負担がかかります。労力とコスト削減を目的に2本仕立て栽培を導入したにも関わらず、秀品率や収量は低下し、新たな管理の手間まで発生するといった課題も抱えています。
 また、従来の2本仕立て苗は主にポットで出荷されており、業者から苗を納入するための輸送費として1ポット当たり15円ほどかかります(※4)。苗を大量購入する生産者にとって、輸送費は大きな負担となっています。
 当社は、顕在化してきた2本仕立て栽培におけるさまざまな課題や問題点を解決すべく、2本仕立て苗の生産方法を根本的に見直す研究に着手しました。そしてさまざまな研究の末、独自の生産方法(特許出願中)によりこれまでにはない72 穴、あるいは128穴のセル成型トレーで出荷できる、高品質かつ小さなサイズの2本仕立て苗の開発に成功しました。それが、今回発売するトマトの2本仕立て接ぎ木苗『ツートップ(R)苗』です。
 『ツートップ(R)苗』は、子葉2枚のすぐ上で主茎を摘芯し、同時に2本の側枝を出させた接ぎ木苗です(図1)。最大の特長は、同時に側枝が出ることで生育バランスが極めて安定するため、従来の2本仕立て栽培と比べて生産性が大きく向上する点です。従来の側枝2本、あるいは主茎と側枝1本で仕立てる方法は、後から発生した枝への根からの水分補給や葉からの養分の転流が難しくなり、2本の茎の生育バランスが崩れ、生育状態に差が生じます。一方『ツートップ(R)苗』は、子葉直上で側枝2本が出て左右にきれいに分かれるので、両側枝に水分や養分が均等に行き、生育が極めてよくそろいます(図1、図2)。

 *図1、2は添付の関連資料を参照


*以下、リリース詳細は添付の関連資料を参照


■読者の方からのトマトの2本仕立て接ぎ木苗『ツートップ(R)苗』に関するお問い合わせ先
 株式会社 サカタのタネ
 野菜統括部
 電話045−945−8802

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サカタのタネ ミニトマト 市場規模 生産性 特許

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