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ノバルティス、抗悪性腫瘍剤「タシグナ」の慢性骨髄性白血病一次治療薬としての効能承認を取得

2010-12-27

抗悪性腫瘍剤「タシグナ(R)」、慢性骨髄性白血病の一次治療薬として日本で新効能の承認を取得

〜初発の慢性骨髄性白血病の患者さんにとって「グリベック(R)」以来初の治療選択肢〜


 ノバルティス ファーマ株式会社(代表取締役社長:三谷宏幸)は、抗悪性腫瘍剤「タシグナ(R)」(一般名:ニロチニブ塩酸塩水和物)について、本日(12月21日)、「慢性期または移行期の慢性骨髄性白血病」の新効能、また同時に150mgカプセルの製造販売承認を取得しました。

 これまで、慢性骨髄性白血病(CML)の一次治療薬として2001年の発売以来広く使われてきた「グリベック(R)」(一般名:イマチニブメシル酸塩)は、CMLの原因となるBCR−ABL遺伝子が産生するチロシンキナーゼ活性を阻害することで優れた治療効果を示す薬剤です。「タシグナ」は、この「グリベック」に比べ、Bcr−Ablタンパクをより選択的に標的とするよう分子設計された薬剤で、2009年3月に、イマチニブ抵抗性の慢性期または移行期の慢性骨髄性白血病治療薬として日本で発売しました。以来、「グリベック」治療で十分な効果が得られない、または得られていた効果が消失してしまう患者さんや、副作用によって治療を中止したり、標準用量を服用することができず十分な治療効果を得られなかった患者さんに対する治療薬として使用されてきました。

 今回の「タシグナ」の一次治療薬としての承認は、初発の慢性期CMLを対象とするENESTnd(Evaluating Nilotinib Efficacy and Safety in Clinical Trials of Newly Diagnosed Ph+ CML Patients)試験の結果に基づくものです。ENESTnd試験は、無作為化・オープンラベル・多施設共同の第III相試験で、初発の慢性期CMLの成人患者さんを対象に、「タシグナ」の有効性と安全性を、「グリベック」を対照として検討する過去最大規模の国際共同比較試験です。この試験には、79名の日本人の患者さんも参加しました。

 ENESTnd試験では、有効性の主要評価項目において、「タシグナ」は「グリベック」を上回る効果を示しました。「タシグナ」は「グリベック」に比べてBCR−ABL遺伝子発現量を早期に減少させ、その結果、治療開始からわずか12カ月という早い時点で、病期進行を有意に抑制しました。MMR(分子遺伝学的大寛解:骨髄・あるいは血液中のBCR−ABL遺伝子が0.1%以下の状態)は、白血病細胞の大幅な減少を意味しており、CMLの患者さんの長期予後を予測する上で重要な指標とみなされています。「タシグナ」は、治療開始から12カ月時点で、MMRおよびCCyR(細胞遺伝学的完全寛解:CMLの原因となるフィラデルフィア染色体が検出されない状態)のいずれの達成率においても、「グリベック」を上回る効果を示しました。

 今回の新効能および150mgカプセルの製造販売承認につき、ノバルティス ファーマ株式会社の取締役 オンコロジー事業部 事業部長の浅川一雄は、「『グリベック』は、2001年の発売以来、多くの患者さんに投与され、それまでのCML治療を大きく変えた薬剤として評価をいただいています。今回、その『グリベック』を上回る効果が期待できる『タシグナ』が一次治療薬として承認されたことで、初発のCML患者さんに、『グリベック』の登場以来、初めての新しい治療選択肢をご提供できることを嬉しく思います」と述べています。

 すでに適応を有しているイマチニブ抵抗性の慢性期または移行期の慢性骨髄性白血病に対する「タシグナ」の標準用量は、1回400mg、1日2回の投与であることから、現在は200mgカプセルが発売されています。今回の承認により適応が追加となった、初発の慢性骨髄性白血病患者さんに対する用法・用量は、1回300mg、1日2回投与となります。このため、新たに150mgカプセルの製造販売承認も取得しており、150mgカプセルは薬価収載後速やかに販売を開始する予定です。

 「タシグナ」は、2009年1月のイマチニブ抵抗性の慢性期または移行期の慢性骨髄性白血病治療薬としての承認以来、承認条件として製造販売後の全症例を対象に使用成績調査を実施中です。今回の承認で新たに適応となる初発のCML患者さんについても、当該全例調査への症例登録を継続することが承認条件となります。

 「タシグナ」は、2007年7月に、慢性骨髄性白血病の二次治療薬としてスイスで初めて承認されて以来、現在米国、欧州など世界80カ国以上で発売されています。一次治療薬としての適応追加は、2010年6月に米国で、8月にスイスで承認を取得しており、9月にはEUにおける承認の勧告を受けています。

 本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。したがって、その内容に関して、また、将来の結果については、不確実な要素や予見できないリスクなどにより、将来の結果が現在の予想と異なる場合があることをご了解下さい。なお、詳細につきましては、ノバルティスが米国証券取引委員会に届けておりますForm20−Fをご参照下さい。


ノバルティス ファーマ株式会社について

 ノバルティス ファーマ株式会社は、スイス・バーゼル市に本拠を置くヘルスケアにおける世界的リーダー、ノバルティスの医薬品部門の日本法人です。ノバルティス グループ全体の2009年の売上高は443億米ドル、研究開発費は75億米ドルでした。ノバルティスは、約100,000人の社員を擁しており、世界140カ国以上で製品が販売されています。詳細はインターネットをご覧下さい。
 http://www.novartis.co.jp


以上


参考資料

製品名
 タシグナ(R)カプセル150 mg (Tasigna capsules 150mg)剤型追加分
 タシグナ(R)カプセル200 mg (Tasigna capsules 200mg)

一般名
 ニロチニブ塩酸塩水和物,Nilotinib Hydrochloride Hydrate

効能・効果
 慢性期または移行期の慢性骨髄性白血病

用法・用量
 通常、成人にはニロチニブとして1回400mgを食事の1時間以上前または食後2時間以降に1日2回、12時間毎を目安に経口投与する。ただし、初発の慢性期の慢性骨髄性白血病の場合には、1回投与量は300mgとする。なお、患者の状態により適宜減量する。

承認日
 2010年12月21日

製造販売
 ノバルティス ファーマ株式会社

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