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エプソン、500MHzまでの高周波に対応する電圧制御水晶発振器「VG−4513CB」シリーズを商品化
基地局・光伝送装置向け水晶発振器の新ラインアップ
基本波で業界最高クラス(※1)500MHz発振により安定通信を実現できる
VCXO「VG−4513CB」シリーズを商品化
●製品画像は添付の関連資料を参照
セイコーエプソン株式会社(社長:碓井 稔、以下エプソン)は、このたび基本波(*1)で業界最高クラス500MHzまでの高周波に対応し、低ノイズ・低ジッタ(*2)特性を持つVCXO(電圧制御水晶発振器)「VG−4513CB」シリーズを商品化し、サンプル出荷を開始しました。
近年、スマートフォンなどの普及によりデータ通信の高速化・大容量化が進む基地局や光伝送装置では、これまでよりも高周波で安定した通信が求められるようになってきています。このような用途で主に用いられている一般的なATカット水晶振動子は、周波数温度特性が良好で可変・ノイズ特性に優れていますが、その反面、周波数を高めるには水晶振動子をさらに薄くする必要があり、量産性を考慮すると200MHz帯を基本波とした設計が限界です。そのため、500MHzなどの高周波発振に対応させるには、PLL(*3)や逓てい倍(*4)などの二次的な処理を施すことが欠かせず、その弊害として信号以外のノイズ(スプリアス成分)発生によるジッタ特性の劣化や、専用回路が必要なため小型化に制約があることが課題でした。
そこでエプソンは、水晶素材とMEMSを組み合わせた独自の強みであるQMEMS(*5)技術を活用し、基本波で500MHzまでの発振が可能なATカット水晶振動子を開発しました。さらに、この水晶振動子に最適な、低ノイズ・低ジッタを可能にする新開発ICを組み合わせることで、5.0mm×3.2mm×1.3mmの小型パッケージVCXO「VG−4513CB」シリーズの商品化に至りました。
小型で高精度・高安定性能を持つ本シリーズは、高速無線通信規格「LTE」などに対応した高速・大容量通
信システムの実現に寄与します。
今後もエプソンは、強みであるQMEMS技術とIC設計技術を核にしたデバイスソリューションで、お客様の安心・安全・快適に寄与してまいります。
※1:2013年3月上旬時点、販売されているVCXOの基本波仕様において(エプソン調べ)
●VCXO「VG−4513CB」シリーズの主な特長などは添付の関連資料「リリース詳細」を参照
エプソンの水晶デバイスの詳細情報につきましては、以下のウェブサイトをご参照下さい
http://www5.epsondevice.com/ja/quartz/
【用語説明】
(*1)基本波
水晶振動子の振動モードのうち基本振動(1次)による振動。
(*2)ジッタ
クロック周期の揺らぎ。画像の揺らぎやデータ転送でのビットエラーなどの原因になることがあります。
(*3)PLL(Phase Locked Loop)
外部から入力された基準信号と、ループ内の発振器出力の位相差が一定になるように、ループ内発振器にフィードバック制御をかけて発振させる発振回路。
(*4)逓倍
入力された周波数をn倍に変換して出力すること。周波数を2倍にすることを2逓倍、3倍にすることを3逓倍といいます。
(*5)QMEMS
高安定・高精度などの優れた特性を持つ水晶素材である「QUARTZ」と、「MEMS」(微細加工技術)を組み合わせた造語。半導体を素材としたMEMSにならって、水晶素材をベースに精密微細加工を施し、小型・高性能を提供する水晶デバイスを「QMEMS」と呼んでいます。「QMEMS」は、セイコーエプソン株式会社の登録商標です。
以上
<この件に関するお問い合わせ>
【セイコーエプソン株式会社】
<お客様> TD営業部 電話:042−587−5878(直)
ホームページ URL http://www5.epsondevice.com/ja/quartz/