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ポーラ化成、過酸化脂質の影響で過脂化したメラニンが発生することを発見
過酸化脂質の影響で過脂化したメラニンが発生することを発見
シミの発生、悪化に関わる新たな要因を解明
ポーラ・オルビスグループのポーラ化成工業株式会社(本社:東京都品川区、社長:岩崎泰夫(*))は、生体内に存在する過酸化脂質がメラニン産生過程に影響を及ぼし、より色調の濃い過脂化したメラニン(※1)が発生することを明らかにしました(図1)。
*社長名の正式表記は、添付の関連資料を参照
紫外線等の刺激は、皮膚組織をはじめとする生体内にスーパーオキシド・O2−、ヒドロキシルラジカル・OHといった活性酸素を発生させます。この活性酸素が生体内に存在する脂質と反応することで過酸化脂質が発生し、生体組織にダメージを与えることが知られています。
今回ポーラ化成工業は、過酸化脂質とメラニン産生との関連性に着目し、その解析を行いました。その結果、メラニンを産生する細胞(メラノサイト)では、活性酸素の影響を受け、細胞内に過酸化脂質が蓄積することを見出しました(図2)。さらに、過酸化脂質がメラニン産生過程に及ぼす影響を検討したところ、過酸化脂質が存在することで色調の濃いメラニンが発生することを見出しました。また、この色調の濃いメラニンはメラニンと過酸化脂質が共存した物質(=過脂化したメラニン)であることも確認しています(図3)。今回、ポーラ化成工業が新たに見出した過脂化したメラニンは、より色調が濃いという特徴を持つこと、またシミ部位における表皮細胞のターンオーバー能力を低下させていること(11月20日発行リリースNo.2参照)から、シミの発生、悪化に寄与していると考えられます。
これらの研究結果は、2012年12月14〜16日に福岡にて開催される第85回日本生化学会で発表予定です。また、本成果は2013年2月に(株)ポーラより発売される美白の新製品に活用される予定です。
※過酸化脂質とメラニンが共存した物質
*補足資料は、添付の関連資料を参照