Article Detail
アステラス製薬、産総研と「顧みられない熱帯病」のための抗寄生原虫薬の創薬共同研究契約を締結
アステラス製薬:産総研と「顧みられない熱帯病」の治療のための
抗寄生原虫薬の創薬共同研究を開始
− Fragment Evolution法を活用した創薬共同研究 −
アステラス製薬株式会社(本社:東京、社長:畑中 好彦、以下「アステラス製薬」)は、本日、独立行政法人産業技術総合研究所(所在地:東京、理事長:野間口 有、以下「産総研」)と「顧みられない熱帯病(Neglected Tropical Diseases)、以下「NTDs」」(1)のための抗寄生原虫薬の効率的探索を目的に創薬共同研究契約を締結しましたので、お知らせします。
NTDsは、主に発展途上国の熱帯地域において、貧困層を中心に蔓延している寄生虫や細菌による感染症で、世界で10億人以上が感染していると言われ、地球規模での保健医療問題として国家間を超えた取り組みが行われています。その中でも、寄生原虫により引き起こされるリーシュマニア症(2)、シャーガス病(3)、アフリカ睡眠病(4)といった疾患は、未だ満足のいく治療薬が存在せず、その研究開発が求められているアンメットニーズの高いNTDsです。
本共同研究は、これらの疾患の治療のための抗寄生原虫薬の創薬に寄与するものです。
アステラス製薬では、低分子量のフラグメントを活用する当社がこれまでに開発した独自の薬物設計法(Fragment Evolution法、以下「FE法」)を、今回の産総研との共同研究において主要技術として活用します。この方法は3つの主要ステップからなります。
[ステップ1:フラグメントヒットの探索]
アステラス製薬が保有するフラグメントと呼ばれる分子量150−300程度の小さな化合物を集めた化合物ライブラリー(フラグメントライブラリー)を活用し、大量・高純度に取得した標的蛋白を用いたバイオアッセイとNMR(核磁気共鳴装置)等の物理化学的手法を利用し、フラグメントヒットを探し出します。
[ステップ2:フラグメントヒットの結合様式解明]
ハイスループット化されたX線結晶解析により、フラグメントヒットと標的蛋白の結合様式を多数解明します。
[ステップ3:フラグメントヒットの進化(Evolution)]
X線結晶解析により得られた三次元構造情報を活用し、活性ポケットを埋め尽くすコンビナトリアル合成(自動合成機を用いたハイスループット誘導体合成)を行い、活性値と結合様式を確認しながらフラグメントの活性を向上させます。
この「ステップ3」の進化(フラグメントの活性向上)を繰り返す事により、最終的にリード化合物を取得する事ができます。
〔Fragment Evolutionの概念図〕
※添付の関連資料「概念図」を参照
産総研にはバイオアッセイ系構築技術、候補化合物の蛋白質への結合を溶液中で評価するNMR技術及び蛋白質作製や結晶化支援・解析に関する技術の蓄積がありますが、これらはそれぞれFE法の中で重要性の高い「ステップ1」及び「ステップ2」に活用される事が期待できます。本共同研究では、アステラス製薬と産総研の持つ技術を組み合わせ、FE法の効率化を目指します。
アステラス製薬は、今回の産総研との共同研究をはじめ、パートナーシップの取り組みを通じて、発展途上国における“保健医療へのアクセス問題(Access to Health)”の改善に取り組んでいます。Access to Healthへの貢献の一環として、アステラス製薬は、自社の研究ノウハウやアセットを活用して、世界でNTDsに感染し苦しむ患者さんのため、早期の新薬創出につながる取り組みを行っています。
以上
※以下、リリースの詳細は添付の関連資料を参照



