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三菱電機、業務用全熱交換形換気機器ロスナイ用「高効率エレメント」を開発
業界トップクラスの効率で換気時の熱をリサイクル
業務用全熱交換形換気機器ロスナイ用「高効率エレメント」を開発
三菱電機株式会社は、部屋の温度や湿度をほとんど変えずに空気を入れ替える換気機器ロスナイに用いるエレメントとして、業界トップクラスの効率70%(※1)(従来の効率は64%)を実現する高効率エレメントを開発しました。
※1:2012年7月26日現在 当社調べ。天井埋込形業務用全熱交換形換気機器の従来エレメントと同一寸法での比較、夏冬平均の全熱交換効率において
〔高効率エレメント/新風路構造(開発)〕
*添付の関連資料「添付資料」を参照
<開発の特長>
1.風を通りやすくした新風路構造の開発により、全熱(※2)交換効率を70%に向上
・高さが風路の3分の1の樹脂製の細リブで、紙製の仕切板(※3)を両面から挟み込んで固定する構造により、仕切板を固定するリブの表面積を約3分の1に縮小し、通り抜ける風の圧力損失(※4)を低減
・圧力損失の低減により隣り合う仕切板の間に形成される風路の高さを低くできるため、換気能力を下げることなく、同一寸法のエレメント内で仕切板の枚数を437枚から551枚に増やすことができ、全熱交換効率が向上
※2:物質の温度差により出入りする顕熱と、湿度差により出入りする潜熱を総称したもの
※3:外気と室内空気に接して熱と水分を交換する、厚さ55μmの板
※4:風と風路の間の摩擦抵抗が原因で生じる流体圧力の減少。圧力損失が大きいと換気能力が下がる。
2.リブと仕切板の一体成形技術の開発
・細リブを極力細くするため、樹脂が流れやすいリブ構造の採用と流動性の高い樹脂の開発により、異種材料である樹脂製の細リブと紙製の仕切板を一体化する成形技術を開発
・細リブに仕切板を貫通する樹脂製の突起物"微小アンカー"を設け、細リブと仕切板を強固に接合
<今後の展開>
本開発のエレメントを採用した業務用ロスナイを12年12月以降に個別受注品をはじめとして製品化する予定です。
今後も、エレメントの形状や素材の改善により、全熱交換効率をさらに向上させ、ロスナイの省エネルギー化を推進します。
<開発の背景>
節電意識の高まりを受けて、換気で屋外に放出される居室内の暖かさや涼しさを熱交換器で排気から回収し、給気で室内に戻す全熱交換形換気機器ロスナイの需要が拡大しています。また、改正省エネ法(※5)により、70%を上回る熱交換効率を実現すると、省エネポイントの配点が2倍加算されることから、ロスナイの全熱交換効率の向上が求められています。
当社はこの度、1970年の発売開始以降初めてロスナイの全熱交換エレメントの構造を全面的に見直し、全熱交換効率(冷暖房平均)70%以上を実現しました。
※5:省エネ法の正式名称は「エネルギーの使用の合理化に関する法律」。平成20年度に改正。大規模な建築物の省エネ措置が不十分であるときの命令の導入や、中小規模の建築物について省エネ措置の届出などが義務付けられている。
<全熱交換形換気機器ロスナイについて>
部屋の温度や湿度をほとんど変えずに、室内の汚れた空気と外の新鮮な空気を入れ替える換気システムです。
この換気システムを実現しているのが、独自開発した熱交換器「ロスナイエレメント」です。排出される室内の空気と、取り込まれる新鮮な外気がこの中を通過するときに、空気は通さず熱と水分だけを通す仕切板を隔てて、熱や水分が交換されるしくみになっています。この原理は、手で巻いた紙に息を吹き込んだときに、紙を通じて息の温かさが伝わってくることをヒントに生み出されました。
ロスナイは、排出される室内の空気と、取り込まれる新鮮な外気の間で熱や水分を交換するので、換気によるエネルギーロスを防ぐことができます。
*以下、リリースの詳細は添付の関連資料を参照