丸紅、米国テキサス州の規制送配電事業へ米ハント社などと参画

米国テキサス州における規制送配電事業へ米ハント社などと参画する件


　丸紅株式会社（以下「丸紅」）は、規制送配電事業者である米国ハント・パワー社（Ｈｕｎｔ　Ｐｏｗｅｒ、以下「ハント」社）、米国保険会社であるジョン・ハンコック・ライフ・インシュアランス・カンパニー社（Ｊｏｈｎ　Ｈａｎｃｏｃｋ　Ｌｉｆｅ　Ｉｎｓｕｒａｎｃｅ　Ｃｏｍｐａｎｙ、以下「ジョンハンコック」社）、米国年金ファンドであるティーチャーズ・インシュアランス・アンド・アニュイティ・アソシエーション・オブ・アメリカ社（Ｔｅａｃｈｅｒｓ　Ｉｎｓｕｒａｎｃｅ　ａｎｄ　Ａｎｎｕｉｔｙ　Ａｓｓｏｃｉａｔｉｏｎ　ｏｆ　Ａｍｅｒｉｃａ、以下「ティア」社）、およびカナダの年金ファンドであるオーピートラスト社（ＯＰ　Ｔｒｕｓｔ）との間で、米国南部において規制送配電事業を推進・拡大することに合意、１１月１８日に共同出資・開発契約に調印、１１月２３日にエレクトリック・インフラストラクチャー・アライアンス・オブ・アメリカ社（Ｅｌｅｃｔｒｉｃ　Ｉｎｆｒａｓｔｒｕｃｔｕｒｅ　Ａｌｌｉａｎｃｅ　ｏｆ　Ａｍｅｒｉｃａ、以下「ＥＩＡＡ」社）へ出資しました。今後、ガス事業についても同様に、ガス・インフラストラクチャー・アライアンス・オブ・アメリカ社（Ｇａｓ　Ｉｎｆｒａｓｔｒｕｃｔｕｒｅ　Ａｌｌｉａｎｃｅ　ｏｆ　Ａｍｅｒｉｃａ、以下「ＧＩＡＡ」社）を組成・出資する予定です。

　丸紅がハント社、ジョンハンコック社、ティア社、オーピートラスト社と共同で取得・開発を行う規制送配電資産は米国テキサス州における規制送配電事業者であるシェリーランド・ユーティリティーズ社（Ｓｈａｒｙｌａｎｄ　Ｕｔｉｌｉｔｉｅｓ）およびキャップ・ロック・エナジー社（Ｃａｐ　Ｒｏｃｋ　Ｅｎｅｒｇｙ）が保有していた既設規制送配電資産および送電線開発権益から構成されます。既設送配電資産はテキサス州２９群内の約４２，０００口の顧客に電力を送配電するためのものです。また、今回取得した開発権益に基づき、テキサス州北部のＣｏｍｐｅｔｉｔｉｖｅ　Ｒｅｎｅｗａｂｌｅ　Ｅｎｅｒｇｙ　Ｚｏｎｅ（ＣＲＥＺ）に計画されている大規模風力電源と電力需要地を接続するための送電線を建設する予定です。この大規模風力電源および送電線はテキサス州政府の環境政策により後押しされているものであり、今回建設を予定している送電線の開発は、テキサス州政府の環境政策に合致したものであると言えます。完工予定は２０１３年末です。以上の送配電資産はテキサス州公益事業委員会による、株主利潤を含む総括原価方式による枠組みで規制の対象となっているため、本事業においては長期安定的な収益が期待できます。

　上記の規制送配電資産の取得・開発に際して、丸紅は約９０百万米ドルを拠出します。今後も米国南部を中心に、丸紅はハント社、ジョンハンコック社、ティア社、オーピートラスト社と共同で、規制送配電会社・資産、さらにガスパイプライン等の取得・開発を推進していく予定であり、投資家合計で最大２，１００百万米ドルを拠出する予定です。このうち、丸紅は最大で５００百万米ドルを拠出する予定です。

　ＥＩＡＡ社およびＧＩＡＡ社は不動産リート（ＲＥＩＴ　＝　Ｒｅａｌ　Ｅｓｔａｔｅ　Ｉｎｖｅｓｔｍｅｎｔ　Ｔｒｕｓｔｓ）をエネルギーインフラに応用した、世界初のエネルギーインフラ・リートとなっており、これにより効率的に資金を調達することが可能となっております。米国のエネルギーインフラ分野においては、インフラの近代化および経済成長促進のために大規模な投資が必要とされております。必要資金を効率的に調達できるＥＩＡＡ社およびＧＩＡＡ社を通して、米国のエネルギーインフラ分野への積極投資を行っていく方針です。さらに、将来的にはエネルギーインフラ・リートの上場も視野に入れております。

　丸紅は電力・インフラ分野を重点事業と位置づけ、優良案件への参画に注力しております。丸紅は、従来から取り組んできた契約に基づき投資回収を行う非規制分野に加えて、本件のような規制枠組みに基づいて投資回収を行う規制分野における取り組みを拡大・加速させていく方針です。本件の実施は、丸紅として米国規制電力事業への新規参入となりますが、他国で培った電力事業における知見を活用し、米国における規制電力分野へさらに注力していく方針です。


＜ハント社概要＞
　ハント社はハント・コンソリデイティッド・インク社（Ｈｕｎｔ　Ｃｏｎｓｏｌｉｄａｔｅｄ　Ｉｎｃ．）の子会社で規制送配電事業者です。ハント・コンソリデイティッド・インク社は、１９３０年代にテキサス州で石油開発事業を始めたＨａｒｏｌｄｓｏｎ　Ｌ．　Ｈｕｎｔ氏を操業者とするハントグループの持株会社で、ハント一族が全株式を所有する。同グループは、傘下子会社を通じ、石油ガス開発事業、不動産業、発電事業等に投資を行っています。

＜ジョンハンコック社概要＞
　世界有数の保険会社であるカナダのマニュライフ・ファイナンシャル・コーポレーション（Ｍａｎｕｌｉｆｅ　Ｆｉｎａｎｃｉａｌ　Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ、以下「マニュライフ」社）の米国支部。２００４年にマニュライフ社がジョンハンコック社を買収しています。

＜ティア社概要＞
　ティア社は全米トップクラス規模の年金ファンドで、投資信託、年金、生命保険などを扱っています。取締役は７名で、社外取締役には元連銀総裁、メロン財団理事長、大学教授などを擁します。退職者を中心に３．６百万人が加盟しており、本店はニューヨークに所在し、全世界に６０拠点を構えます。

＜オーピートラスト社概要＞
　カナダ最大規模の年金ファンドで、運用資産は１２０億米ドル。退職者を中心に約８２，０００人が加盟しています。資産の入替を進め、国債・社債投資に加え、カナダ国内外の株式投資、不動産投資、インフラ事業向け投資を積極化しています。


以　上