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住友電工、横浜製作所でメガワット級大規模蓄発電システムの実証運転を開始
横浜製作所においてメガワット級大規模蓄発電システムの実証運転を開始
当社横浜製作所(横浜市栄区田谷町1)において建設を進めてきた、世界最大規模のレドックスフロー電池と国内最大規模の集光型太陽光発電装置(CPV)等から構成されるメガワット級大規模蓄発電システムがこのほど完成し、本日より実証運転を開始しました。
本システムの開発に当たっては、日新電機株式会社、住友電設株式会社、および株式会社明電舎とそれぞれと連携して推進しました。
本システムは、夜間電力や太陽光発電電力を貯蔵するレドックスフロー電池(容量1MW×5時間)と再生可能エネルギー源としてのCPV(28基、最大発電量200kW)(注1)、から構成され、外部の商用電力系統とも連系します。また、本システムのCPV発電量、レドックスフロー電池の蓄電量および消費量は、エネルギーマネージメントシステム(EMS)によって監視され、計測データはEMSサーバで一括管理されます。
今回の実証運転の内容と狙いは下記の通りです。
<実証運転の内容・狙い>
(1)横浜製作所におけるピークカット運用(最大1MWのデマンド抑制)を行います。これにより、国内で喫緊の課題である電力不足問題の軽減に貢献します。
(2)天候に左右される太陽光発電をレドックスフロー電池と組み合わせ、計画的な発電を行います。これにより、太陽光発電の価値を高め、導入を促進します。
(3)あらかじめ設定したデマンドスケジュールとなるよう電力負荷に応じた放電量を調整します。電力消費のレベルを安定化させることで、必要な発電所の規模を低減します。
(4)太陽光発電の激しい出力変動をレドックスフロー電池の充放電で補償することで、出力を平滑化します。これにより、火力発電所の調整負荷が軽減され、系統へ連系できる太陽光発電の規模が拡大します。
太陽光発電や風力発電に代表される不安定な再生可能エネルギーの導入に対し、レドックスフロー電池を駆使することで電力の安定化を実現すると共に、電力不足の問題の軽減に貢献します。
また、レドックスフロー電池とCPVに既設のガスエンジン発電機を組み合わせて、横浜製作所全体の電気エネルギーの最適運転を行うFEMS(ファクトリーエネルギーマネージメントシステム)の実証も開始します。本実証は、経済産業省「平成24年度次世代エネルギー・社会システム実証事業」として、「横浜スマートシティプロジェクト」の中で株式会社明電舎と共同で行います。FEMS実証は、本プロジェクトでは初めてのことです。
今後、再生可能エネルギーの導入やエネルギーの効率的運用を一層促進すべく、特に工場や商業施設などの大規模需要家でのニーズに合わせて、本システムの実用化を進めてまいります。また、本実証運転と並行して、事業化に向けた更なる低コスト化等を推し進め、2013年度中には事業を開始する計画です。
以上
(注1)実証運転開始時点では、CPV15基、最大発電量約100kW。本年度末にCPV28基、最大発電量200kWとなる予定。
※補足資料は添付の関連資料を参照