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富士経済、メンズコスメティックスとヘアケア・ヘアメイクの国内化粧品市場調査結果を発表
メンズコスメティックス6品目、ヘアケア・ヘアメイク7品目の国内化粧品市場を調査
−2012年見込−
◆メンズコスメティックス 1,008億円(前年比1.3%増)
〜節電対策需要が続き、フェイスケア・ボディケアが牽引〜
◆メンズフェイスケア 208億円(前年比6.7%増)
〜美白、アンチエイジングなど付加価値を訴求した商品の投入続く〜
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 阿部 界 03−3664−5811)は、2012年2月から6分野38品目の化粧品の国内市場について、3回に分けて調査を行っている。その第2回目の調査結果を報告書「新・化粧品マーケティング要覧2012 No.2」にまとめた。
この報告書ではメンズコスメティックス6品目、ヘアケア・ヘアメイク7品目の国内市場動向を調査分析した。なお、第1回目でスキンケア、フレグランスの市場調査結果を発表しており、第3回目にはメイクアップとボディケアの市場調査結果を発表する。
<調査結果の概要>
1.メンズコスメティックス市場
2011年 2012年見込 前年比
995億円 1,008億円 101.3%
メンズコスメティックスは、男性用のシャンプー・リンス、ヘアスタイリング剤、スカルプケア、シェービング料、フェイスケア、ボディケアの6品目を対象としている。
2011年のメンズコスメティックス市場は、節電に伴う暑さ対策の一環として、顔拭きシートや清涼感を得られるボディローションの需要が伸び、フェイスケアとボディケアが拡大した。しかし、市場の半数を占めるスタイリング剤とスカルプケア(育毛剤や育毛トニックなど)の需要低迷と、2010年頃まで市場を牽引してきたシャンプー・リンスの需要も落ち着いてきたことから、2011年は前年比1.3%減の995億円と1,000億円を割り込んだ。
2012年は、昨年同様夏季に節電対策需要が見込まれ、清涼感やニオイケア、汗や汚れの洗浄効果を訴求した商品の発売が予定されており、市場は引き続きフェイスケアとボディケアが牽引する形で拡大し、前年比1.3%増の1,008億円が見込まれる。
◇メンズフェイスケア【メンズコスメティックス】
2011年 2012年見込 前年比
メンズフェイスケア 195億円 208億円 106.7%
顔拭きシート 86億円 97億円 112.8%
※顔拭きシートはメンズフェイスケアの内数。
メンズフェイスケアは、洗顔料、化粧水や乳液などの整肌料、顔拭きシートなどを対象とする。2011年のメンズフェイスケア市場は前年比4.3%増の195億円となった。2012年は前年比6.7%増の208億円が見込まれる。2010年、2011年と暑さ対策や節電対策の一環として顔拭き用シートの需要が拡大した。2012年も需要は拡大すると見られ3年連続2桁増が見込まれる。
洗顔料は10代を中心に清潔志向やニキビケアを目的にスキンケアの必須アイテムとなっており、市場は安定している。化粧水などの整肌料の使用は限定的であるが、商品認知の向上とスキンケア意識の高い男性の増加により市場が拡大しており、「オキシー」(ロート製薬)の美白訴求や30代以上向けのエイジングケア訴求など、高機能化が進んでいる。
洗顔料の使用をはじめとしてフェイスケアを行う世代も10代〜30代と幅広くなりつつある。世代別にニーズの掘り起こしが進められており、単に汚れを落とし清潔にするだけでなく、エイジングケアや美白など、付加価値を訴求した商品投入が活発に行われ、市場の活性化が進んでいる。
◇メンズボディケア【メンズコスメティックス】
2011年 2012年見込 前年比
44億円 55億円 125.0%
メンズボディケアは、ボディシャンプー、ボディクリーム・ローション、UVケアなどを対象とする。
ボディケア市場は、2008年頃までは30億円程度の規模であったが、2010〜2011年にかけて「ウル・オス」(大塚製薬)、「AXE」(ユニリーバ・ジャパン)などのブランドからボディシャンプーの投入/追加が相次ぎ市場が活性化した。2012年は市場は前年比25.0%増の55億円と、3年連続2桁増が見込まれる。2011年は節電の影響によりデオドラント効果や清涼感を訴求したアイテムが需要を獲得した。2012年も需要が続くと見られ、各メーカーは夏季向けに清涼感を高めたボディローションやデオドラント効果を付加したボディシャンプーなどの新商品投入を活発化させている。
なお、メンズボディケア市場はボディシャンプー、ボディクリーム・ローションで8割程度を占めるが、UVケアにおいてもメンズ向け専用アイテムが投入されるなど、品目の広がりも見受けられ、今後の拡大が期待される。
2.ヘアケア・ヘアメイク市場
2011年 2012年見込 前年比
5,208億円 5,237億円 100.6%
ヘアケア・ヘアメイクは、シャンプー、リンス・コンディショナー、ヘアトリートメント、女性用スカルプケア、ヘアスタイリング剤、ヘアカラー、パーマネントウェーブ剤の7品目を対象としている。
2011年のヘアケア・ヘアメイク市場は前年比1.0%減の5,208億円となり、プラスとなったのは7品目中、シャンプー、ヘアトリートメントの2品目のみであった。全体市場の3割を占めるシャンプー市場において、髪へのダメージ低減を訴求したノンシリコンシャンプーやスカルプケア訴求のシャンプーが人気となった。一方、市場の2割以上を占めるヘアカラーは、2010年までの泡タイプのヘアカラーやヘアマニキュアなど簡便性を訴求した商品のヒットの反動とブランド間の競合激化による単価低下で縮小した。
2012年はシャンプー、ヘアトリートメントに加え女性用スカルプケア、ヘアカラーの市場が拡大し、全体市場も前年比0.6%増の5,237億円が見込まれる。
◇シャンプー【ヘアケア・ヘアメイク】
2011年 2012年見込 前年比
シャンプー 1,526億円 1,538億円 100.8%
化粧品系家庭用 285億円 301億円 105.6%
※化粧品系家庭用シャンプーはシャンプーの内数。
シャンプー市場は、化粧品系とトイレタリー系に分類され、7割弱をトイレタリー系が占めている。2000年代後半以降は「h&s」(P&Gジャパン)の投入を皮切りにヘッドスパや地肌ケアなど頭皮ケアを訴求する商品が増加しているが、トイレタリー市場ではブランド間の競合激化と単価の低下により、大きな伸びは見込めない状況である。
一方で、化粧品系の家庭用シャンプーでは、2010年頃から「サイオス」(シュワルツコフ ヘンケル)、「スカルプD」(アンファー)など、髪へのダメージ低減を訴求したノンシリコンシャンプーや、スカルプケア訴求のシャンプーが人気となった。従来ノンシリコンを訴求していなかった商品についても新たに訴求ポイントとして前面に押し出した展開を進めており、2011年の化粧品系の家庭用シャンプー市場は前年比4.0%増の285億円、2012年は前年比5.6%増の301億円が見込まれる。
◇女性用スカルプケア【ヘアケア・ヘアメイク】
2011年 2012年見込 前年比
151億円 157億円 104.0%
女性用スカルプケア市場は2000年以降急速に拡大してきたが、2010年頃から鈍化している。2011年は震災の影響による買い控えが見られたことで、前年比2.6%減の151億円となった。
現実的な効果や改善を求められるメンズスカルプケアと異なり、女性用スカルプケアは、薄毛の予防や髪のハリ・コシ維持を目的に使用するケースも見られ、長期的に使用するユーザーも多い。そのため、伸びは鈍化するものの、スカルプケア意識の高まりを背景に今後も安定的に市場は拡大すると見込まれ、2012年は前年比4.0%増の157億円が見込まれる。
<調査対象>
・メンズ コスメティックス6品目:メンズシャンプー・リンス、メンズスタイリング剤、メンズスカルプケア、メンズシェービング料、メンズフェイスケア、メンズボディケア
ヘアケア・ヘアメイク 7品目:シャンプー、リンス・コンディショナー、ヘアトリートメント、女性用スカルプケア、ヘアスタイリング剤、ヘアカラー、パーマネントウェーブ剤
<調査方法>
富士経済専門調査員による対象企業及び関連企業・団体等への直接面接取材
<調査期間>
2012年3月〜4月
以上
資料タイトル:「新・化粧品マーケティング要覧2012 No.2」
体 裁 :A4判 219頁
価 格 :100,000円 (税込105,000円)
調査・編集 :富士経済 東京マーケティング本部 第二事業部
TEL:03−3664−5821 FAX:03−3661−9514
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