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JT、ロシュ社が脂質異常症治療薬「JTT−705(dalcetrapib)」の開発中止と発表
脂質異常症治療薬「JTT−705(dalcetrapib)」に関する導出先の発表についてのお知らせ
JT(本社:東京都港区、社長:木村 宏)は、当社が創製した脂質異常症治療薬(CETPモジュレーター)「JTT−705(dalcetrapib)」につきまして、2004年10月にスイスのエフ・ホフマン・ラ・ロシュ社(以下ロシュ社)と導出に関するライセンス契約を締結し、日本を除く海外においては同社が開発を行っていたところですが、本日、ロシュ社が本剤の全ての開発を中止することを発表しましたのでお知らせいたします。
「JTT−705(dalcetrapib)」はHDL(*1)中のコレステロールをLDL(*2)に転送する蛋白質であるCETP(*3)(コレステリルエステル転送蛋白)の活性を調節することにより血中のHDLコレステロールを増加させて抗動脈硬化作用を示す薬剤で、導出に関するライセンス契約締結以降、同社が海外における臨床試験を行っており、海外において第III相臨床試験の段階にありました。
なお、本件による当社の当年度連結業績への影響は軽微です。
*1:HDL(High Density Lipoprotein):高比重リポ蛋白。動脈壁などのコレステロールの蓄積を防ぐ動脈硬化症の防御因子。HDL コレステロールは善玉コレステロールとも言われる。
*2:LDL(Low Density Lipoprotein):低比重リポ蛋白。血中コレステロールの主な運搬体。高脂血症になるとLDL が増加し、血管壁にコレステロールを蓄積させ、動脈硬化を引起す。LDLコレステロールは悪玉コレステロールとも言われる。
*3:CETP:Cholesteryl Ester Transfer Proteinの略。
<ロシュ社の概要>
名 称 F.Hoffmann.La Roche Ltd.
所在地 スイス・バーゼル市
設 立 1896年
代表者 Severin Schwan(CEO)
売上高 425億スイスフラン(2011年)
社員数 約80,000名(2011年)
事業内容 医薬品ならびに診断薬事業の双方に強みを持つ研究開発型の世界的ヘルスケア企業。がん、ウイルス感染症、炎症、代謝ならびに中枢神経系領域において他社と一線を画した薬剤を保有する世界最大のバイオテクノロジー企業で、体外診断薬、がんの組織学的診断、糖尿病管理のパイオニアとして世界的リーダーとなっている。