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東芝、二酸化炭素削減効果が高い菜種油を絶縁油に使った変圧器を東武鉄道に納入
業界初となる鉄道事業者向け菜種油変圧器の納入について
―二酸化炭素排出量を約90%削減―
当社は、業界初(注1)となる菜種油を絶縁油として使用した変圧器「菜種油変圧器」を東武鉄道株式会社の桐生変電所と六実変電所に納入しました。2012年3月から運用を開始し、鉄道の安定輸送に寄与するとともに、その性能と安全性が確認されました。
菜種油変圧器には、絶縁材料として植物性油である菜種油を採用しており、従来の鉱油系絶縁油に比べ、製造時と廃棄時の二酸化炭素排出量を約90%削減できます。
菜種油は、食品用油として使用されており、安全性・供給安定性が高い油です。また、生分解性(注2)が高いので環境への影響が小さく、電気絶縁・冷却媒体に適しています。さらに、絶縁油として一般的に使われている鉱油に比べ、引火点と燃焼点が高く、消防法に定める危険物(注3)から除外されるため、通常の指定可燃物と同じ取り扱いとなります。
当社は、地球環境適合性向上の一環として省エネルギー化が加速されている中で、環境負荷の小さい材料を使用する研究を進めており、鉱油に代わるエコマテリアルとして植物から精製した絶縁油に着目しました。その中でも絶縁性能や冷却性能に加えて難燃性の観点から菜種油を選定し、開発を行ってきました。
当社は、今後も全国に約1400箇所ある鉄道事業者の変電所向けに、菜種油変圧器の販売を積極的に展開していきます。
注1 国内の鉄道事業において。当社調べ。
注2 自然環境において物質が微生物によって分解される性質であることの度合。
注3 引火点が250℃未満が危険物。菜種油の引火点が334℃、鉱油の引火点が144℃。
<菜種油変圧器の概要>
1.今回納入した変電所
(1)東武鉄道株式会社 桐生変電所(群馬県桐生市)
用途:整流器用
容量:2,200kVA
電圧:6.6kV
稼働:2012年3月13日
(2)東武鉄道株式会社 六実変電所(千葉県鎌ヶ谷市)
用途:高圧配電用
容量:2,000kVA
電圧:66kV
稼働:2012年3月4日
2.菜種油変圧器の主な仕様
冷却方式 油入自冷式
設置場所 屋外・屋内用
容量 〜30MVA
相数/周波数 三相または単相/50or60Hz
標準電圧 電圧:3.3kV〜77kV 二次電圧:210V〜33kV
タップ切換方式 無電圧タップ切換
以上