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エプソン、小型の高周波水晶発振器「SG−210S*Hシリーズ」を製品化
2.5mm×2.0mm小型の高周波水晶発振器
「SG−210S*Hシリーズ」を製品化
〜高周波数帯を安定性の高い基本波発振で実現〜
※製品画像は添付の関連資料を参照
セイコーエプソン株式会社(社長:碓井 稔、以下エプソン)は、80MHz〜170MHzの高周波数帯を安定性の高い基本波(*1)で発振する、2.5mm×2.0mm小型の水晶発振器「SG−210S*Hシリーズ」を製品化し、2012年4月から量産を開始します。
近年、デジタル機器の高速化やネットワークの大容量化に伴い、これらの機器で使用される動作クロックの高周波化が進んでいます。クロック源となる高周波水晶発振器は、パッケージサイズは7.0mm×5.0mmと大きいものが大半で、また、発振器に内蔵されている水晶振動子は基本波より安定性に劣る3次オーバートーン(*2)で発振するものが主流です。そのため市場では、より小型で安定性の高い高周波水晶発振器の要望が高まっていました。
このような要望に応えるためにエプソンは、独自の強みである、水晶素材とMEMSを組み合わせた技術のQMEMS(*3)を活用し、このたび、2.5mm×2.0mmの小型パッケージでありながら、内蔵水晶振動子を安定性に優れた基本波で発振させる「SG−210S*Hシリーズ」を製品化しました。
低い周波数帯で実績のあるQMEMS(フォトAT 振動子)の技術を活用し、励振電極付近のみを薄型化(逆メサ構造(*4))することで、2.5mm×2.0mmの小型パッケージと、高周波数帯での基本波発振による高安定性を両立しています。高速クロック源で重視される位相ジッタ(*5)は0.3ps Typ.、さらに消費電力は当社従来製品と比べ、約70%の低減を実現しています。
本シリーズは、安定した大容量・高速通信システムの実現に貢献するものです。今後もエプソンは、強みであるQMEMS技術を核にしたデバイスソリューションで、お客様の安心・安全・快適に寄与してまいります。
■水晶発振器「SG−210S*Hシリーズ」の主な特長
・高安定性(低ジッタ)
位相ジッタ:0.3 ps Typ(「SG−210SCH」100MHz)
・小型パッケージ
パッケージサイズ:2.5mm×2.0mm×t0.8mm Typ.
・低消費電力(当社従来製品から約70%低減)
新製品「SG−210SCH」100MHz:4.6mA(No Load)
従来製品「TCO−7086X1A」100MHz:14mA(No Load)
【用語説明】
(*1)基本波
水晶振動子の振動モードのうち基本振動(1次)による振動。
(*2)オーバートーン
基本波を1次として相次いで存在する高次振動モード。
(*3)QMEMS
高安定・高精度などの優れた特性を持つ水晶素材である「QUARTZ」と、「MEMS」(微細加工技術)を組み合わせた造語。半導体を素材としたMEMSにならって、水晶素材をベースに精密微細加工を施し、小型・高性能を提供する水晶デバイスを「QMEMS」と呼んでいます。「QMEMS」は、セイコーエプソン株式会社の登録商標です。
(*4)逆メサ構造
主電極部は10μm程度の薄型加工を行い、保持部及び振動子外周部は耐衝撃のため厚みを持たせる構造。
(*5)位相ジッタ
位相雑音を、ある決まった範囲のオフセット周波数にわたって積分して得た値のことで、ジッタを表す指標の一つ。
【関連リンク】
製品ウェブページ:http://www.epsontoyocom.co.jp/product/OSC/set01/sg210sxh/index.html
本製品の詳細情報は別紙をご参照ください。
※別紙は添付の関連資料を参照
以上
■この件に関するお問い合わせは下記にお願いいたします。
<お客様>
セイコーエプソン株式会社
デバイス営業部 営業企画グループ 電話:042−587−0222(直)
ホームページURL:http://www.epsontoyocom.co.jp