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日本気象協会、日本全国90地点の桜(ソメイヨシノ)の開花予想(第3回)を発表
2012年桜開花予想(第3回)
〜全国90地点の開花日、満開日を発表〜
一般財団法人日本気象協会(本社:東京都豊島区、会長:松尾 道彦)は、2012年2月29日(水)に日本全国90地点の桜(ソメイヨシノ)の開花予想(第3回)を発表します。第2回の予想(2月22日発表)に41地点を追加し、最新の気象実況値や季節予報を反映させ、開花日と満開日の予想を行いました。
1.2012年桜の開花予想
(1)概況
2012年の桜(ソメイヨシノほか)の開花日と満開日は、九州・四国・中国・近畿・東海・関東・北陸地方は平年より2〜4日遅い所が多く、甲信・東北地方と北海道は平年とほぼ同じ日でしょう。
(2)本文
2012年2月の気温は、ほぼ全国的に平年より低くなりました。このため、桜の花芽の生長はやや遅れていると考えられます。3月は次第に春らしくなり1ヶ月を通した気温は平年並みか平年より高くなりますが、中旬から下旬頃に寒の戻りがあるでしょう。4月から5月の気温も平年並みか平年より高いですが、寒さの戻る時期があるでしょう。このため、各地の桜の開花日と満開日は平年より遅いか平年並みでしょう。
桜前線は3月24日に九州南部と四国を出発し、およそ2ヵ月かけて日本列島を北上して、5月18日頃に北海道根室市に到着するでしょう。
各地の詳細情報は別紙をご参照ください。
<2012年 桜開花予想前線図>
※添付の関連資料「リリース詳細」を参照
2.桜開花予想センターの気象予報士解説
今年の桜の開花は平年より遅いか平年並みと予想しますが、この「平年」とは過去30年の平均のことです。
現在用いている平年値は1981年〜2010年の平均値です。平年値は10年毎に新しくなり、昨年の春に、それまで使用していた、1971年〜2000年の平均値から更新されました。
新しい平年値は、古い平年値と比較して桜の開花日が全国的に1〜3日早くなりました。
桜の開花日は、地球温暖化などの影響で、長年に渡り徐々に早くなっています。とくに最近10年は、東京などでは、入学式には桜が散ることが多くなりました。しかし、今年は春先の寒さの影響で各地の開花は平年と同じか数日遅いと予想されます。このため、関東以西の地域では多くのところで、満開の桜の下での入学式となりそうです。
3.日本気象協会の桜開花予想について
(1)桜の開花時期
桜の開花時期は前年の秋から春にかけての気温が影響すると考えられます。桜の花芽は前年の夏に形成され、その後、休眠に入りますが、秋から冬にかけて一定期間、低温にさらされると休眠から覚めます(休眠打破)。花芽は休眠から覚めた後、気温の上昇とともに生長し開花しますが、気温が高いほど生長が早く、開花も早まると考えられています。
(2)開花と満開
気象庁の観測では、桜の開花日とは、標本木で5〜6輪以上の花が開いた状態となった最初の日をいいます。満開日とは、標本木で、80%以上のつぼみが開いた状態となった最初の日をいいます。
桜の花が開花してから満開になるまでは、数日から1週間程度かかります。
(3)日本気象協会予想の特徴
日本気象協会の桜開花予想は、気象庁の標本木や自治体、公園などからの正確な観測データを重視した、気象学的見地に基づいた予想となっています。
桜の開花日を含む生物季節の観測は、長期的な気候変動を図る指標として、重要なものです。桜開花予想を発表することにより、地球環境や気候変動への関心を高めることに繋げたいと考えています。
(4)日本気象協会の桜開花予想の手法
日本気象協会では独自手法を用いて開花予想をおこなっています。独自手法とは、花芽の生育過程に大きな影響を与える、秋以降の気温経過に重点を置いた独自の予測式を用いるものです。
昨年2011年に気温予想の精度向上に取り組み、長期予報のアンサンブルGPVから地上気温を算出する手法に改良を加えた結果、2011年の桜開花予想は平均誤差が2.4日と前年に比べて0.5日改善しました。
また、予測式の作成にあたっては、最新データも取り込み近年の傾向をより反映できるようにしました。
4.今後の発表予定
第4回は2012年3月7日(水)14時頃に発表する予定です。4月下旬まで毎週水曜日の14時頃に発表します。
全国を対象とした予想を発表しますが、開花・満開状況により、対象地域を変更する場合があります。
<桜の平年開花日 新旧比較>
※添付の関連資料「リリース詳細」を参照
※別紙は、添付の関連資料「リリース詳細」を参照