ＴＤＫグループ、車載用小型ＧＰＳフィルター「ＥＰＣＯＳ　Ｂ４３００　ＧＰＳフィルタ」を発表

ＳＡＷ部品
車載用小型ＧＰＳフィルタ



　ＴＤＫ株式会社のグループ会社であるＴＤＫ−ＥＰＣ（社長：上釜健宏）は、、小型ＳＡＷフィルタの新シリーズＥＰＣＯＳ　Ｂ４３００　ＧＰＳフィルタを発表しました。本製品はＡＥＣ−Ｑ２００準拠品であり、車載用電子部品に求められる厳しい要件を満たした製品としては、世界最小レベルの形状を実現しています（形状寸法：１．４×１．１ｍｍ）。また、こうしたコンパクトな設計に加え、挿入損失がわずか１ｄＢときわめて低く、阻止帯域（ストップバンド）で高い減衰を示すなど、優れた電気的特性を有するのも特長です。携帯電話の周波数帯域における干渉源に対しては、減衰値４５〜５０ｄＢを達成しています。

　今回の新製品の小型化は、ＣＳＳＰ（Ｒ）技術（チップサイズＳＡＷパッケージ）の採用により実現できたものです。従来ＣＳＳＰは、携帯電話アプリケーション向けに開発された技術ですが、今回は車載アプリケーション用に最適化を図り、自動車業界の厳しい信頼性要件をクリアしました。さらに、携帯電話の既存機種とのピン互換性があり、携帯電話向けＧＰＳソリューションの車載アプリケーションへの適用が簡易で、開発者にとって大変採用しやすい製品となっています。

　本ＧＰＳフィルタは、近年需要が急増している自動車用テレマティクス・アプリケーションに向けたＳＡＷフィルタシリーズの第一弾です。こうしたテレマティクス機器には、ＧＰＳ、Ｇａｌｉｌｅｏ、ＧＬＯＮＡＳＳによるナビゲーションシステムや、ＧＳＭ、ＣＤＭＡ、Ｗ−ＣＤＭＡなどの音声・データ伝送システムを用いた移動体電話機能などが含まれていますが、今回の新シリーズ製品は今後、最適化を進めたＣＳＳＰパッケージ技術をベースにして、通常の周波数帯域全域に対応する機種を拡充するほか、現行のディスクリートフィルタに加え、ツーインワンフィルタやダイプレクサといった製品もラインアップしていく予定です。


＜用語集＞
　●ＡＥＣ：米国車載電子部品評議会（Ａｕｔｏｍｏｔｉｖｅ　Ｅｌｅｃｔｒｏｎｉｃｓ　Ｃｏｕｎｃｉｌ）の略称。１９９２年より、車載電子部品のテスト基準を策定している。ＡＥＣ−Ｑ２００は受動部品に適用される規格。
　●Ｇａｌｉｌｅｏ：ＥＵにより運用される衛星測位システム。軍事的に管理するＧＰＳやＧＬＯＮＡＳＳとは異なり、Ｇａｌｉｌｅｏは民間が管理している。
　●ＧＬＯＮＡＳＳ：全地球衛星航法システム（Ｇｌｏｂａｌｎａｊａ　Ｎａｗｉｇａｚｉｏｎｎａｊａ　Ｓｐｕｔｎｉｋｏｗａｊａ　Ｓｉｓｔｅｍａ）。ロシア連邦が運用する衛星測位システム。
　●ＧＰＳ：全地球測位システム（Ｇｌｏｂａｌ　Ｐｏｓｉｔｉｏｎｉｎｇ　Ｓｙｓｔｅｍ）。地球上の正確な位置と時間を計測するための衛星測位システムの一つ。ＧＰＳは世界で最も主要な測位技術として定着しており、ナビゲーションシステムで広く利用されている。


＜主な用途＞
　車載用テレマティクス・アプリケーション（ＧＰＳ、Ｇａｌｉｌｅｏ、ＧＬＯＮＡＳＳを利用したナビゲーションシステムや、ＧＳＭ、ＣＤＭＡ、Ｗ−ＣＤＭＡといった音声・データ伝送システムをベースにした移動体電話通信等）


＜主な特長＞
　●ＡＥＣ−Ｑ２００準拠品
　●超小型形状（１．４×１．１ｍｍ）


＜主要データ＞
　シリーズ名：Ｂ４３００
　寸法［ｍｍ］：１．４×１．１
　挿入損失［ｄＢ］：１
　阻止帯域減衰［ｄＢ］：４５〜５０


＜ＴＤＫ−ＥＰＣ　株式会社について＞
　ＴＤＫ−ＥＰＣ株式会社（本社：東京）はＴＤＫのグループ会社であり、ＴＤＫの基幹事業である電子部品部門と、ドイツのＥＰＣＯＳ社との統合で設立された電子部品の開発・製造・販売を担うリーディングカンパニーです。日本を始め、アジア、欧州、米国の各地域に事業の拠点があり、製品ブランドとしてＴＤＫおよびＥＰＣＯＳ双方の製品を扱います。

　主な営業品目は、コンデンサ（積層セラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサ）、インダクタ、フェライトコア、高周波部品、センサ、ピエゾおよび保護部品等であり、これらの幅広い製品群により、ＴＤＫ−ＥＰＣは情報家電、通信機器、産業機器、車載機器等、世界のあらゆる市場ニーズにお応えします。


※製品画像は、添付の関連資料を参照