カラム分離なしで複雑な代謝混合物を構造解析 −多次元NMR法の巧みなパルス操作と理論計算での構造確認− ■要旨  理化学研究所(理研)環境資源科学研究センター環境代謝分析研究チームの菊地淳チームリーダー、小松功典大学院生リサーチ・アソシエイトらの研究チーム(※)は、多次元核磁気共鳴(NMR)法[1]のパルス系列[2]を巧みに操作し、樹木(ツツジ)の二次代謝物[3]をカラム分離[4]することなく、抽出物のまま構造解析し、同定する方法を構築しました。  ツツジ科植物は東アジアに広く分布しており、組織中に草食動物や病原体に対する防御物質(毒)として機能すると考えられている二次代謝物を持ってい...