オゾン層破壊をもたらす大気中の塩化水素が北半球で近年増加―原因は短期的な大気循環の変動―  フロン類の規制により、オゾン層破壊の元となる成層圏大気中の塩素総量は1990年後半から世界的に減少していると報告されています。  東北大学、国立環境研究所を含むベルギー他8カ国のメンバーによる研究グループは、国際的なネットワークを構成して観測を行っている(図1)フーリエ変換型赤外分光計(FTIR)(*1)を用いた地上観測および人工衛星観測により、オゾン層破壊をもたらす塩化水素(HCl)濃度が北半球下部成層圏で2007年以降増加していることを発見しました。この増加の原因は、大気モデルによるシミュレ...