広く見てからひとつを選ぶ注意の働き 階層的な注意機構の発見 【概要】  東北大学電気通信研究所の塩入諭教授の研究グループは,視覚の注意の広がりを脳波によって客観的に計測する手法を開発し,その手法を利用することで注意を向けることがその対象部分の選択であると同時に、注意を向けた対象の周囲における処理の促進であることを明らかにしました。この結果は注意の周りの情報について促進と抑制という,相反する効果が脳内に同時に存在することを示します。つまり注意は複数の異なる機能の組み合わせであって,注意を向けるということはまず広く見てそして必要なものを選ぶことだともいえます。これまでの研究は,注意...