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Gタンパク質
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走化性細胞が応答範囲を拡張するメカニズム −生物が環境適応する仕組みの一端を解明− <要旨> 理化学研究所(理研)生命システム研究センター細胞シグナル動態研究グループの上田昌宏グループディレクター(大阪大学大学院生命機能研究科 教授(研究当時:理学研究科))らの研究チーム(※)は、「走化性」における応答範囲を調節する因子「Gip1」を発見しました。この因子は、三量体Gタンパク質[1]の細胞内局在制御というこれまで知られていなかったメカニズムで、走化性の応答範囲を拡張していることが分かりました。 細胞は化学物質の濃度勾配に沿って移動することができます。このような現象は「走化性」と呼...
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癌細胞の浸潤や転移に関わる細胞運動の仕組みを解明 ○概要 九州大学大学院理学研究院の池ノ内順一准教授らの研究グループは、癌細胞の浸潤や転移に関わるブレブ(Bleb)と呼ばれる細胞膜の突起構造の形成に関わる分子メカニズムを明らかにすることに成功しました。 悪性度の高い癌細胞は浸潤や転移を起こします。このような癌細胞の運動様式として、ブレブと呼ばれる細胞膜の突起構造の形成が重要であることが近年の研究で明らかになってきました。ブレブの形成メカニズムの解明は、癌細胞の浸潤や転移を抑制する新たな治療法の開発に繋がることが期待できます。 本研究成果は、2016年3月14日(月)午後3時(米...
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トランスジェニック、米社とノックアウトマウスの全世界での独占販売契約を締結
米国デルタジェン社ノックアウトマウスの全世界での独占販売契約締結のお知らせ 株式会社トランスジェニック(代表取締役社長:福永健司、福岡市)は、2016年3月10日にDeltagen, Inc.(President and CEO:Robert J. Driscol, J.D.、米国カリフォルニア州 以下、デルタジェン社)との間で、デルタジェン社が有するノックアウトマウスに関して、全世界における独占販売契約を締結いたしましたので、お知らせいたします。 デルタジェン社は、Gタンパク質共役型受容体ファミリー(GPCR)など創薬ターゲットとなりうる可能性の高い遺伝子を中心に、約900系統ものノックアウトマウスを作製・保有しております。当社は...
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理研と東大、糖・脂質代謝に重要なアディポネクチン受容体の立体構造を解明
糖・脂質代謝に重要なアディポネクチン受容体の立体構造を解明 −メタボリックシンドローム・糖尿病の治療薬の開発へ前進− 【要旨】 理化学研究所(理研)横山構造生物学研究室の横山茂之上席研究員と、東京大学大学院医学系研究科の門脇孝教授、山内敏正准教授らの共同研究グループ(※)は、メタボリックシンドローム(内臓性脂肪症候群)の「鍵」分子であるアディポネクチン受容体[1]の立体構造の解明に成功しました。 細胞膜に存在する膜タンパク質は、細胞外からのシグナル(情報)を細胞内へと伝達する重要な役割を担い、創薬の標的として注目されています。アディポネクチン受容体(AdipoR1、AdipoR2)は、メタ...
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老化に伴う動体視力低下のメカニズムを解明 〜神経細胞が決まった位置にシナプスを形成するのには意味があった〜 ●概要 大阪大学蛋白質研究所分子発生学研究室の古川貴久教授と佐貫理佳子助教らの研究グループは、網膜視細胞のシナプスが正常な位置に形成されるしくみを明らかにし、動体視力に必須であることを示しました。この成果は神経回路において神経細胞のシナプスが一定の位置に形成される意義を明らかにし、また高齢ドライバーの運転能力低下への関与が考えられている老化に伴う視覚能力の低下のメカニズムの解明につながるものです。 本成果は米科学誌「Cell Reports」に2月5日付け(米東部時間12:00pm、日...
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サノフィ、中国・上海にアジア太平洋地域の統合研究開発拠点を設立
サノフィ、アジア太平洋地域の統合研究開発拠点を設立 地域のイノベーション力を最大に −2件の戦略的パートナーシップで世界の健康向上への取り組みを強化− 中国・上海−2014年9月25日−サノフィは本日、アジア太平洋地域研究開発拠点(AP拠点)を設立しました。AP拠点はアジア太平洋地域として初めてバイオ医薬品(サノフィ・バイオファーマ)、希少疾患(サノフィ・ジェンザイム)、ワクチン(サノフィパスツール)、および動物用医薬品(サノフィ・メリアル)の開発力を完全に統合する拠点となります。また、サノフィは本日、The GPCR InstituteとZai Labとのパートナーシップも発表しました。これらのパートナーシ...
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農研機構と理研と岡山大、ヒトとマウスの甘味受容体の機能の違いを解明
ヒトとマウスの甘味受容体の機能の違いを解明 −ヒトの客観的な味覚評価法の構築に向けて− <ポイント> ・甘味は、舌の細胞表面にある甘味受容体というタンパク質が感知しますが、甘味受容体が細胞膜に移動する仕組みがヒトとマウスでは異なることを明らかにしました。 ・この成果は、味覚受容が動物種によって異なるということを示すもので、今後、ヒトの味覚受容体を使った、より客観的な味の評価技術に活用していく予定です。 ■概要 味は、食品の嗜好性を左右する因子の1つであることから、食品開発では味を実際の感覚に即して適切に評価することが重要です。専門家が行う官能評価は客観的に味を評価できますが...
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東大、蛾の性フェロモン生合成を司るペプチドの結合に重要な受容体の部位を特定
蛾の性フェロモン生合成を司るペプチドの結合に重要な受容体の部位を特定 <発表のポイント> ◆蛾の性フェロモンの生合成を司る神経ペプチド(PBAN)と結合するPBAN受容体の機能に重要なアミノ酸残基を特定し、PBANとPBAN受容体が結合した状態のモデルを構築しました。 ◆PBAN受容体で特定した重要なアミノ酸残基の多くは、アミノ酸配列がPBAN受容体に類似しているヒトのニューロメジンU受容体でも存在していました。 ◆人為的に蛾の性フェロモンを生合成して害虫を抑制する技術の開発だけでなく、ヒトのストレスや食欲等の制御に関わるニューロメジンUの作用機構の理解にも役立つと期待されます。 <発表概要> 蛾の雌が交配...
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東北大、腎臓尿細管の上皮細胞の大きさを制御する新たな分子を同定
細胞の大きさを制御する新たな分子を同定! 〜腎臓肥大を伴う嚢胞性腎疾患の新たな治療法への応用期待〜 【ポイント】 ・腎臓尿細管は大きさの揃った一層の細胞(上皮細胞)によって成り立つ ・腎臓尿細管の上皮細胞の大きさを制御する新たな分子を同定 ・この分子の機能を破綻させると細胞の大きさが肥大 ・腎臓肥大を伴う嚢胞性腎疾患のモデルマウスでこの分子の発現異常が観察 【概要】 国立大学法人東北大学は、腎臓尿細管の上皮細胞の大きさを制御する新たな分子を同定しました。これは、東北大学大学院生命科学研究科の安田貴雄博士(日本学術振興会特別研究員)、福田光則教授による研究成果です。 胃や腸...
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ゴカイが持つ無限の再生能力の仕組みを解明 ―体節からの増殖シグナルが新たな体節形成を誘導、強力な再生能力を裏付け― <ポイント> ・釣り餌で用いられるゴカイは切断された胴部の後端から新たな体節を再生 ・胴部と尾部の境界で増殖する細胞が1列ごとに付加、5列で体節の原型が完成 ・両生類胚の発生過程で発見された相同形質誘導をゴカイの再生場面でも発見 <要旨> 理化学研究所(野依良治理事長)は、環形動物[1]ゴカイの体節[2]形成を詳細に観察し、新たな体節は隣の体節からのタンパク質が増殖のシグナルとなって作られることを発見しました。成体になった後でも既存の体節を鋳型にして新たな体節...
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東大、メスマウスを誘うオスの尿臭として新規不飽和脂肪族アルコールを発見
メスマウスを誘うオスの尿臭として新規不飽和脂肪族アルコールの発見 発表者 吉川 敬一(東京大学大学院農学生命科学研究科 応用生命化学専攻 特任研究員) 中川 弘瑛(東京大学大学院新領域創成科学研究科 先端生命科学専攻 修士課程(当時)) 森 直紀(東京大学大学院農学生命科学研究科 応用生命化学専攻 助教) 渡邉 秀典(東京大学大学院農学生命科学研究科 応用生命化学専攻 教授) 東原 和成(東京大学大学院農学生命科学研究科 応用生命化学専攻 教授) <発表のポイント> ◆どのような成果を出したのか 雄マウスの尿から発せられて、雌を惹きつける新規物質として、(Z)−5−tetra...