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書誌情報
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新たなC型肝炎ウイルス感染予防ワクチンの開発 明里宏文 霊長類研究所教授、加藤孝宣 国立感染症研究所室長らの研究グループは、有望なHCVワクチンの開発に成功しました。本研究では、不活化HCV粒子をワクチンの細胞の免疫反応を高める補強剤(以下、アジュバント)であるK3−SPGとともに小型霊長類モデルであるコモンマーモセットに接種したところ、感染・発症予防に有効な中和抗体と細胞性免疫の両方を効率良く誘導できることを初めて明らかにしました。 本研究成果は、2016年10月27日に英国の医学誌「Gut」に掲載されました。 ■研究者からのコメント 本研究成果により、培養細胞で作製された不活化HCV粒子は...
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霊長類研究所で早老症モデルザル−老化のメカニズム解明に期待− 高田昌彦 霊長類研究所教授、大石高生 同准教授らの研究グループは、霊長類研究所で世界で初めて「早老症」のニホンザルを発見しました。ニホンザルは通常3歳半で思春期を迎え、25歳程度で老齢に達します。ところが、早老症のニホンザルは1歳未満で白内障や皮膚の萎縮を発症し、2歳の時点で脳が萎縮し、糖尿病の初期症状を示しました。ヒトの早老症の原因となる遺伝子には異常が見られなかったことから、新しいタイプの早老症であると考えられます。 本研究成果は、米国学術誌「PLOS ONE」電子版(米国東部標準時間11月3日)に掲載されました。 ...
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京大、新規神経保護剤により網膜色素変性の進行を抑制することに成功
新規神経保護剤により網膜色素変性の進行を抑制することに成功−難治性眼疾患の進行抑制に期待− 垣塚彰 生命科学研究科教授、池田華子 医学部附属病院准教授らの研究グループは、吉村長久 医学研究科眼科学教室教授、Daito Chemix株式会社らとの共同研究により、VCPという蛋白質のATPase活性に対する阻害剤(KUS化合物)が神経保護効果をもち、網膜色素変性の進行を抑制する効果を持つことを、網膜色素変性モデルマウス(rd10)を用いて明らかにしました。 本研究成果は、英国科学誌「Scientific Reports」誌の電子版(英国時間:8月6日午前10時)に公開されました。 <研究者からのコメント> 本研究によって、VCP蛋白...
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京大、iPS細胞誘導技術を応用して人工大腸がん幹細胞を作製することに成功
iPS細胞誘導技術を応用して人工大腸がん幹細胞を作製することに成功 大嶋野歩(おおしま のぶ)医学研究科/iPS細胞研究所研究員、坂井義治 医学研究科教授、山田泰広 iPS細胞研究所教授と、青井貴之 神戸大学医学研究科内科系講座iPS細胞応用医学分野特命教授らの共同研究グループは、iPS細胞誘導技術をがん研究に応用することで、人工的に大腸がん幹細胞を作製することに成功しました。 本研究内容は、米科学誌「PLOS ONE」に7月10日(日本時間)に掲載されます。 <研究者からのコメント> 癌幹細胞はさまざまな要因で入手が容易でなく、これが癌幹細胞研究の一つの妨げになっています。実験室内で人工的に癌幹細...
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京大と浜松ホトニクス、ワット級高出力フォトニック結晶レーザーを世界に先駆けて実現
ワット級高出力フォトニック結晶レーザーを世界に先駆けて実現−世界初、面発光型レーザーにより高ビーム品質でワット級の高出力化を達成− 野田進 工学研究科教授(工学研究科光・電子理工学教育研究センター長)と浜松ホトニクス株式会社らのグループは、次世代型半導体レーザー光源とも言うべき、フォトニック結晶レーザー素子の開発を進め、狭放射角(3度以内)を維持したまま、光出力1.5ワットというワット級の室温連続動作に世界で初めて成功しました。さらに、このレーザーを用いたレンズフリーでの直接照射による燃焼デモンストレーションなど、高輝度・高出力動作の有用性を実証しました。このような高ビー...
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サイバネットシステム、特許調査を支援するクラウドサービスの新バージョンを提供
研究・開発現場での特許情報活用を視覚で支援するR&D Navi、利便性を向上した新バージョンを公開 アイデアを文章で入力すると、類似特許を数十秒で解析して視覚的に分かり易いMAPで表示し、アイデアの新規性や位置づけを確認できます。 サイバネットシステム株式会社(本社:東京都、代表取締役:田中 邦明、以下「サイバネット」)は、研究・開発現場での特許調査を支援するクラウドサービス「R&D Navi(アールアンドディーナビ)」に、利便性をさらに向上させる新機能を搭載した新バージョンを4月10日にリリースすることをお知らせいたします。 研究・開発現場では日々新たなアイデア(発明)を検討しており、その...
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京大、類似性に敏感な人は日常生活でのデジャビュ経験頻度が高いことを解明
類似性に敏感な人は日常生活でのデジャビュ経験頻度が高い 楠見孝 教育学研究科教授、杉森絵里子 早稲田大学高等研究所助教(元 本学教育学研究科)の研究グループが、デジャビュ(既視感)の個人差について検討しました。デジャビュは、過去の出来事と類似した出来事に直面した場合に起こるのではないかという先行研究の示唆から、類似性に敏感な人とデジャビュの関係について検討した結果、これらの二つは大きく相関することが明らかになりました。 本成果は、2013年12月3日(英国時間)に、ヨーロッパ認知心理学会誌「Journal of Cognitive Psychology」の電子版に掲載されました。 <背景> 実際は一度も体験...
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京大など、FOP患者由来のiPS細胞で病態を再現することに成功
FOP患者さん由来のiPS細胞で病態を再現することに成功 池谷真 iPS細胞研究所(CiRA)准教授、戸口田淳也 同教授(再生医科学研究所/医学研究科)、松本佳久 同大学院生(再生医科学研究所/名古屋市立大学大学院)、エドワード・シャオ博士(グラッドストーン研究所/カリフォルニア大学サンフランシスコ校)らの研究グループは、FOP患者さんの細胞から作製したiPS細胞を用いて、FOPの病態を再現することに成功しました。 この研究成果は2013年12月9日に「Orphanet Journal of Rare Diseases」に公開されました。 <ポイント> ・FOP(Fibrodysplasia Ossificans Progressiva;進行性骨化性線維異形成症)患者さん由来のiPS細胞を骨...
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中赤外レーザーを用いた格子振動の選択励起を世界で初めて直接観測 −原子の振動を光で自在に操作− 吉田恭平 エネルギー理工学研究所/エネルギー科学研究科博士課程学生、園部太郎 リサーチ・アドミニストレーター(元同特定助教)、蜂谷寛 エネルギー科学研究科助教、全炳俊 エネルギー理工学研究所助教、紀井俊輝 同准教授、増田開 同准教授、大垣英明 同教授らのグループが、新しくレーザー発振・波長制御を可能とした中赤外自由電子レーザー(KU−FEL)を使って、固体材料の原子の振動(格子振動)を選択的に励起できることを、世界で初めて直接的に観測しました。 固体材料の原子の振動(格子振動)は、電...
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京大、鹿児島県三島村で発見の新種ラン科植物をタケシマヤツシロランと命名
鹿児島県三島村で発見されたタケシマヤツシロラン −光合成も咲くこともやめた新種の植物− 末次健司 人間・環境学研究科研究員(日本学術振興会特別研究員)は、日本に生育する菌従属栄養植物の分布の整理に取り組んでおり、その一環として、鹿児島県鹿児島郡三島村竹島において調査を行ったところ、2012年4月に未知の菌従属栄養性のラン科植物を発見しました。 この植物は、ラン科のオニノヤガラ属に属する植物で、既知種のなかではハルザキヤツシロランの近縁ですが、花の内部構造などから、新種として記載され、Gastrodia takeshimensis(和名:タケシマヤツシロラン)と命名されました。 本研究成果は、フィン...
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「再生できるプラナリア」と「再生できないプラナリア」の謎、解明される 阿形清和 理学研究科教授、梅園良彦 徳島大学ソシオテクノサイエンス研究部学術研究員(2013年3月まで理化学研究所)らのグループは、100年来の謎であった「プラナリアの再生の仕組み」をついに分子レベルで解明しました。さらには、プラナリアの再生原理を理解することによって、もともと再生できないプラナリア種の遺伝的原因を解明し、世界で初めて人為的に再生を誘導することにも成功しました。 本研究は、2013年7月25日午前2時(日本時間)に英国総合科学誌「Nature」のオンライン速報版で発表されました。 <概要> 体...
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京大など、シロアリの社会に血縁選択がはたらいていることを実証
オスとメス、どちらが得か?昆虫社会の損得勘定−シロアリで初めて血縁選択理論の実証に成功− 松浦健二 農学研究科教授、小林和也 産学官連携研究員、長谷川英祐 北海道大学准教授、吉村仁 静岡大学教授、エドワード・バーゴ ノースカロライナ州立大教授らのグループは、生物の社会性の進化を説明する中心理論である血縁選択理論を2倍体の生物で検証する方法を確立し、シロアリの社会に血縁選択がはたらいていることを初めて実証することに成功しました。 これまで、血縁選択理論はアリやハチなど半倍数性という特殊な遺伝様式の社会性昆虫では実証研究が進められてきましたが、われわれヒトと同じように両性と...
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京大、炎症部位で血管の透過性が亢進する様子を二光子顕微鏡で撮影することに成功
二光子顕微鏡を用いた生体マウス内での新規血管透過性評価法 江川形平 日本学術振興会特別研究員(医学研究科)、椛島健治 同准教授らの研究グループは、生きたマウスを用いて、血管透過性がダイナミックに変化する様子を動画に撮影することに世界で初めて成功しました。 本研究成果は、2013年6月5日付けの英国科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」誌に掲載されました。 <概要> 炎症がおこった部位は次第に腫れてきます。これは、炎症部位において血管の透過性が亢進するためです。今回、本研究グループは生きたマウスを用いて、血管透過性がダイナミックに変化する様子を動画に撮影することに世界で...
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京大、アトピー性皮膚炎の病態であるTh2型免疫反応に好塩基球が必須であることを発見
ハプテンやペプチド抗原に対するTh2誘導に好塩基球が必須である 椛島健治 医学研究科准教授、宮地良樹 同教授、大塚篤司 日本学術振興会特別研究員は、アトピー性皮膚炎の病態であるTh2型免疫反応に好塩基球が必須であることを発見しました。 この成果は、2013年4月23日(英国時間)に英国科学誌「Nature Communications」に掲載されました。 <背景> 末梢血中に存在する好塩基球はわずか数%と少なく、その働きはほとんど知られていませんでした。今回、本研究グループは、好塩基球を特異的に除去できる遺伝子改変モデルマウス(好塩基球除去マウス)を用いて、アトピー性皮膚炎の病態に重要であるTh2型免疫...
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京大、染色体断裂の数と被爆線量の相関関係が常に正しいわけではないことを証明
DNAが切れていないのに発生する染色体断裂の発見−ヒトの被爆線量を測定する手法に異議あり− ヒトの被爆線量を推定する最も確実かつ高感度の手法は、被検者の末梢血を染色体検査することであり、検査の原理は、染色体はちぎれている部分(染色体断裂と呼ぶ)の数と過去の被爆線量とが相関することによるとされていますが、このたび、藤田真梨 医学部6回生、廣田耕志 医学研究科准教授(現首都大学東京教授)、武田俊一 同教授らの研究グループは、この原理がいつも正しいわけではないことを世界で初めて証明しました。 本研究成果は、2013年4月3日付けの「PLoS ONE」オンライン版で公開されました。 <背景> ...
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チンパンジーも他者の表情を素早く察知−脳波測定による解明− 平田聡 霊長類研究所特定准教授らの共同研究グループは、チンパンジーが情動的画像を見る際の脳内処理について、世界で初めて脳波測定によって明らかにしました。チンパンジーのおびえた表情などを捉えた情動画像と、穏やかにくつろぐ姿などを捉えた中立画像をチンパンジーに見せ、その際の脳波を比較したところ、画像が表示されてからおよそ210ミリ秒(0.21秒)以降に両者で明確な違いが生じることを発見しました。 本研究成果は、2013年2月26日(英国時間10時00分)に、英国の総合科学誌ネイチャーの姉妹誌「Scientific Reports」に掲載さ...
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神経難病・筋萎縮性側索硬化症の原因に蛋白質分解異常が関与する可能性 −遺伝子改変マウスでの知見から− 神経難病の一つである筋萎縮性側索硬化症(ALS)の原因は未だに多くの謎に包まれ、治療法が確立されていないのが現状です。今回、高橋良輔 医学研究科教授、田代善崇 同教務補佐員、漆谷真 滋賀医科大学分子神経科学研究センター准教授らの研究グループは、蛋白質分解異常に着目した遺伝子改変マウスの作製により、ALSの疾患再現に成功しました。この新たなALSモデルマウスの病巣で蓄積する異常蛋白質の解析や同定により、さらなるALSの機序解明や治療法の開発が期待できます。 この研究成果は、米国科学誌「ジャ...
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世界で初めてチンパンジー胎児の脳成長が明らかに:ヒトの脳の巨大化はすでに胎児期からスタート 人類の脳の大きさは、ホモ(Homo)属の登場以降、急速に拡大しました。とくに大脳は、ほかの霊長類にくらべて、かけ離れて大きく発達してきました。酒井朋子 霊長類研究所研究員、平田聡 同特定准教授、竹下秀子 滋賀県立大学教授らの研究グループは、株式会社林原 類人猿研究センター(岡山県玉野市)との共同で、世界で初めてチンパンジー胎児の脳容積の成長パターンを明らかにしました。その結果、ヒトの脳の成長が妊娠後期まで加速し続けるのに対して、チンパンジーの場合は妊娠中期に成長の加速が鈍ることが分...
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京大、ミクロな磁気円盤におけるスピン状態の対称性の破れを発見
ミクロな磁気円盤におけるスピン状態の対称性の破れを発見 小野輝男 化学研究所教授、山田啓介 同大学院生(現パリ南大学研究員)は、葛西伸哉 物質材料研究機構主任研究員、仲谷栄伸 電気通信大学教授、佐藤知徳 同大学院生、およびローレンスバークレイ研究所のPeter Fischer博士、Mi−Young Im博士との共同研究で、ミクロな磁気円盤におけるスピン状態の対称性の破れを見出しました。 この成果は、英国科学誌Nature Communications誌に2012年8月1日にオンライン公開されました。 <概要> 直径が数マイクロメートル程度の磁気円盤を作ると、磁化が円盤面...
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京大など、圧電体内で電気分極の方向が回転する様子の観察に成功
圧電体内での分極回転の観察に成功 −巨大圧電メカニズムの解明、非鉛材料の開発に道− 本学は、東京工業大学、大阪府立大学と共同で、圧電体の中で、電気分極の方向が回転する様子を観察することに成功しました。分極の回転は、実用材料であるジルコン酸チタン酸鉛(PZT)の巨大圧電特性の起源と言われながら、これまで実際に観察されたことはありませんでした。 本研究グループは、PZTを模して新しく開発したコバルト酸鉄酸ビスマス圧電体の結晶構造を詳しく調べ、分極方向が温度と組成に応じて回転することを見いだしました。圧電材料はセンサーやアクチュエーターとして、様々な電子デバイスで使われています...
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京大、液体窒素不要の遺伝資源長期保存法を開発しフリーズドライ精子から産子の作出に成功
災害に強い液体窒素不要の遺伝資源長期保存法の開発−長期保存したフリーズドライ(真空凍結乾燥)精子からラット・マウスの作出に成功− 金子武人 医学研究科附属動物実験施設特定講師の研究グループは、液体窒素を使用せずに長期保存可能な精子保存法を開発し、冷蔵庫で長期保存、常温で国際輸送したフリーズドライ精子から産子の作出に成功しました。このことにより、低コスト・簡易な遺伝資源管理が可能だけでなく、災害や事故から貴重な遺伝資源を守ることが可能となりました。 本研究成果は、米国科学雑誌「PLoS ONE」に発表されました。 「金子特定講師、芹川教授・施設長」 1.本研究成果のポイント ...
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京大、皮膚の健康維持に必要な細胞分裂軸方向を制御する遺伝子を発見
皮膚の健康維持に必要な細胞分裂軸方向を制御する遺伝子の発見 松村繁 ウイルス研究所助教、豊島文子 同教授らの研究グループは、皮膚の健康を維持するのに必要な細胞分裂軸方向を制御する遺伝子を発見しました。 この研究成果は、1月17日(英国時間)に「Nature Communications」で発表されました。 【論文書誌情報】 Shigeru Matsumura, Mayumi Hamasaki, Takuya Yamamoto, Miki Ebisuya, Mizuho Sato, Eisuke Nishida and Fumiko Toyoshima ABL1 regu...
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京大、水素原子の連続リレー移動反応の直接観察と微視的機構を確立
もっとも軽い元素である水素原子(プロトン)の連続リレー移動反応の直接観察と微視的機構を世界で初めて確立 水素結合を介してプロトンが伝わる様子を観察し、そのメカニズムを解明することに、奥山弘 理学研究科准教授、上羽弘 富山大学理工学部教授らのグループが成功しました。この研究成果は、物質科学の国際専門誌で最も権威あるNature Materials(ネーチャー・マテリアル)にオンライン速報として11月28日(日本時間)に公開されました。 研究の背景と概要 物質中におけるプロトン(水素イオン、H+)の移動は化学、生物学において重要な役割を果たしている。特に水素結合系におけるプロ...
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東芝ソリューション、東芝グループの特許分類・分析システムを構築
東芝ソリューション、東芝グループの特許分類・分析システムを構築 〜5万件の保有特許の全数をクラウドで「見える化」〜 東芝ソリューション株式会社(本社:東京都港区、取締役社長:河井信三)は、東芝グループが国内外に保有する約5万件に上る特許の全数を「見える化」する特許分類・分析システムを、SaaS「Eiplaza/DA(文書分類・分析)」による東芝グループ向けクラウドとして構築しました。2011年6月より本システムを東芝グループで活用します。東芝ソリューションは、今回の構築実績やグループ活用でのノウハウを基に、特許戦略を進める上で課題を持つ企業を中心に「Eiplaza/DA」を...