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新領域創成科学研究科
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理研、世界最小の人工バネでタンパク質の動きを捉えることを解明
世界最小の人工バネでタンパク質の動きを捉える −聴覚を支える分子はどのように力に応答するか− <要旨> 理化学研究所(理研)生命システム研究センター細胞動態計測研究グループの岩城光宏上級研究員らの国際共同研究グループ(※)は、DNAナノテクノロジーを用いて世界最小のコイル状人工バネ「ナノスプリング」を作製し、聴覚に関わるメカノセンサータンパク質[1]ミオシンVI[2]の動きを捉え、アクチンフィラメント[3]と強固に結合するメカニズムを分子レベルで明らかにしました。 細胞内に数多く存在するメカノセンサータンパク質は、物理的な力による機能制御を受け、細胞増殖、分化、形態形成や細胞死な...
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理研と阪大、非古典的HLA遺伝子の関節リウマチ発症への関与を解明
非古典的HLA遺伝子の関節リウマチ発症への関与が明らかに −HLA imputation法によりHLA−DOA遺伝子の発症リスクを同定− ■要旨 理化学研究所(理研)統合生命医科学研究センター自己免疫疾患研究チームの山本一彦チームリーダー、統計解析研究チームの岡田随象客員研究員(大阪大学大学院医学系研究科教授)らの国際共同研究グループ(※)は、非古典的HLA遺伝子[1]の一つである「HLA−DOA」が、関節の炎症と破壊をもたらす自己免疫疾患[2]の関節リウマチの発症に関わることを明らかにしました。 関節リウマチの発症には個人の遺伝的背景が関与し、大規模ゲノム解析を通じてこれまでに多数の疾患感受性遺伝子[3]が報告さ...
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東大、高圧力により鉄系超伝導物質の転移温度が4倍以上に上昇する謎を解明
高圧力により鉄系超伝導物質の転移温度が4倍以上に上昇する謎を解明 1.発表者: 松浦 康平(東京大学大学院 新領域創成科学研究科 物質系専攻 修士課程2年) 芝内 孝禎(東京大学大学院 新領域創成科学研究科 物質系専攻 教授) 上床 美也(東京大学物性研究所 極限環境物性研究部門 教授) 2.発表のポイント: ◆鉄系超伝導体セレン化鉄において圧力で超伝導転移温度が9ケルビンから38ケルビンに4倍以上にも上昇する現象が、超伝導を阻害していた磁性が圧力によって消失することで起こることを突き止めた。 ◆今回の成果は、純良な試料を用いた高圧下精密物性測定により得られたものであり、...
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東大、太陽光による水分解を高効率化するナノコンポジット結晶を開発
太陽光による水分解を高効率化するナノコンポジット結晶を開発 1.発表者: 川崎 聖治(研究当時:東京大学大学院新領域創成科学研究科 博士課程3年、現所属:ローレンスバークレー国立研究所 マテリアルサイエンス部門 ポスドク) 高橋 竜太(東京大学物性研究所 助教) 山本 剛久(名古屋大学大学院工学研究科 教授) 小林 正起(高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所 助教) 組頭 広志(高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所 教授) 吉信 淳(東京大学物性研究所 教授) 小森 文夫(東京大学物性研究所 教授) 工藤 昭彦(東京理科大学理学部第一部応用化学科 教...
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東大、クロレラが硫黄源欠乏ストレスを受けると細胞内にリンを高蓄積することを解明
リンを高蓄積するクロレラ ―地上から失われつつあるリンの水中での回収に期待― 1.発表者: 河野 重行(東京大学大学院新領域創成科学研究科先端生命科学専攻 教授) 大田 修平(東京大学大学院新領域創成科学研究科先端生命科学専攻 特任助教) 2.発表のポイント: ◆クロレラの細胞は硫黄源欠乏ストレスを受けると、細胞内にリンが加速的に蓄積されることを明らかにしました。 ◆取り込んだリン酸はポリリン酸として液胞の中に蓄積されることを発見しました。 ◆藻類を使った生物肥料やリンのバイオリファイナリーに応用され、この分野の発展に寄与することが期待されます。 3.発表概要: リンは、...
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東大、ビッグデータを活用して界面構造の決定スピードを100倍以上の高速化に成功
ビッグデータを活用して界面構造の決定スピードを100倍以上高速化! −触媒や電池の開発を加速− 1.発表者: 溝口 照康(東京大学生産技術研究所 准教授) 清原 慎(東京大学大学院工学研究科 大学院生) 小田 尋美(東京大学大学院工学研究科 大学院生) 津田 宏治(東京大学大学院新領域創成科学研究科 教授) 2.発表のポイント: ◆資源探索の分野で用いられているビッグデータ(注1)活用技術を物質科学に利用し、物質の性質に決定的な役割を果たす界面(注2)の構造を高速に決定することに成功しました。 ◆物質の界面の構造を決定するにはこれまで数千〜数万回の構造緩和計算(注3)が必...
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「普段使いができる災害対応歩行支援ロボットを実現」 ■出席者:佐藤知正(東京大学 新領域創成科学研究科 特任研究員) ■発表概要: 東京大学フューチャーセンター推進機構は、佐藤知正特任研究員(名誉教授)を核として、福島県の復興支援事業である『災害対応ロボット産業集積支援事業』において「災害対応避難者アシストロボットの技術開発」プロジェクトを、株式会社菊池製作所や他大学、産業総合研究所とともに、南相馬プロジェクト研究チームにより、普段使いができる災害対応歩行支援ロボットを開発した。これは、「もしも」の時には、避難所などでの避難者の移動を容易にする機能とともに、「いつも」の時の...
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一方向透明現象を発見 1.発表者: 有馬孝尚(東京大学大学院新領域創成科学研究科物質系専攻 教授) 松田康弘(東京大学物性研究所 准教授) 豊田新悟(東京大学大学院新領域創成科学研究科物質系専攻博士後期課程2年) 2.発表のポイント: ◆メタホウ酸銅(注1)という物質が、ある方向に進む赤外光に対して透明なのに対して、逆方向に進む同じ波長の光に対して不透明であるという現象を発見した。 ◆これまで、いかなる物質でも、このような一方向透明現象が観測された例はなかった。 ◆今回発見された一方向透明現象は低温強磁場下での現象であるが、今後、室温で実現すれば、光学素子への応用が期待...
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「次世代デバイス開発の扉を開く電子構造を発見 〜トポロジカルな舞台での「強相関スピントロニクス」時代の幕開けへ〜」 1.発表者 近藤 猛(東京大学物性研究所 附属極限コヒーレント光科学研究センター 准教授) 中山 充大(東京大学大学院新領域創成科学研究科 博士課程1年) 松波 雅治(豊田工業大学物質工学分野エネルギー材料 准教授) 木村 真一(大阪大学大学院生命機能研究科 生命機能専攻 教授) 小野 寛太(高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所 准教授) 組頭 広志(高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所 教授) 中辻 知(東京大学物性研究所 新物質科学研究部...
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住友ゴム、新材料開発技術「4D NANO DESIGN」が完成
新材料開発技術「ADVANCED(アドバンスド)4D(フォーディー)NANO(ナノ)DESIGN(デザイン)」が完成 住友ゴム工業(株)は、2011年に完成させた独自の新材料開発技術「4D NANO DESIGN」をさらに進化させる研究を進め、このたび大型放射光施設「SPring−8」(※1)・大強度陽子加速器施設「J−PARC」(※2)・スーパーコンピュータ「京」(※3)を連携活用することで、ゴムを分子レベルで忠実に再現したシミュレーション解析により、タイヤの相反性能である低燃費性能、グリップ性能、耐摩耗性能の大幅な向上が可能となる「ADVANCED 4D NANO DESIGN」を完成させました。この新技術を採用したコンセプトタイヤ「耐摩耗マック...
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京大と宮崎大と東大など、成人T細胞白血病リンパ腫における遺伝子異常を解明
成人T細胞白血病リンパ腫における遺伝子異常の解明 ■概要 成人T細胞白血病・リンパ腫(adult T−cell leukemia lymphoma:ATL)は、日本を主要な流行地域の一つとするヒトT細胞白血病ウイルス1型(human T−cell leukemia virus type−1:HTLV−1)感染によって生じる極めて悪性度の高い血液がんの一つです。乳児期にHTLV−1ウイルスに感染したT細胞に、数十年間にわたってさまざまな遺伝子の変化が生ずることによってATLの発症に至ると考えられていますが、従来こうした遺伝子の変異については多くが不明のままでした。 今回、京都大学大学院医学研究科 腫瘍生物学 小川誠司 教授、宮崎大学医学部 内科学講座消化器血液学分野(...
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東北大など、光エネルギー変換材料の機能を制御する新しい方法を解明
新原理で原子を操作 −欠陥を自在に操作し光触媒、太陽電池の革新的発展へ− 【要点】 ・光エネルギー変換材料の機能を制御する新しい方法を解明 ・電場と電子のコンビネーションで材料構造の乱れ(欠陥)を操作する新規な機構 ・欠陥の操作で光触媒、太陽電池などの性能を飛躍的に向上させる可能性を開花 【概要】 東北大学国際高等融合領域研究所(現 学際科学フロンティア研究所)および国立研究開発法人理化学研究所 Kim 表面界面科学研究室の湊丈俊(みなとたけとし)助教、(現 京都大学 特定准教授)、国立研究開発法人理化学研究所 Kim 表面界面科学研究室の金有洙(きむゆうす)主任研究員、東京大学大...
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東大など、複合体RISCが標的RNAを素早く正確に切る仕組みを解明
RNAiの仕組みに1分子観察で迫る 〜複合体RISCが標的RNAを素早く正確に切る仕組み〜 1.発表者: 姚 春艶(東京大学大学院新領域創成科学研究科 研究員(当時)、現・中国第三軍医大学 准教授) 佐々木 浩(東京大学分子細胞生物学研究所 助教) 上田 卓也(東京大学大学院新領域創成科学研究科 教授) 泊 幸秀(東京大学分子細胞生物学研究所 教授) 多田隈 尚史(京都大学物質細胞統合システム拠点 特定研究員) 2.発表のポイント: ◆小さなRNA(注1)が特定のタンパク質の合成を抑えるRNAi(注2)という現象は、医療への応用が期待されていますが、従来は、RNAiが作用している様子を観察することがで...
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東大、胸腺のタンパク質分解酵素が作り出す「正の選択」をする自己ペプチドを解明
自己と非自己を認識するT細胞が成熟するまでの“教育機構”に迫る 〜胸腺のタンパク質分解酵素が作り出す「正の選択」をする自己ペプチドの解明〜 1.発表者: 村田 茂穂(東京大学大学院薬学系研究科 薬科学専攻 教授) 佐々木 克博(研究当時:東京大学大学院新領域創成科学研究科博士課程学生、現:京都大学大学院医学研究科 研究員) 大手 友貴(東京大学大学院薬学系研究科 薬科学専攻 博士課程2年) 2.発表のポイント: ◆私たちの身体に侵入した異物を認識して退治するT細胞は、その成熟過程で非自己を認識することのできる有用なものが選別される(正の選択)過程があります。 ◆胸腺のみに見ら...
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東大、発達途上にある脳が放射線で損傷を受けたときのミクログリア細胞の働きを解明
メダカで明らかにされた免疫細胞ミクログリアによる脳組織防衛システム 1.発表者 保田隆子(東京大学大学院新領域創成科学研究科先端生命科学専攻 特任研究員) 尾田正二(東京大学大学院新領域創成科学研究科先端生命科学専攻 准教授) 朽名夏麿(東京大学大学院新領域創成科学研究科先端生命科学専攻 特任准教授) 相良洋(東京大学医科学研究所附属疾患プロテオミクスラボラトリー微細構造形態解析グループ 助教) 三谷啓志(東京大学大学院新領域創成科学研究科先端生命科学専攻 教授) 2.発表のポイント ■どのような成果を出したのか 発達途上にある脳が放射線により損傷を受けたとき、ミクロ...
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イネの分蘖(ぶんげつ)形成を促進する遺伝子を発見 1.発表者:平野博之(東京大学大学院理学系研究科 生物科学専攻 教授) 田中若奈(東京大学大学院新領域創成科学研究科 先端生命科学専攻日本学術振興会特別研究員) 2.発表のポイント ◆単子葉類のモデル植物イネにおいて、腋芽(注1)の形成の初期過程を制御する重要な遺伝子TAB1の機能を明らかにしました。 ◆腋芽形成の過程で、TAB1遺伝子とWOX4遺伝子の発現が入れ替わりながら、メリステム(注2)の幹細胞の維持を制御していることを明らかにしました。 ◆イネの腋芽形成は分蘖(ぶんげつ)(注3)と呼ばれ、個体増殖に相当しますので...
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東大など、鉄系高温超伝導の発現機構を解く鍵となる電子状態を解明
鉄系高温超伝導の発現機構を解く鍵となる電子状態を解明 1.発表者: 水上 雄太(東京大学大学院 新領域創成科学研究科 物質系専攻 助教) 芝内 孝禎(東京大学大学院 新領域創成科学研究科 物質系専攻 教授) 橋本 顕一郎(東北大学金属材料研究所 助教) 2.発表のポイント: ◆2008年に発見された鉄系高温超伝導体において、いくつかの超伝導発現機構が提案されているが、その鍵となる超伝導電子の電子状態が未解明であった。 ◆電子線を照射したときに超伝導電子の数が特殊な変化を示すことを観測し、その変化からもとの電子状態を明らかにした。 ◆この電子状態は、磁気揺らぎ(※1)を超伝...
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東大、カイコの性はたった一つの小さなRNAが決定することを解明
カイコの性はたった一つの小さなRNAが決定する −80年来の謎をついに解明!カイコの性決定メカニズム− <発表者> 木内 隆史(東京大学大学院農学生命科学研究科 生産・環境生物学専攻 助教) 古賀 光(東京大学大学院農学生命科学研究科 生産・環境生物学専攻 修士課程2年) 川本 宗孝(東京大学大学院農学生命科学研究科 生産・環境生物学専攻 学術支援専門職員) 庄司 佳祐(東京大学大学院農学生命科学研究科 生産・環境生物学専攻 博士課程1年) 酒井 弘貴(東京大学大学院新領域創成科学研究科 先端生命科学専攻 博士課程1年) 新井 祐二(東京大学大学院農学生命科学研究科 生産・環...
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「ウイルスと戦うための新たな自然免疫の仕組みを発見」 ■発表者:東京大学アイソトープ総合センター 秋光信佳 准教授 ■発表のポイント ◆ノンコーディングRNA(タンパク質へ翻訳されないRNA)(注1)のひとつが自然免疫(注2)応答のスイッチ分子として働くことを発見 ◆発見したノンコーディングRNAは自然免疫応答に必須なサイトカイン分子(注3)の発現を制御 ◆本成果は、免疫の仕組みを解明する突破口であり、インフルエンザウイルス薬などを開発するための標的分子を提供できるため、医療・医薬品開発に貢献 ■発表概要: 私たちの体には、ウイルス感染と戦う生体防御システムが備わっている。その防御シ...
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東大と理化学研究所、制御性T細胞を誘導するヒトの腸内細菌の同定と培養に成功
制御性T細胞を誘導するヒトの腸内細菌の同定と培養に成功−炎症性腸疾患やアレルギー症に効果− <発表概要> 東京大学大学院新領域創成科学研究科(武田展雄研究科長)附属オーミクス情報センターの服部正平教授と理化学研究所統合生命医科学研究センター(小安重夫センター長代行)消化管恒常性研究チームの本田賢也チームリーダーらを中心とする共同研究グループ(#)は、免疫反応を抑制する働きのある制御性T細胞(Treg細胞:ティーレグ細胞)(※1)を誘導するヒトの腸内細菌の同定に世界で初めて成功しました。 今回同定されたヒト腸内細菌は、17種類のクロストリジウム属菌(※2)からなり、健康なヒトの糞便か...
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腎臓癌における遺伝子異常の全体図を解明 −腎臓癌に関する最大規模のゲノム解析を実施− <概要> 淡明細胞型腎細胞癌は腎臓に発生する癌のうちおよそ80%を占める代表的な腎臓癌です。現在のところ、手術による切除以外には完全な治癒を期待できる治療法がありません。癌が進行し転移を生じた場合には免疫療法や分子標的薬による治療が行われますが、その効果は限定的であり、より有効かつ身体への負担が少ない、新たな治療法の開発が求められています。そのためには、遺伝子変異をはじめとして、癌細胞で後天的に生じているゲノム(注1)異常・分子病態を詳細に理解する必要があります 京都大学大学院医学研究科 ...
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NHK、指や手で物を触れたときの感覚を再現できる触力覚提示装置を開発
「物の輪郭をなぞる感覚」を再現できる装置を開発 〜触れてわかる情報伝達の実現に向けて〜 □NHKは、高齢者やさまざまな障害のある方などにも分かりやすく情報をお伝えする「人にやさしい」放送技術の研究を進めています。 今回、視覚に障害のある方に情報をお伝えする手段として、指や手で物を触れたときと同様の感覚を再現できる触力覚提示装置を開発しました。 □触力覚提示装置とは、手や指先が物に触れたときに生じる力を力覚デバイス(*1)によって提示し、そこに物体があるかのように仮想的に再現することができる装置です。 □これまで、指先の1点に力を発生させる方式を用いてきましたが、物の角張った部分な...
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東大、メスマウスを誘うオスの尿臭として新規不飽和脂肪族アルコールを発見
メスマウスを誘うオスの尿臭として新規不飽和脂肪族アルコールの発見 発表者 吉川 敬一(東京大学大学院農学生命科学研究科 応用生命化学専攻 特任研究員) 中川 弘瑛(東京大学大学院新領域創成科学研究科 先端生命科学専攻 修士課程(当時)) 森 直紀(東京大学大学院農学生命科学研究科 応用生命化学専攻 助教) 渡邉 秀典(東京大学大学院農学生命科学研究科 応用生命化学専攻 教授) 東原 和成(東京大学大学院農学生命科学研究科 応用生命化学専攻 教授) <発表のポイント> ◆どのような成果を出したのか 雄マウスの尿から発せられて、雌を惹きつける新規物質として、(Z)−5−tetra...
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東大、止まっている図形が動いて見える錯覚を感じているときの脳活動を解明
止まっている図形が動いて見える錯覚を感じているときの脳活動を解明 1.発表者:村上郁也(東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻 准教授) 2.発表のポイント: ◆周辺に運動図形を与えると中心の静止図形が反対方向に動いて見える「誘導運動」錯覚が生じている際に、その生じ方と相関して活動の大きさが変わる大脳皮質領域を発見した。 ◆運動の空間的文脈効果を処理しているヒト脳部位を初めて同定した。動きの有無で生じる相対運動への反応でなく、周辺との動きの対比を処理している脳活動を初めて見出した。 ◆錯覚図形を周辺に与えて中心の図形を見やすくする「錯視メガネ」のような応用に将来的につながり...
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スピンを利用したテラヘルツ光の制御に成功 ―新たな電気磁気光デバイスの原理を実証― 1.発表者:十倉好紀(東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻 教授) 貴田徳明(東京大学大学院新領域創成科学研究科物質系専攻 准教授) Sandor Bordacs(東京大学大学院工学系研究科附属 量子相エレクトロニクス研究センター 特任研究員) 2.発表のポイント: (1)光によって特殊な磁石中のスピンを操作することに成功 (2)スピンを利用することで、テラヘルツ光の振動方向(偏光)と強度の制御を実現 (3)テラヘルツ帯の電...
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理化学研究所と東大、酸化物磁石のN極とS極を電場だけで反転させることに成功
磁場を使わずに磁石の極性を電場だけで反転することに成功 −省電力メモリデバイスの実現への新しいアプローチ− ◇ポイント◇ ・強磁性体の元素置換により電気分極と磁化の強い結びつきを実現 ・急速な電場変化を加えることで磁気極性を反転 ・電場で磁気情報の書き換え可能な省電力デバイス実現へ一歩 理化学研究所(野依良治理事長)と東京大学(濱田純一総長)は、酸化物磁石の極性(N極、S極)を電場だけで反転させることに世界で初めて成功しました。これは、理研基幹研究所(玉尾皓平所長)交差相関物性科学研究グループ交差相関物質研究チームの徳永祐介基幹研究所研究員、田口康二郎チームリーダー、十倉...
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東大、菌類を対象にしたヌクレオソーム位置取りの保存性と多様性を確認
東京大学 農学生命科学研究科 研究成果 菌類におけるヌクレオソーム位置取りの保存性と多様性 Conservation and diversity of nucleosome positioning in fungi <発表者> 西田洋巳(東京大学大学院農学生命科学研究科 アグリバイオインフォマティクス教育研究ユニット 特任准教授) 近藤伸二(理化学研究所 上級研究員) 松本貴嗣(東京農業大学 研究員) 鈴木穣(東京大学大学院新領域創成科学研究科 准教授) 吉川博文(東京農業大学 教授) Todd D.Taylor(理化学研究所 チームリーダー) 杉山純多(テクノスルガ・ラ...
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免疫細胞を誘導するセグメント細菌の全ゲノム構造を解明 ―腸内細菌の免疫誘導メカニズムの解明に期待― <発表概要> 東京大学大学院新領域創成科学研究科(上田卓也研究科長)附属オーミクス情報センターの服部正平教授を中心とする共同研究グループ#は、免疫細胞であるTh17細胞の誘導活性をもつ腸内細菌の一種であるセグメント細菌SFB(Segmented filamentous bacteria)の全ゲノム構造を解明しました。 腸上皮に強力に接着するセグメント細菌SFB(※1)は、Th17細胞(※2)の誘導や腸上皮細胞間リンパ球の増加を促進させるなど、宿主の免疫系に作用し、自己免疫疾患...
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冷たい第2の地球、土星衛星タイタンの窒素大気の起源を解明 発表タイトル 「冷たい第2の地球、土星衛星タイタンの窒素大気の起源を解明−40億年前の太陽系に起きた天変地異」 発表者 関根 康人 (東京大学 大学院新領域創成科学研究科 複雑理工学専攻 助教) 杉田 精司 (東京大学 大学院新領域創成科学研究科 複雑理工学専攻 教授) 松井 孝典(東京大学 名誉教授/現・千葉工業大学 惑星探査研究センター 所長) 発表概要 土星の衛星タイタンは、太陽系で地球以外に唯一厚い窒素大気を持ち、地表には液体メタンの湖や川が存在する。しかし、このような地球によく似たタイタンの表層環境...
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JSTなど、1万分の1度ほどのX線の屈折を利用した革新的なX線撮影装置を開発
1万分の1度ほどのX線の屈折を利用した革新的X線撮影装置を開発 −乳がんやリウマチの早期診断を可能に− JST 産学イノベーション加速事業【先端計測分析技術・機器開発】の一環として、東京大学 大学院新領域創成科学研究科の百生(モモセ) 敦 准教授と、コニカミノルタエムジー株式会社(本社:東京都日野市、社長:児玉 篤)、兵庫県立大学 高度産業科学技術研究所の服部 正 教授らの開発チームは、病院などで使用されている通常のX線源を用い、撮影対象を通過したX線の位相(注1)の違いから画像の濃淡(コントラスト)を生成する革新的なX線撮影装置を開発しました。 従来から病院などで一般的...