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スピントロニクス
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東北大など、スピントロニクス素子を使った人工知能の動作実証に成功
世界初、スピントロニクス素子を使った人工知能の動作実証に成功 ‐人工知能技術の適用範囲を飛躍的に拡大‐ 【概要】 国立大学法人東北大学電気通信研究所附属ナノ・スピン実験施設の大野英男教授、佐藤茂雄教授、深見俊輔准教授、秋間学尚助教、同ブレインウェア実験施設の堀尾喜彦教授らのグループは、磁石材料から構成されるミクロなスピントロニクス素子を使った人工知能の基本動作の実証に世界で初めて成功しました。 近年、脳の情報処理機構を真似て効率的に認識・判断を行うことを目指す人工知能と呼ばれる技術が非常に注目され、一部で実用化されています。現在実用化されている人工知能はいずれも従来の半導体...
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スピン流−熱流変換現象の可視化に成功 ―スピントロニクスを用いた新たな熱制御技術の実現に道― 【発表のポイント】 ●磁気の流れ「スピン流」によって生成される温度変化の可視化を実現 ●通常の熱源とは全く異なり周囲に広がらない、スピン流特有の温度分布を観測 ●スピントロニクスデバイスの局所的な温度変化調整技術への応用が期待 【概要】 東北大学金属材料研究所の内田健一准教授(当時。現 物質・材料研究機構 磁性・スピントロニクス材料研究拠点 グループリーダー)、大門俊介氏(大学院博士課程・日本学術振興会特別研究員)、井口亮助教、日置友智氏(大学院修士課程)、東北大学原子分子材料科学...
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東北大と産総研、磁気モーメントの渦の運動が可能にする省エネルギー情報記録
磁気モーメントの渦の運動が可能にする省エネルギー情報記録 −ハードディスクの超高密度化と超低消費電力動作の両立に新たな道− 【発表のポイント】 ●磁石の向きが変化しやすいNi−Fe合金層と、磁石の向きが変化しにくいFePt規則合金層を組み合わせたナノ磁石を作製し、磁気記憶デバイスの情報記録のしくみである「磁石の磁化方向の変化(磁化スイッチング)」の挙動を調査した。 ●FePt規則合金層は次世代の超高密度磁気記録材料の有力候補だが、情報記録(磁化スイッチング)に使う消費電力が大きい(大きな外部磁場が必要である)ことが実用化の障害の一つだった。 ●今回、Ni−Fe合金の中に作られる磁気モーメント(...
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熱を流すだけで金属が磁石になる現象を発見 〜電子の自転「スピン」を使った熱利用技術の発展に貢献〜 <ポイント> >磁石の性質は熱の流れとは無関係で、温度を上げても下げても、磁石ではない金属が磁石になることはないと考えられていた。 >熱を流すだけで、磁石ではない金属が磁石に変わる現象を世界で初めて観測した。 >新しい磁化測定法として、電子のスピンを使った熱利用技術や省エネ社会の発展に貢献する。 JST戦略的創造研究推進事業において、東北大学 金属材料研究所のダジ・ホウ研究員、東北大学 原子分子材料科学高等研究機構(WPI−AIMR)/金属材料研究所の齊藤 英治 教授らは、通常の状態では磁...
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東北大、0.5ナノ秒で書き換え可能な不揮発性磁気メモリの動作を実証
0.5ナノ秒で書き換え可能な不揮発性磁気メモリの動作を実証 〜リアルタイムでの高度な情報処理が可能な超低消費電力マイコンの実現に前進〜 【ポイント】 ・東北大学オリジナルの新構造不揮発性磁気メモリ素子において0.5ナノ秒での磁化反転を実証 ・磁化反転に要する電流の低減、無磁場動作のための材料・素子技術を開発 ・IoT社会の発展に不可欠な高速性と省電力性を兼ね備えた集積回路・マイコンに有用 内閣府 総合科学技術・イノベーション会議が主導する革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)の佐橋政司プログラム・マネージャーの研究開発プログラム、および文部科学省「未来社会実現のためのICT基盤技術...
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東北大、磁性半導体(Ga,Mn)Asが強磁性をしめすメカニズムを解明
磁性半導体(Ga,Mn)Asが強磁性をしめす メカニズムを解明 −20年来続く論争に終止符 【概要】 東北大学原子分子材料科学高等研究機構(WPI−AIMR、機構長 小谷元子)の相馬清吾准教授、高橋隆教授(兼務 理学研究科)、松倉文礼(◇)教授、Tomasz Dietl教授、大野英男教授(兼務 電気通信研究所、省エネルギー・スピントロニクス集積化システムセンター)、同理学研究科の佐藤宇史准教授らの研究グループは、磁性半導体(Ga,Mn)Asの強磁性発現機構の解明に成功しました。(Ga,Mn)Asは、よく知られた半導体であるGaAsに高濃度でMnを注入することで得られる物質です。 半導体と磁性体の特質を併せもち、電気による磁性の制御...
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東北大、2メガビット磁気ランダムアクセスメモリー(STT−MRAM)の実証実験に成功
高集積・高歩留まり 2メガビット磁気ランダムアクセスメモリ (STT−MRAM)の実証実験に世界で初めて成功 単位メモリセル面積30%の低減と70%の歩留まり向上(対従来比)を同時に実現 【概要】 国立大学法人東北大学(総長:里見進/以下、東北大学)国際集積エレクトロニクス研究開発センターの遠藤哲郎センター長(兼 同大学大学院工学研究科教授)のグループは、磁気トンネル接合素子(Magnetic Tunnel Junction,MTJ)と相補型金属酸化膜半導体(Complementary Metal Oxide Semiconductor,CMOS)電界効果トランジスタとを接続するコンタクトホールの直上に、性能劣化なく磁気接合素子を成膜する技術の開発に世界で初めて成功いた...
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京大など、界面構造を変えるだけで金属酸化物の機能特性を制御することに成功
界面構造を変えるだけで金属酸化物の機能特性を制御 〜酸素配位環境を利用した新機能探求へのアプローチ〜 <ポイント> ○ヘテロ構造界面における酸素配位環境を変えることで、遷移金属酸化物薄膜の磁気特性を制御。 ○原子層単位での精密なヘテロ構造薄膜の作製とその評価により、特性を決定する酸素配位環境を解明。 ○酸化物へテロ構造を利用した新材料開発を実証。 ○界面エンジニアリングによる新機能発現に向けた指針を提示。 京都大学 化学研究所の菅 大介 准教授、麻生 亮太郎 博士課程学生(現大阪大学 助教)、佐藤 理子 修士課程学生、治田 充貴 助教、倉田 博基 教授、島川 祐一 教授の...
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東北大、リチウムイオン電池からイオン制御可能な磁石の創出に成功
リチウムイオン電池から イオン制御可能な磁石の創出に成功 ―電気的にスイッチング可能な磁気デバイスの創出に貢献― 〈概要〉 国立大学法人東北大学【総長 里見進】金属材料研究所【所長 高梨弘毅】の谷口耕治准教授、宮坂等教授らは、リチウムイオン電池*1に金属錯体から成る分子性材料を電極として組み込むことで、人工的にイオン制御可能な磁石を創り出すことに成功しました。リチウムイオン電池のイオン挿入機能を介して、電極材料中の金属錯体と連結した非磁性の分子に電子を導入し磁気モーメント*2を付与することで、物質全体に磁石としての性質を発現させました。さらに電池の放電状態を制御することで、磁...
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反強磁性体の新しい物理と応用を開拓 〜スピン・軌道相互作用を用いた磁化の制御に成功〜 ◆ポイント ・反強磁性体に電流を流すとスピン(磁気)の流れが生じることを発見 ・反強磁性/強磁性積層膜において無磁場下で電流による磁化反転を実証 ・超低消費電力集積回路の実現に加え、脳型情報処理応用にも光 内閣府 総合科学技術・イノベーション会議が主導する革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)の佐橋政司プログラム・マネージャーの研究開発プログラム、及び文部科学省「未来社会実現のためのICT基盤技術の研究開発」の一環として、東北大学電気通信研究所の大野英男教授(同大学省エネルギー・スピントロニク...
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東大、「磁気スキルミオン」の磁場をリアルタイムに可視化することに成功
「磁気スキルミオン」の磁場をリアルタイムで可視化 −ナノスケールの磁気構造観察に新展開− 1.発表者: 柴田直哉(東京大学大学院工学系研究科附属総合研究機構 准教授) 松元隆夫(東京大学大学院工学系研究科附属総合研究機構 特任研究員) 2.発表のポイント: ◆走査型透過電子顕微鏡法(STEM、注1)と独自開発の分割型検出器(注2)により電子線が磁場によって曲げられる効果を高精度に計測し、磁気スキルミオン(注3)の内部磁場をナノスケールでリアルタイムに可視化することに成功した。 ◆本研究手法により、磁気スキルミオン結晶の界面領域に大きさや形状の異なるスキルミオンが形成されることが...
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「次世代デバイス開発の扉を開く電子構造を発見 〜トポロジカルな舞台での「強相関スピントロニクス」時代の幕開けへ〜」 1.発表者 近藤 猛(東京大学物性研究所 附属極限コヒーレント光科学研究センター 准教授) 中山 充大(東京大学大学院新領域創成科学研究科 博士課程1年) 松波 雅治(豊田工業大学物質工学分野エネルギー材料 准教授) 木村 真一(大阪大学大学院生命機能研究科 生命機能専攻 教授) 小野 寛太(高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所 准教授) 組頭 広志(高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所 教授) 中辻 知(東京大学物性研究所 新物質科学研究部...
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東大など、電気的に制御したグラフェンでバレー流の生成・検出に初めて成功
電気的に制御したグラフェンでバレー流の生成、検出に初めて成功 〜結晶中の電子のバレー自由度を利用した低消費電力エレクトロニクスの実現へ〜 <ポイント> ○電気的に制御できる二層グラフェンにおいて、電流からバレー流へ変換、伝送し、再度電流へ変換して、それに伴う電圧を初めて検出しました。 ○電流からバレー流への変換効率を広範囲に渡って電気的に制御できることを示した成果であり、変換効率のさらなる向上が期待できます。 ○バレー流は電荷の流れを伴わないため、エネルギー消費を伴わない情報媒体になると期待されており、本成果はそのような低消費電力エレクトロニクスの開発に貢献します。 電子...
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「超伝導量子ビットと磁石の球のコヒーレントな結合に初めて成功 ―目に見える大きさでの量子力学的振る舞いを明らかに―」 ■発表のポイント: ◆ミリメートルサイズの磁石が量子力学的に振る舞うことを明らかにしました。 ◆超伝導回路を用いた量子ビット素子(注1)と強磁性体中の集団的スピン揺らぎの量子とをコヒーレント(注2)に相互作用させることに成功し、磁化揺らぎの量子状態を自在に制御する方法を見出しました。 ◆今回明らかになった技術により、量子コンピュータと量子通信ネットワークの間で量子情報を受け渡す量子インターフェイスや、それを用いた量子中継器(注3)への応用が期待されます。 ■...
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東北大など、酸化物高温強磁性半導体に潜む特異な原子配列の3D原子像化に成功
酸化物高温強磁性半導体に潜む 特異な原子配列の3D原子像化に成功 −高温強磁性の謎解明へ− 【発表のポイント】 ●原子分解能をもつ蛍光X線ホログラフィーを、高温強磁性半導体に適用 ●磁性元素を中心とした特異な原子配列(亜酸化ナノ構造体)を発見 ●亜酸化ナノ構造体の性質解明を推し進めることにより、新しい高温強磁性半導体のデザイン・開発に期待 国立大学法人東北大学金属材料研究所 林 好一准教授、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 胡■博士研究員(現米国ブルックヘブン国立研究所)を中心とする研究グループは、国立大学法人東京大学大学院、公立大学法人広島市立大学、国立大学法人熊本大...
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東北大など、絶縁体に光を照射してスピン流を創り出す新しい原理を発見
絶縁体に光を照射してスピン流を創り出す新しい原理を発見 〜新原理・新機能のエネルギー変換技術開発に道〜 <ポイント> ・光からスピン流を生成できる新しい原理、現象を発見。 ・光、熱、振動、電磁波などのさまざまなエネルギーを単一デバイスの駆動源として用いることが原理的に可能に。 ・新しいエネルギー変換技術や融合研究分野の形成に貢献。 JST戦略的創造研究推進事業において、東北大学 金属材料研究所の内田 健一 准教授らは、特定の金属微粒子を含む磁石に可視光を照射することで、スピン(注1)(磁気)の流れを生成できる新しい原理を実証しました。 近年、持続可能な社会に向けた環境、エネル...
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熱を使った効率的な純スピン流生成に成功 〜電荷レスでワイヤレスなスピンデバイスの実現に一歩前進〜 【ポイント】 >電流を流すことなく、熱を利用して極めて効率的に純スピン流の生成に成功した。 >従来の材料に比べ2桁以上の大きなスピン信号を検出した。 >排熱利用スピンデバイス、ワイヤレスで動作するスピンデバイス、エナジーハーベスティング技術などの、さまざまな応用が期待される。 JST戦略的創造研究推進事業において、九州大学大学院理学研究院の木村崇主幹教授らは、スピン(注1)を使った次世代の電子素子(デバイス)での応用が期待される「純スピン流(注2)」を、熱を使って効率的に生成する...
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東大など、バレートロニクス結晶中の電子スピンの直接観測・制御に成功
バレートロニクス結晶中の電子スピンの直接観測・制御に成功 ―新たな原理に基づく電子デバイスの実現に道− 1.発表者: 鈴木 龍二(東京大学大学院工学系研究科 物理工学専攻 博士課程 1年) 坂野 昌人(東京大学大学院工学系研究科 物理工学専攻 博士課程 2年) 明石 遼介(理化学研究所 創発物性科学研究センター 計算物質科学研究チーム 特別研究員/ERATO 磯部縮退π集積プロジェクト 研究員) 石坂 香子(東京大学大学院工学系研究科 物理工学専攻 准教授) 有田 亮太郎(理化学研究所 創発物性科学研究センター 計算物質科学研究チーム チームリーダー/ERATO 磯部縮退π集積プロジェ...
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磁気抵抗膜を用いたマイクロ波発振器を高性能化 −スピントルク発振器の発振周波数安定性が大幅に向上− <ポイント> ・磁気トンネル接合膜を用いたナノコンタクト型スピントルク発振素子を開発 ・発振出力の高出力化と安定化を実現し、従来の10倍近い安定性を達成 ・LSI中に組み込むことが可能なナノスケール発振器など、幅広い分野での応用に期待 <概要> 独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 中鉢 良治】(以下「産総研」という)ナノスピントロニクス研究センター( http://unit.aist.go.jp/src/ci/index.html )湯浅 新治 研究センター長、金属スピントロニクス研究チーム 久保田 均 研究チーム長、キヤノンア...
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理化学研究所、3次元半導体物質におけるベリー位相の検出に成功
3次元半導体物質におけるベリー位相の検出に成功 −電子スピンの幾何学的性質により定まる量子力学的位相を発見− <ポイント> ・大きくスピン分裂した電子スピン偏極フェルミ面の量子振動を観測 ・量子振動の解析により3次元物質で初めて電子スピンのベリー位相を検出 ・電子スピンのトポロジー情報が位相値に反映されていることを実証 <要旨> 理化学研究所(理研、野依良治理事長)は、極性を持つ(上下の反転対称性が破れた)3次元の半導体物質「BiTeI(Bi:ビスマス Te:テルル I:ヨウ素、図1)を使い、3次元物質における電子スピンのベリー位相[1]の検出に初めて成功しました。これは、理研創発物性...
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スピン流を高感度に検出する酸化物材料 −革新的省電力デバイスの実現へ前進− <ポイント> ・スピン流から電圧への変換効率が数十倍に ・酸化物材料の登場で金属系磁気デバイスの限界を打ち破る ・発熱を最小限に抑えた究極の省エネ技術としてのスピントロニクスへの期待 <要旨> 理化学研究所(理研、野依良治理事長)は、固体中を流れる磁気(スピン)を電圧信号に変換する材料として、イリジウムの酸化物が極めて高い機能を持つことを発見しました。これは、理研 高木(◇)磁性研究室の藤原宏平基礎科学特別研究員(現 大阪大学産業科学研究所助教)、高木英典主任研究員(東京大学大学院理学系研究科教授)...
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東北大、アルバックと直径11nmまでのサイズの磁気トンネル接合素子作製に成功
高不揮発性・低消費電力CoFeB−MgO磁気トンネル接合の実現 ―高集積スピントロニクス素子の実用化に前進― 【研究概要】 国立大学法人東北大学(総長:里見進/以下、東北大学)省エネルギー・スピントロニクス集積化システムセンターの大野英男センター長(同大学電気通信研究所・教授、原子分子材料科学高等研究機構・主任研究者、国際集積エレクトロニクス研究開発センター・教授兼任)のグループは、株式会社アルバック(代表取締役執行役員社長:小日向久治)との産学連携研究により、直径11nmまでのサイズの磁気トンネル接合素子を作製することに成功しました。また、同東北大学のグループが開発した材料を用いた磁気...
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電子スピンのベリー位相を直接観測 幾何学的に保護されたスピン情報による量子デバイスへの展開に期待 <発表のポイント> ・アハロノフ・キャッシャー効果を用いることで電子スピンのベリー位相の変化を観測 ・ノイズ耐性に優れたベリー位相を半導体デバイス中でコントロールすることに成功 ・電子スピンのベリー位相を用いたスピントロニクスデバイスへの展開に期待 本研究成果は2013年9月26日(日本時間同日),英国科学誌『Nature Communications』に掲載されました。 ■概要 東北大学大学院工学研究科博士後期課程1年長澤郁弥(日本学術振興会特別研究員),同研究科新田淳作教授,セビリア大学(スペイン...
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産総研とJST、磁石の磁化の向きを電圧で効率よく制御する技術を開発
電圧による磁化制御を高効率化 −電圧駆動型の低消費電力スピントロニクス素子の開発を加速− ■ポイント■ ・鉄にホウ素を添加した材料を超薄膜化し、酸化マグネシウム絶縁層で挟んだ新しい素子構造 ・磁石の磁化の向きを電流ではなく電圧で制御 ・従来の構造と比較して約3倍の高効率化を達成 ■概要■ 独立行政法人産業技術総合研究所【理事長中鉢良治】(以下「産総研」という)ナノスピントロニクス研究センターの湯浅新治研究センター長、野崎隆行主任研究員は、磁石の磁化の向きを電圧で高効率に制御する技術を開発した。 鉄にホウ素を添加した磁石材料を超薄膜化し、酸化マグネシウムの絶縁層2層で挟み込...
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磁気モノポールの量子ダイナミクスの発見 1.発表者: 木村健太(日本学術振興会特別研究員 現・大阪大学大学院基礎工学研究科 助教) 中辻 知(東京大学物性研究所 准教授) Jiajia Wen(Johns Hopkins University,Ph.D.Student) Collin Broholm(Johns Hopkins University,Professor) Matthew Stone(Oak Ridge National Laboratory,Instrument Scientist) 西堀英治(名古屋大学 大学院工学研究科 マテリアル理工学専攻 准教授 現・理化学研究所RSC−リガク連携センター連携センター長) 澤 博(名古屋大学 大学院工学研究科 マテリアル理工学専攻 教授) 2.発表ポイント: ◆スピンアイスと呼ばれる磁性体において、磁気...
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磁気の波を用いた熱エネルギー移動に成功 −次世代電子情報・マイクロ波デバイスの省エネルギー技術開発に道− 【発表のポイント】 ・磁気の波(スピン波)を用いて熱エネルギーを望みの方向に移動させる基本原理を実証 ・新しい熱エネルギー輸送法として、次世代電子情報・マイクロ波デバイスの省エネルギー技術への応用に期待 東北大学金属材料研究所の安東秀助教、東北大学原子分子材料科学高等研究機構の齊藤英治教授(東北大学金属材料研究所教授、日本原子力研究開発機構先端基礎研究センター客員グループリーダー、兼任)、日本原子力研究開発機構先端基礎研究センターの前川禎通センター長、東邦大学理学部の...
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東北大とNEC、スピントロニクス技術を用いたロジックインメモリ集積回路の自動設計技術を開発
スピントロニクス技術を用いたロジックインメモリ集積回路の自動設計技術を開発 〜消費電力を1/4に削減した画像処理プロセッサを動作実証〜 東北大学とNECは、電子機器の待機電力ゼロに向けたスピントロニクス技術を論理集積回路に導入し、論理回路とメモリを一体化した不揮発性ロジックインメモリ集積回路を自動設計できるライブラリを開発しました。また、本ライブラリを利用して、画像処理用のプロセッサを設計・試作し、演算時に不要な消費電力を1/4に削減できることを実証しました。 本技術は、電子が持つ性質であるマイナス電荷や微細な磁石であるスピン(注1)を利用したスピントロニクス論理集積回路技術...
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スピン伝搬距離の新しい決定方法を確立 ― 次世代量子情報やスピントロニクス素子の実現に貢献 ― 1.発表者: 新見 康洋(東京大学物性研究所 助教) 魏 大海(東京大学物性研究所 博士研究員) 井土 宏 (東京大学物性研究所 博士課程2年) 若村 太郎(東京大学物性研究所 博士課程1年) 加藤 岳生(東京大学物性研究所 准教授) 大谷 義近(東京大学物性研究所 教授) 2.発表のポイント: ・スピンの情報が乱されることなく伝搬する距離(スピン伝搬距離)を決定する新たな手法を開拓 ・新しい手法を用いれば、これまで困難だった正確なスピン伝搬距離の決定が簡...
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産総研、半導体炭化ケイ素(SiC)に微量添加された窒素ドーパントの格子位置を決定
半導体炭化ケイ素(SiC)に微量添加された窒素ドーパントの格子位置を決定 −超伝導体で明らかにする半導体SiCのナノ微細構造− 【ポイント】 ・超伝導X線検出器を搭載したX線吸収微細構造分光装置(SC−XAFS)の公開を開始 ・炭化ケイ素中の微量窒素ドーパントの格子置換位置を実験と第一原理計算から決定 ・低電力損失のパワーデバイスの実現などを通じて省エネルギー社会実現に貢献 <概要> 独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 野間口 有】(以下「産総研」という)計測フロンティア研究部門 大久保 雅隆 研究部門長らは、大学共同利用機関法人 高エネルギー加速器研究機構【機構長...
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強磁性ナノコンタクト素子によるミリ波発振 −ナノスケールの電流制御型発振素子を理論提案− 【ポイント】 ・産総研開発のシミュレーターを用いて強磁性ナノコンタクトの理論解析を実施 ・直流電流の値を変化させて5〜140GHzの範囲で発振周波数を制御可能 ・次世代無線通信技術やセンサー技術に用いられるマイクロ波、ミリ波の発信素子の実現に期待 <概要> 独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 野間口 有】(以下「産総研」という)ナノスピントロニクス研究センター【研究センター長 湯浅 新治】理論チーム 今村 裕志 研究チーム長、荒井 礼子 産総研特別研究員は、強磁性ナノコンタクト...
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理化学研究所と東大など、電子スピンの渦「スキルミオン」を微小電流で駆動することに成功
電子スピンの渦「スキルミオン」を微小電流で駆動 ―従来の10万分の1の低電流密度での磁気情報操作技術の実現に大きく前進― ◇ポイント◇ ・らせん磁性体FeGeで、室温付近でも安定な「スキルミオン結晶」をマイクロ素子中に生成 ・直径70nmのスキルミオンを、わずか5A/cm2の低電流密度で駆動 ・スキルミオンを情報担体として利用する次世代磁気メモリ素子の実現に道筋 理化学研究所(野依良治理事長)と東京大学(濱田純一総長)、物質・材料研究機構(潮田 資勝理事長)は、らせん磁性体(※1)であるFeGeを用いたマイクロ素子中に、電子スピンが渦巻状に並ぶスキルミオン結晶(※2)を生...
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東北大とNEC、磁気とシリコンを組み合わせた不揮発性論理回路で動作周波数600MHzを実現
磁気とシリコンを組み合わせた不揮発性論理回路で世界最高の動作周波数600MHzを実現 〜MTJのスイッチング電流を抑え、超低消費電力システムLSIの実現に前進〜 概要 国立大学法人東北大学 (総長:井上明久/以下、東北大学) 省エネルギー・スピントロニクス集積化システムセンターの遠藤哲郎教授と大野英男教授のグループは、日本電気株式会社 (代表取締役 執行役員社長:遠藤信博/以下、NEC) との共同研究により、電子の性質であるマイナス電荷や微細な磁石であるスピンを利用したスピントロニクス技術とシリコンCMOS技術を組み合わせて、600MHzで動作する世界最高速の不揮発性論理...
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東京エレクトロン、東北大学とスピントロニクスメモリーの集積化技術などで共同開発に合意
東北大学と東京エレクトロン、次世代デバイスの有力候補であるスピントロニクスメモリの集積化技術とその製造技術で共同開発に合意 東京エレクトロン株式会社(本社:東京都港区、社長:竹中博司)は、このたび東北大学 遠藤哲郎教授を研究代表者として、東北大学省エネルギー・スピントロニクス集積化システムセンター(所在地:宮城県仙台市、センター長:大野英男教授)と、スピントロニクスメモリの集積化技術とその製造技術に関する共同開発を開始することに合意しました。 スピントロニクスメモリは、低消費電力で書き込み速度が高速という特長を持つ不揮発性メモリであり、今後の省エネ電子機器のキーデバイスと...
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産総研、相変化固体メモリーが常温で巨大な磁気抵抗効果を示すことを発見
相変化固体メモリーから巨大磁気抵抗効果が出現 −常温で2000%を越える磁気抵抗比− <ポイント> ・世界で初めて相変化メモリー(PCRAM)が常温で巨大な磁気抵抗効果を示すことを発見 ・超格子型の相変化膜を用いることで、大きなトポロジカル誘電性とラシュバ効果が出現 ・極低消費電力の次世代不揮発性メモリーやロジックへの新展開に期待 <概 要> 独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 野間口 有】(以下「産総研」という)ナノエレクトロニクス研究部門【研究部門長 金丸 正剛】富永 淳二 上席研究員 兼 連携研究体グリーン・ナノエレクトロニクスセンター【連携研究体長 横山 直樹...
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超高密度ハードディスク用巨大磁気抵抗素子の開発に成功 −1平方インチ当たり5 テラビット容量の次世代ハードディスクに適用可能な技術− 【研究成果】 この度、東北大学大学院工学研究科(工学研究科長:内山勝)の大兼幹彦准教授、安藤康夫教授らのグループは、1平方インチあたりの記録密度が5テラビットクラスの、超高密度ハードディスク(HDD)の情報読み出し用ヘッドとして期待が大きい、面直通電型巨大磁気抵抗素子(以降CPP−GMR素子)の飛躍的な性能向上に成功しました。 現在、高性能ハードディスクの信号読み取りヘッドとして用いられている、強磁性トンネル接合素子の基本構造は、磁石の性質...
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産総研、熱エネルギーをスピンに変換する新現象「ゼーベック・スピントンネル効果」を発見
ゼーベック・スピントンネル効果を発見 −温度差だけで電子スピン情報がシリコンに伝わる新現象− <ポイント> ・電子スピンが持つデジタル情報を加熱によってシリコン中に入力することに成功 ・スピントロニクス技術とシリコンLSI技術を融合させた、電流を用いない新しいスピン注入法 ・シリコンLSI中に生じる廃熱を再利用する新しいグリーンITが原理的に実現可能 <概 要> 独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 野間口 有】(以下「産総研」という)ナノスピントロニクス研究センター 湯浅 新治 研究センター長、半導体スピントロニクスチーム Ron Jansen 招聘研究員、齋藤 秀和...
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東北大学、新構造採用により垂直磁化MTJ素子の不揮発性を高めることに成功
不揮発性を高めた新構造MTJ素子を世界で初めて実現 超低消費電力システムLSIの実現へ向けた、 不揮発性スピントロニクス素子の性能向上 【概要】 国立大学法人東北大学(総長:井上明久/以下、東北大学)省エネルギー・スピントロニクス集積化システムセンター及び電気通信研究所の大野英男教授のグループは、株式会社日立製作所(執行役社長:中西宏明/以下、日立)との産学連携研究により、システムLSIの待機電力をゼロにするために記録素子として利用する垂直磁化MTJ素子において、新構造を採用することによりその不揮発性を高めることに成功しました。垂直磁化MTJ素子は2つの磁石(磁性層)を有して...