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ショウジョウバエ
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東大、細胞外情報を集積・統合し適切な転写応答へと変換する細胞内「ロジックボード」分子を発見
細胞外情報を集積・統合し、適切な転写応答へと変換する 細胞内「ロジックボード」分子の発見 1. 発表者: 畠山 昌則(東京大学大学院医学系研究科 病因・病理学専攻 微生物学分野 教授) 2. 発表のポイント: ◆多細胞生物の個体発生および維持に必須の役割を担う多彩な形態形成シグナルを細胞内で集積・統合する分子としてparafibrominを同定しました。 ◆parafibrominはシグナルの組み合わせに応じて、各シグナル特異的な転写共役因子と選択的に複合体を形成し、適切な遺伝子セット発現を誘導することを見出しました。 ◆本研究の成果は、形態形成シグナル異常を背景に発症するがんや先天性の形態異常に対する新...
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東大、自閉症関連因子DCLKによるMAP7D1のリン酸化が脳の左右をつなぐ神経回路の形成制御に必須と発見
自閉症関連因子ダブルコルチン様キナーゼは微小管結合蛋白質MAP7D1の リン酸化を介して脳神経ネットワークの構築を制御する 1.発表者 古泉博之(東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻 助教) Joseph Gleeson(ロックフェラー大学 教授) 榎本 和生(東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻 教授) 2.発表のポイント: ◆ダブルコルチン様キナーゼ(DCLK、(注1))生理基質として微小管結合蛋白質MAP7D1(注2)を同定しました。 ◆DCLKがMAP7D1のリン酸化を介してマウス大脳皮質ニューロンの脳神経回路形成を制御することを明らかにしました。 ◆MAP7D1のリン酸化状態を制御することにより、DCLKノックア...
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金沢大と北大、九大、数理モデルを使用し遺伝子ネットワークに隠された新しいメカニズムを発見
脳の形成において生じる分化の波 数理モデルを使って遺伝子ネットワークに 隠された新しいメカニズムを発見 金沢大学 新学術創成研究機構の佐藤純教授,北海道大学 電子科学研究所の長山雅晴教授,九州大学大学院 医学研究院の三浦岳教授らの共同研究グループは,脳の形成過程において長距離性の情報伝達因子であるEGF(※1)と短距離性の情報伝達因子Notch(※2)の協調作用に注目し,数理モデリングを活用したコンピューターシミュレーションの結果を実験的に検証することによって,Notchの働きがEGF存在下では大きく変化することを見出しました。 細胞と細胞が情報のやりとりをする時,長距離性の情報伝達は拡散性のタ...
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東北大、遺伝性不妊の宿主に感染細菌が卵を復活させる仕組みを解明
遺伝性不妊の宿主に感染細菌が卵を復活させる仕組みを解明 ―ショウジョウバエでの研究成果― 約半数の昆虫に感染しているとされるボルバキア(*1)という共生細菌は、感染している母虫の卵に入り込んで、宿主の次世代へと伝わっていきます。雄の宿主からは伝搬しません。そのためボルバキア菌は、感染した雌が繁殖上有利になるよう、様々な戦略で宿主を操作します。たとえば、宿主の雄をことごとく雌に性転換させる、雄を全て殺す、雌の単為生殖を可能にする、非感染雌との交尾では受精が起こらない(*2)ようにする、など実に多彩です。しかし、なぜボルバキア菌にこんな宿主操作ができるのか、従来全く不明でした。 ...
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脳と行動の雌雄を分かつ遺伝子のスイッチを発見 ―ショウジョウバエでの研究成果― 人間の所作には男女差があり、少なくともその一部は脳の働きの性による違いに起因すると推察されますが、その仕組みは不明です。脳と行動の性差は動物界に普遍的にみられる現象であることから、ヒトでは不可能な実験を動物で行うことで、“心の性”の生まれる仕組みが解明されるものと期待されていました。 このたび東北大学大学院生命科学研究科の山元大輔教授・伊藤弘樹研究員らは、ショウジョウバエを実験に用いて、脳と行動の雌雄による劇的な違いが、たった一つの遺伝子(“ロボ”と言う名前の遺伝子)のスイッチを入れるか、切るか...
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上皮細胞が自律的に集団で移動する仕組みの発見 −細胞を右曲がりにつなぎ替えて外生殖器を時計回りに回す− ポイント ・雄ショウジョウバエの蛹における外生殖器の回転 https://www.youtube.com/watch?v=0HH-O2IrWP8 ○要旨 理化学研究所(理研)多細胞システム形成研究センター組織形成ダイナミクス研究チームの倉永英里奈チームリーダーらの研究グループ(※)は、ショウジョウバエの雄の外生殖器が時計回りに1回転する形成過程をライブセルイメージング[1]で詳細に観察することで、外生殖器を取り囲む上皮細胞シート[2]が時計回りに自律的に回転する仕組みを実験と数理モデルによって明らかにしました。 1個の細胞...
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筑波大など、「お化け」遺伝子を呼び出す「こっくりさん」タンパク質を発見
「お化け」遺伝子を呼び出す「こっくりさん」タンパク質の発見 〜昆虫のステロイドホルモン生合成に関わる新知見〜 <ポイント> ○キイロショウジョウバエを用いた研究から、ステロイドホルモンであるエクジステロイド(脱皮ホルモン)生合成器官での遺伝子の発現調節に重要な役割を担う新規タンパク質を発見しました。 ○ステロイドホルモン生合成に関わる1つの遺伝子のみの発現調節を担う転写因子の発見は、無脊椎動物で初めての事例です。 ○動物のステロイドホルモン生合成メカニズムとその進化について新知見を与えると共に、昆虫のみに作用する農薬の開発ターゲットとなることが期待されます。 国立大学法人...
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東北大、脳内の報酬のフィードバックが記憶を長期化することを発見
脳内の報酬のフィードバックが記憶を長期化する 【研究概要】 東北大学大学院生命科学研究科の市之瀬敏晴(日本学術振興会特別研究員)、山方恒宏助教、谷本拓教授らを中心とした研究グループは、ショウジョウバエの長期記憶形成に重要な脳内の神経接続を発見しました。 ハエの脳では、ドーパミンを放出する神経細胞が報酬を伝えますが、この細胞が自身のドーパミン信号のフィードバックを受けることによって、記憶が長期にわたって維持されることを明らかにしました。このフィードバックに関わる神経回路に機能不全を持つハエは、記憶が長続きしないことを実験的に証明しました。われわれヒトの脳でもドーパミンが脳の報...
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神経細胞の形態の複雑さを決める新しい因子を発見 −樹状突起の形成を抑制する因子とそのメカニズムを同定− <要旨> 理化学研究所(理研)脳科学総合研究センター神経形態遺伝学研究チームのエイドリアン・ムーア チームリーダー、カグリ・ヤルギン研究員(研究当時)らの国際共同研究グループ(※)は、ショウジョウバエを使い、神経細胞の形態の複雑さを決定する新しい因子「セントロソーミン(Cnn)」とその動作機構を発見しました。 脳や末梢の神経細胞は、樹状突起[1]と呼ばれる枝分かれした細長い突起を伸ばし、周囲の神経細胞とのネットワークを形成しています。樹状突起の分岐の複雑さは神経細胞のタイプに...
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東大、神経細胞が周辺組織との相互作用を介して空間的に組織化される分子機構を発見
生体脳における神経細胞の組織化を担う新たな分子メカニズム 1. 発表者: 安永桂一郎(東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻 博士研究員) 手塚 茜(東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻 修士課程1年生) 石川夏子(東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻 修士課程1年生) 大領 悠介(東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻 博士課程3年生) 榎本 和生(東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻 教授) 2. 発表のポイント: ◆ショウジョウバエ脳神経系を解析モデルとして、神経細胞が周辺組織との相互作用を介して空間的に組織化される分子機構を発見しました。 ◆今回...
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昆虫の共生のための細胞がどのようにできるかを解明 −形態形成遺伝子の転用による細胞の発生と進化− ■ポイント ●昆虫において共生細菌を保有する菌細胞の形成過程および機構を解明 ●胚発生の過程で、形態形成遺伝子が新しい発現部位を獲得することで菌細胞が形成 ●細胞の分化機構、共生の分子基盤、細菌感染の制御などに関する新知見 ■概要 国立研究開発法人 産業技術総合研究所【理事長 中鉢 良治】(以下「産総研」という)生物プロセス研究部門【研究部門長 田村 具博】生物共生進化機構研究グループ 深津 武馬 首席研究員(兼)研究グループ長、松浦 優 元 産総研技術研修員(現 北海道大学 ...
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東大など、複合体RISCが標的RNAを素早く正確に切る仕組みを解明
RNAiの仕組みに1分子観察で迫る 〜複合体RISCが標的RNAを素早く正確に切る仕組み〜 1.発表者: 姚 春艶(東京大学大学院新領域創成科学研究科 研究員(当時)、現・中国第三軍医大学 准教授) 佐々木 浩(東京大学分子細胞生物学研究所 助教) 上田 卓也(東京大学大学院新領域創成科学研究科 教授) 泊 幸秀(東京大学分子細胞生物学研究所 教授) 多田隈 尚史(京都大学物質細胞統合システム拠点 特定研究員) 2.発表のポイント: ◆小さなRNA(注1)が特定のタンパク質の合成を抑えるRNAi(注2)という現象は、医療への応用が期待されていますが、従来は、RNAiが作用している様子を観察することがで...
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細胞伸長の司令塔を配置する仕組みを解明 −細胞内の物流システムの調節に新たな知見− ■要旨 理化学研究所(理研)多細胞システム形成研究センター形態形成シグナル研究チームの林茂生チームリーダーと大谷哲久テクニカルスタッフらの国際共同研究チーム(※)は、細胞の伸長を駆動する司令塔の役割を果たす物質が伸長端に正しく配置される仕組みを解明しました。 多細胞生物の体ができる過程では、細胞はそれぞれの機能に応じてさまざまな形に変形します。その中でも細胞の伸長は比較的単純な細胞の形づくりであり、細胞の特定の部位に伸長端が作られ、細胞が一方向に成長することによって起こります。細胞の伸長を駆...
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理研、エリンギから眠り病の病原体の脂質を認識するタンパク質を発見
エリンギから眠り病の病原体の脂質を認識するタンパク質を発見 −眠り病の新たな診断・治療の可能性を拓く− ■要旨 理化学研究所(理研)小林脂質生物学研究室の石塚玲子専任研究員、小林俊秀主任研究員らの共同研究グループ(※)は、食用キノコのエリンギに、眠り病(アフリカ睡眠病)の病原体の脂質に特異的に結合するタンパク質が存在することを発見しました。このタンパク質「エリリシンA[1]」の性質を利用して、眠り病の一次診断や治療に応用できる可能性を示しました。 眠り病はツェツェバエという吸血バエが媒介する寄生原虫「トリパノソーマ[2]」によって引き起こされる感染症です。病状が進行すると患者...
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動物の新しい特徴が進化する仕組みの一端を解明 −ショウジョウバエのcis制御領域の獲得によるwingless発現領域の獲得− <概要> 1.背景 生物が、進化の過程でそれまでになかった性質を獲得する仕組みについては不明な点が多く残されています。近年、ゲノム情報(生物の全遺伝情報)が多く解読され、生物どうしのゲノムを比較できるようになりました。その結果、発生システムの根幹をなす遺伝子は極めて良く保存されていることがわかってきました。一方で、生物は多様な形態や性質を持っています。この不一致は、どのように説明されるべきでしょうか? 1975年、キングとウィルソンは、当時わかり始めたヒトとチンパン...
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昆虫の匂い源探索を担う神経回路を解明 1.発表者: 神崎 亮平(東京大学先端科学技術研究センター 生命知能システム分野 教授) 並木 重宏(米国ハワードヒューズ医学研究所 ジャネリアリサーチキャンパス 研究員 東京大学先端科学技術研究センター 生命知能システム分野 特任助教:当時) 2.発表のポイント: ◆昆虫において、匂い情報の入力から、行動を起こすための命令信号の出力までを担う全ての脳領域と経路を特定しました。 ◆前運動中枢の神経回路が行動を起こすための命令信号を生成することがわかりました。 ◆今回明らかになった回路機構は、スーパーコンピュータ「京」による昆虫の全脳...
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東大、神経細胞の形づくりを調節する分子としてStripタンパク質を発見
神経の形づくりを支える細胞内物流システム −細胞内輸送に関わる新しい分子Stripの発見− 1.発表者: 千原 崇裕(東京大学大学院薬学系研究科 薬科学専攻 准教授) 佐久間 知佐子(東京大学大学院薬学系研究科 薬科学専攻 特任研究員) 2.発表のポイント: ◆神経細胞の形づくりを調節する分子としてStripタンパク質を見出しました。 ◆Stripタンパク質が細胞内輸送に関わる分子群と複合体をつくり細胞内輸送を制御していることを明らかにしました。 ◆Stripタンパク質はヒトにも存在するため、神経の形づくりに関わる基本的な仕組や、神経関連の遺伝病、神経変性疾患などの発症機序の理解に繋がることが期待で...
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東大、カイコの性はたった一つの小さなRNAが決定することを解明
カイコの性はたった一つの小さなRNAが決定する −80年来の謎をついに解明!カイコの性決定メカニズム− <発表者> 木内 隆史(東京大学大学院農学生命科学研究科 生産・環境生物学専攻 助教) 古賀 光(東京大学大学院農学生命科学研究科 生産・環境生物学専攻 修士課程2年) 川本 宗孝(東京大学大学院農学生命科学研究科 生産・環境生物学専攻 学術支援専門職員) 庄司 佳祐(東京大学大学院農学生命科学研究科 生産・環境生物学専攻 博士課程1年) 酒井 弘貴(東京大学大学院新領域創成科学研究科 先端生命科学専攻 博士課程1年) 新井 祐二(東京大学大学院農学生命科学研究科 生産・環...
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農業生物資源研究所など、カイコで働く約1万個の遺伝子配列解読に成功
カイコで働く約1万個の遺伝子配列解読に成功 −産業利用につながる有用遺伝子の特定が加速化− <ポイント> ・カイコで実際に働く約11,000個の遺伝子の塩基配列を解読しました。 ・本成果は、チョウ目害虫に選択的に作用する新規制御剤の開発や遺伝子組換えカイコによる有用物質生産など、産業利用への貢献が期待されます。 <概要> 1.独立行政法人農業生物資源研究所(生物研)は、中国・西南大学、独立行政法人産業技術総合研究所、および国立大学法人東京大学と共同で、カイコの様々な組織に由来する完全長cDNAライブラリ(1)を作製し、11,104種類の完全長cDNA(2)の塩基配列を解読しました。今回...
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「再生できるプラナリア」と「再生できないプラナリア」の謎、解明される 阿形清和 理学研究科教授、梅園良彦 徳島大学ソシオテクノサイエンス研究部学術研究員(2013年3月まで理化学研究所)らのグループは、100年来の謎であった「プラナリアの再生の仕組み」をついに分子レベルで解明しました。さらには、プラナリアの再生原理を理解することによって、もともと再生できないプラナリア種の遺伝的原因を解明し、世界で初めて人為的に再生を誘導することにも成功しました。 本研究は、2013年7月25日午前2時(日本時間)に英国総合科学誌「Nature」のオンライン速報版で発表されました。 <概要> 体...
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ゴカイが持つ無限の再生能力の仕組みを解明 ―体節からの増殖シグナルが新たな体節形成を誘導、強力な再生能力を裏付け― <ポイント> ・釣り餌で用いられるゴカイは切断された胴部の後端から新たな体節を再生 ・胴部と尾部の境界で増殖する細胞が1列ごとに付加、5列で体節の原型が完成 ・両生類胚の発生過程で発見された相同形質誘導をゴカイの再生場面でも発見 <要旨> 理化学研究所(野依良治理事長)は、環形動物[1]ゴカイの体節[2]形成を詳細に観察し、新たな体節は隣の体節からのタンパク質が増殖のシグナルとなって作られることを発見しました。成体になった後でも既存の体節を鋳型にして新たな体節...
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浜松医科大、東北大などと共同で生きた状態での生物の高解像度電子顕微鏡観察に成功
生きた状態での生物の高解像度電子顕微鏡観察に成功 ―高真空中でも気体と液体の放出を防ぐ「ナノスーツ」を発明― <ポイント> ■生物は多様な環境に対応するために細胞外物質(機能性膜)で覆われている。 ■細胞外物質やそれを模倣した薄い液膜に電子線などを照射することで、高真空中でも蒸発を防ぐ、より強力な「ナノ重合膜(ナノスーツ)」を発明。 ■生きた状態のままで、電子顕微鏡による微細構造観察が実現可能になった。 JST課題達成型基礎研究の一環として、浜松医科大学の針山 孝彦 教授は、東北大学 原子分子材料科学高等研究機構の下村 政嗣 教授らと共同で、高真空下でも生命を保護できる生体適...
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松谷化学、香川大と共同で希少糖「D−アロース」の寿命延長効果の研究結果を発表
香川大学、松谷化学工業が共同で 希少糖「D−アロース」の寿命延長(アンチエイジング)効果の研究結果を発表 線虫の平均寿命が20%延長 でん粉加工と機能性食品素材の総合メーカー 松谷化学工業株式会社(本社:兵庫県伊丹市 代表取締役社長:松谷晴世 以下、松谷)は、このたび香川大学(香川県木田郡三木町)農学部 佐藤正資教授、香川大学希少糖研究センター 何森健特任教授と当社研究所の希少糖(レアシュガー)研究チームの共同研究で、希少糖の一種であり、ノンカロリーと推定される「D−アロース」が、線虫を用いた実験によって平均20パーセントの寿命延長効果(アンチエイジング効果)があることを確認し...
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理化学研究所と阪大、生物内部を高速・高精細にイメージング可能にする装置を開発
生物内部を高速・高精細にイメージングが可能に −多点共焦点顕微鏡法を二光子励起法の適用で生体観察向けに改良− ◇ポイント◇ ・多点共焦点顕微鏡法の問題点“ピンホール・クロストーク”を解消 ・生物の30〜100μm深部での観察画像のコントラスト比が30倍以上向上 ・広くライフサイエンス分野での貢献に期待 理化学研究所(野依良治理事長)と大阪大学(平野俊夫総長)は、生物個体や組織など、厚みがある試料内部の高速・高精細に蛍光イメージングを可能とする装置を開発。これは、理研発生・再生科学総合研究センター(理研CDB 竹市雅俊センター長)光学イメージング解析ユニットの清末優子ユニットリー...
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組織形成における細胞分裂の新しい役割の発見 −球形化する細胞が組織形成の引き金をひく− ◇ポイント◇ ・組織の潜り込み運動(陥入)の様子を高精度なライブセルイメージングで観察 ・3つの性質の異なるメカニズムが補完的かつ協調的に作用し、安定した組織形成を実現 ・細胞分裂が形態形成に関わる新たな知見により、巧妙な発生の仕組み解明に新たな一歩 理化学研究所(野依良治理事長)は、ショウジョウバエの気管形成過程をライブセルイメージング(※1)で詳細に観察することで、気管原基(気管のもとになる上皮細胞(※2)シート)の細胞が細胞分裂時に球状になることが、組織の構造的な不安定化を引き...
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農業生物資源研究所、昆虫の「変身」を抑える遺伝子のスイッチのしくみを解明
昆虫の『変身』を抑える遺伝子のスイッチのしくみを世界で初めて解明 − 狙いの害虫にのみ作用する薬剤の開発に期待 − <ポイント> ・幼若ホルモン(JH)は、「Kr−h1」という、昆虫の「変身(変態)」を抑える遺伝子のスイッチをオンにして働かせることが知られています。 ・生物研では、カイコを用いて、そのスイッチのしくみを世界で初めて明らかにしました。 ・JHは、「MET」と「SRC」の2種類のタンパク質を介して、「Kr−h1」遺伝子の「JH応答配列」に結合し、この遺伝子のスイッチをオンにします。 ・このスイッチのしくみは多くの昆虫に共通なものと考えられます。 ・本研究成果を応用し、J...
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脳・脊髄形成に必要な神経板湾曲の仕組みを解明 −カドヘリン関連因子「Celsr1」の働きが神経管形成に重要− ◇ポイント◇ ・神経板が湾曲するとき細胞間接着面のアクトミオシンが一定方向に収縮 ・アクトミオシンの収縮は、収斂(れん)伸長を引き起こす ・神経管形成の仕組みを総合的に理解、さらなる形態形成の原理解明へ 理化学研究所(野依良治理事長)は、カドヘリン(※1)分子群に属する「Celsr1(セルサー1)(※1)」が、脳・脊髄の基となる神経管形成のために必要な神経板(※2)湾曲において中心的な役割を担うことを突き止め、神経板を一定方向に収縮させる仕組みを明らかにしました。...
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東大、遺伝子発現を調節する小分子RNAが作られるしくみを発見
遺伝子発現を調節する小分子RNAが作られるしくみ 発表概要: ヒトをはじめとする多くの生物では、microRNA(miRNA)と呼ばれる小さなRNA(1)が、発生(2)や癌化などの生命現象を精密に制御していることが知られています。miRNAは最初から小さいわけではなく、もとになる長いRNAから2回の切断を受けて切り出されて作られます。我々は、この2回目の切り出しを行うDicerと呼ばれるタンパク質が、どのようにして正しいRNAのみを正確に切断しているのかを調べました。その結果、ショウジョウバエのDicerはRNAの全体的な「形」を厳密に見分けているのに対し、ヒトのDicer...
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「生殖細胞の性別を決める遺伝子の発見」 自然科学研究機構 岡崎統合バイオサイエンスセンター(岡崎統合バイオ)・基礎生物学研究所の橋山一哉研究員、林良樹助教および小林悟教授は、ショウジョウバエを用いた研究により、生殖細胞のメス化の鍵を握る遺伝子を発見しました。この成果は、米国科学雑誌「Science」の電子版にて7月8日(金)に発表されます。 「研究の背景及び概要」 生物を構成する細胞は、個体を作る体細胞と、次世代に命をつなぐ生殖細胞に大きく分けられます。多くの動物において、体細胞にオスとメスの区別があるように、生殖細胞にも性の区別があります。たとえば、オスの生殖細胞は精子...
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理化学研究所、ストレスによる遺伝子発現変化がDNA配列の変化を伴わず親から子供に遺伝するメカニズムを発見
親の受けたストレスは、DNA配列の変化を伴わずに子供に遺伝 −ストレスが影響する非メンデル遺伝学のメカニズムを世界で初めて発見− ◇ポイント◇ ・ストレスの影響がエピジェネティクに遺伝するメカニズムを解明 ・ストレスが影響する非メンデル遺伝学を理解する上で、重要な新発見 ・ヒトの病気にも影響するエピジェネティクな遺伝現象の解明に向けて大きな一歩 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、ストレスによる遺伝子発現変化が、DNA配列の変化を伴わず(エピジェネティク(※1))に親から子供に遺伝する新たなメカニズムを発見しました。理研基幹研究所(玉尾皓平所長)石井分子遺伝学研...
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エステー、メントールスカッシュ香りの「ゴミ箱の消臭力 コバエよけ効果プラス」を発売
「ゴミ箱の消臭力」にコバエよけ成分をプラス 「ゴミ箱の消臭力 コバエよけ効果プラス」を新発売 香りは〈メントールスカッシュの香り〉 *「ゴミ箱の消臭力」ロゴは添付の関連資料を参照 エステー株式会社は、生ゴミ臭を強力消臭する「ゴミ箱の消臭力」に“コバエ忌避成分”を加えた「ゴミ箱の消臭力 コバエよけ効果プラス」を追加し、3月22日から全国のスーパー、ドラッグストア、ホームセンターなどで新発売します。 香りは〈メントールスカッシュの香り〉で、価格は、2個入りで税込み441円(税別420円)です。 <「ゴミ箱の消臭力」> 「ゴミ箱の消臭力」は、昨年7月に発売し好評の生ゴミ臭に効く...