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フェムト秒
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NTTと東京理科大、アト秒時間で振動する半導体の電子運動観測に初めて成功
アト秒時間で振動する半導体の電子運動観測に初めて成功 〜ペタヘルツ高周波現象を利用した半導体の新機能実現に向けて〜 日本電信電話株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:鵜浦博夫、以下 NTT)と東京理科大学(東京都新宿区、学長:藤嶋昭)は、窒化ガリウム半導体において、アト秒(10-18秒:as)周期で振動する電子の動きを観測することに初めて成功しました。その振動現象は、世界最短級の時間幅(パルス幅)を持つ単一アト秒パルス光源を用いた時間分解計測により捉えることができます。アト秒パルスとは、100京分の1秒の極短時間で煌めく閃光を指します。本研究にて観測された電子振動の周期は860asに...
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世界最高速の分子判別法を開発 〜再生医療、がん診断、バイオ医薬品、バイオ燃料の研究を加速〜 1.発表者: 井手口拓郎(東京大学大学院理学系研究科附属スペクトル化学研究センター 助教) 合田圭介(東京大学大学院理学系研究科化学専攻 教授) 2.発表のポイント: ◆分子の種類を光で判別する手法(ラマン分光法)は、計測に時間がかかるという問題があった。 ◆これまでの最速手法に対して20倍以上高速に計測する手法を開発した。 ◆膨大な細胞集団から単一の細胞を迅速・正確に探し出す計測手法として用いることにより、再生医療、がん診断、バイオ医薬品、バイオ燃料などの研究を加速させることが期...
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東北大と京大、超強力X線パルスによるプラズマ生成初期過程での体積収縮を発見
X線自由電子レーザーに照射された微粒子が縮んだ! 超強力X線パルスによるプラズマ生成初期過程での体積収縮を発見 【概要】 東北大学多元物質科学研究所上田潔教授・福澤宏宣助教のグループ、京都大学大学院理学研究科永谷清信助教、米国SLAC国立加速器研究所のクリストフ ボステト研究員のグループ等による国際共同研究チームは、米国のX線自由電子レーザー(XFEL)(*1)施設LCLS(*2)から供給される非常に強力なX線をキセノン原子が集まってできた微小な粒子に照射すると、極めて短い時間では体積が収縮することを発見しました。従来、XFELに照射された微粒子は、大量の電子を放出してプラズマ(*3)化し即座に爆発す...
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北大とトヨタなど、自動車排ガス浄化用触媒材料を放射線損傷なくナノレベル観察することに成功
SACLA 産学連携プログラムで,自動車排ガス浄化用触媒材料を 放射線損傷なくナノレベル観察することに成功 −X線自由電子レーザーを利用した世界初の産学連携研究論文を発表− ■概要: 北海道大学,トヨタ自動車株式会社,高輝度光科学研究センター(JASRI),理化学研究所(理研)は,X線自由電子レーザー(XFEL)施設「SACLA」(*1)を用いた世界初の産学連携研究の成果として,自動車排ガス浄化用触媒材料を,放射線損傷なくナノレベルで観察することに成功しました。これは,北海道大学電子科学研究所の吉田力矢助教,西野吉則教授,トヨタ自動車株式会社材料技術開発部の山重寿夫主任,理化学研究所放射光科学総合研究セ...
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光産業創成大と浜松ホトニクス、高強度短パルスレーザー照射でセラミックス材料表面の多層多結晶化に成功
高強度短パルスレーザー照射により セラミックス材料表面の多層多結晶化に成功 機能性材料開発に期待 光産業創成大学院大学(浜松市西区、学長 加藤義章)、浜松ホトニクス(本社浜松市中区、代表取締役社長晝馬明)らは、セラミック材料のジルコニアに高強度レーザーを照射し、表面から深さ約100マイクロメートル(以下μm、マイクロは100万分の1)の領域に、微細な多結晶粒を多層に形成することに成功しました。本研究成果は、レーザー衝撃圧縮技術を用いたセラミックス系材料の改質技術における新たな発見で、新しい機能性材料の開発につながる可能性があります。 本研究成果は、7月14日(火)付け英国物理...
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名大など、植物の受精卵が分裂する様子を生きたまま観察することに成功
植物の受精卵が分裂する様子を生きたまま観察することに成功 〜植物の驚くべき再生能力が明らかに〜 ■ポイント >植物の受精卵が分裂し成長する様子をリアルタイムで観察することに初めて成功した。 >胚がダメージを受けたときに細胞運命を変えて植物が再生する能力を明らかにした。 >高い再生能力を生み出す仕組みの解明、育種・培養技術の開発への貢献が期待される。 JST戦略的創造研究推進事業において、名古屋大学 WPIトランスフォーマティブ生命分子研究所の東山 哲也 教授と名古屋大学 大学院理学研究科の栗原 大輔 特任助教らは、植物の受精卵が分裂し発生する様子を生きたままリアルタイムで観察(ラ...
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光による磁気弾性波の発生と磁区の駆動に成功 −光による高速磁気メモリ制御の実現へ前進− <要旨> 理化学研究所(理研)創発物性科学研究センター強相関物性研究グループの十倉好紀グループディレクター、小川直毅上級研究員らの研究チーム(※)は、磁性絶縁体にパルス光を照射すると磁気弾性波[1]が発生し、局所的に磁区[2]を操作できることを発見しました。また光で発生させた磁気弾性波が、曲率の大きな磁壁[2]に対し、より大きな相互作用を示すことを明らかにしました。 従来の磁気メモリデバイスは、電流をコイルに流すことにより磁界を発生させ、近接する磁性体の磁化の向きを反転させることでデータ...
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基礎生物学研究所など、光依存的なペルオキシソームと葉緑体の物理的相互作用を発見
生体内レーザー技術で明らかになった 光依存的なペルオキシソームと葉緑体の物理的相互作用 地球上の多くの生命は、二酸化炭素を吸収し酸素と糖を生成する植物の光合成に大きく依存しています。植物細胞内には、多数の細胞小器官(オルガネラ)が存在し、独自の機能をもちつつもオルガネラ間で協調的に働くことにより、光合成などの様々な生命活動を支えています。ペルオキシソーム(*1)、ミトコンドリア、葉緑体は、光合成に伴う光呼吸(*2)などの代謝経路を支えています。基礎生物学研究所の及川和聡研究員(現:新潟大学 特任助教)および西村幹夫特任教授らは、シロイヌナズナの葉の細胞内で、ペルオキシソーム...
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岡山大と理研、光化学系II複合体の正確な三次元原子構造を解明
光化学系II複合体の正確な三次元原子構造を解明−人工光合成開発への糸口に− 岡山大学大学院自然科学研究科の沈建仁教授(同 大光合成研究センター長)、菅倫寛助教、秋田総理助教、理化学研究所放射光科学総合研究センター利用システム開発研究部門ビームライン基盤研究部の山本雅貴部長、同生命系放射光利用システム開発ユニットの吾郷日出夫専任研究員らの研究グループは、X線自由電子レーザー(XFEL)施設SACLA[1]を用いて、光合成による水分解反応を触媒する光化学系II複合体の構造を1.95A(◇)分解能で正確に突き止めました。本研究成果は、平成26年11月26日、英国の科学雑誌「Nature」(英国時間:午後6...
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九大と東大など、光の任意の偏光状態を磁性体に書き込み・読み出すことに成功
光の任意の偏光状態を磁性体に書き込み・読み出すことに成功 <概要> 九州大学 大学院理学研究院の佐藤 琢哉 准教授と東京大学 生産技術研究所の志村 努 教授、飯田 隆吾 博士(研究当時大学院生)は、フリードリッヒ・アレクサンダー大学エアランゲン・ニュルンベルグ(ドイツ)の樋口 卓也 博士、チューリッヒ工科大学(スイス)のマンフレッド・フィービッヒ 教授と共同で、光パルス(※1)の任意の偏光状態(※2)を磁性体の磁化振動モード(※3)として転写し、それらを情報媒体として書き込むことに成功しました。また、時間的に遅れて照射された別の光パルスを用いて磁化振動モードを読み取り、元の...
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日立、石英ガラス内部にブルーレイディスク並みの記録密度でデジタルデータの記録・再生に成功
石英ガラスの内部にブルーレイディスク(TM)並みの記録密度で デジタルデータの記録・再生に成功 100層記録による大容量化と3億年のデータ保存寿命の両立が可能に 株式会社日立製作所(執行役社長兼COO:東原 敏昭/以下、日立)は、このたび、京都大学大学院工学研究科 三浦清貴研究室と共同で、石英ガラス内部に、ブルーレイディスク(TM)並みの記録密度となる100層のデジタルデータを記録、再生することに成功しました。今回、石英ガラスの奥深くに保存されたデータを再生する際に生じる、他層のデータの映りこみに起因するノイズの低減技術を新たに適用することで、100層という多層でのデータ記録、再生が行える...
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世界最高強度の光で探る真空 〜未知の「場」を探して〜 <発表者> 浅井祥仁(東京大学大学院理学系研究科物理学専攻 教授) 難波俊雄(東京大学 素粒子物理国際研究センター 助教) 矢橋牧名(理化学研究所 放射光科学総合研究センター グループディレクター 【発表のポイント】 >真空に潜んだ未知のモノ(場)や量子力学が予言する粒子対を、X線自由電子レーザー施設(SACLA)を用いて探索した。 >強力で質の高いX線源を用いて素粒子研究ができることを示し、X線同士の衝突技術など素粒子研究で鍵となる技術を確立した。 >高強度のX線が基礎科学にも重要な役割を果たすことを示した初めての成果である。 ...
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世界で初めて、溶液反応の超高速時間・角度分解光電子分光に成功 ―溶液化学反応の機構解明に前進― <本研究成果のポイント> ○水溶液中の化学反応機構を解明する新しい研究手法を開発 ○水溶液の表面近くで起こる電子移動反応を解明 ○水溶液の表面に捕捉された電子の探索 京都大学(松本紘総長)、Wurzburg大学(Alfred Forchel 学長)、理化学研究所(野依良治理事長)は、世界で初めて、液体表面近くで起こる電子移動反応をリアルタイムに観測するフェムト秒[1]時間・角度分解光電子分光[2]に成功しました。これは、京都大学大学院理学研究科の鈴木俊法教授(理化学研究所光量子工学研究領域分子反応ダイナミ...
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理研など、SACLAの「目」である高性能X線イメージング検出器を開発
SACLAの「目」である高性能X線イメージング検出器を開発 −高い放射線耐性・電場が崩れない電荷収集・高速動作・大面積の高仕様を実現− <ポイント> ・SACLAで照らし出した世界を捉える「目」の役割を果たす ・SACLAの基幹技術となるX線イメージング検出器の開発に成功 ・CCDセンサーの先端技術を駆使、総合性能と安定性で世界最高性能 <要旨> 理化学研究所(理研、野依良治理事長)と高輝度光科学研究センター(土肥義治理事長)は、X線自由電子レーザー(XFEL)施設「SACLA」[1]で使用するX線イメージング検出器「マルチポートCCD検出器」の開発に成功しました。これは、理研放射光科学研究センター(石川哲也センター...
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世界最高出力の孤立アト秒パルスレーザーを開発 −孤立アト秒パルスの高出力化の道を開くことに成功− <ポイント> ・瞬間出力2.6ギガワット。従来法と比べ100倍以上強いアト秒パルスを実現 ・2波長合成レーザーを用いた理研独自の孤立アト秒パルス高出力化法を開発 ・今まで観測できなかった電子の動きなど超高速の物理現象の解明に前進 <要旨> 理化学研究所(理研、野依良治理事長)は、アト秒(1アト秒は100京分の1秒、10−18秒)の時間幅をもつ極短パルスの極端紫外光(XUV)を高効率かつ高強度に発生できる手法を確立し、その手法を用いて卓上サイズでギガワット(GW:1GWは100万kW)の瞬間...
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理化学研究所など、X線自由電子レーザーパルスの特性を生かした高効率X線吸収分光法を開発
X線自由電子レーザーパルスの特性を生かした高効率X線吸収分光法の開発 −超高速の化学反応を追跡するフェムト秒時間分解でのX線吸収分光が可能― <ポイント> ・理研のXFEL施設「SACLA」を使い新X線吸収分光法の実証実験に成功 ・分割した2本のX線ビームを使って広域のX線吸収スペクトルを一括計測 ・化学反応の原子や分子の動きなど超高速現象をとらえる技術確立へ <要旨> 理化学研究所(理研、野依良治理事長)、高輝度光科学研究センター(土肥義治理事長)、京都大学(松本紘総長)と東京農工大学(松永是学長)は、X線自由電子レーザー(XFEL:X−ray Free Electron Laser)[1]を利用した新しいX線吸収分光法[2]...
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テラヘルツ光で電気分極の量子波の観測に成功 〜電子型有機誘電体における新しい準粒子の発見と光増殖効果〜 <背景> 真空中の電子は、もっともよく知られた素粒子の一つですが、物質中においては、単独の粒子としてではなく、周りに存在するたくさんの電子や原子との相互作用によって集団的に運動します。このような多数の電子や原子の集団は、量子力学的(波としての性質を持つ)な粒子(準粒子(注1))として理解することができます。例えば、原子の変位が波として伝わる音波(フォノン)や、磁気の波である(マグノン)などはその代表的な例です。物質ごとに異なる準粒子を発見することは、物質の電気的、磁気的な性...
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理化学研究所、X線自由電子レーザーのパルス幅を1京分の1秒以下に圧縮する手法を考案
XFELのパルス幅を1京分の1秒以下に圧縮する手法を考案 −原子内の電子運動をリアルタイムかつ高精度に計測する技術開発を目指して− ◇ポイント◇ ・既存技術を組み合わせた手法でパルス幅を約300倍圧縮可能 ・パルス幅53アト秒、ピークパワー6.6テラワットのXFELを発振可能 ・パルス幅0.3アト秒というX線レーザーの理論限界へ第一歩 理化学研究所(野依良治理事長)は、X線自由電子レーザー(※1)(XFEL)施設が発振するX線レーザーのパルス幅を圧縮する新たな手法を考案しました。この手法を理研のXFEL施設「SACLA(※2)」に適用してシミュレーションした結果、波長1.24オングストローム(Å:1Åは...