日立ＧＳＴ、毎分１万回転の高速サーバー向けＨＤＤ「Ｕｌｔｒａｓｔａｒ　Ｃ１０Ｋ９００」シリーズを出荷

毎分１万回転で業界最速＊のサーバ向けハードディスク装置
高い性能と省電力を両立したＵｌｔｒａｓｔａｒ　Ｃ１０Ｋ９００シリーズ


　※製品画像は添付の関連資料を参照

＊２０１１年１２月１３日時点


　日立グローバルストレージテクノロジーズ（本社機能：米国カリフォルニア州サンノゼ市、社長兼ＣＥＯ：Ｓｔｅｖｅ　Ｍｉｌｌｉｇａｎ（スティーブ・ミリガン）／以下、日立ＧＳＴ）は、本日、サーバ向けハードディスク装置（以下、ＨＤＤ）の新製品「Ｕｌｔｒａｓｔａｒ　Ｃ１０Ｋ９００」シリーズの出荷を開始しました。本製品は、業界をリードする高い性能を誇り、同じカテゴリの他の製品に比べて、シーケンシャルアクセス性能（注１）で約１８％、ランダムアクセス性能で最大約１７％改善しています。毎秒６ギガビット（以下、６Ｇｂｐｓ）のシリアルアタッチドＳＣＳＩ（以下、ＳＡＳ）インタフェースと、６４メガバイト（メガは百万。以下、ＭＢ）のデータバッファを搭載し、データ処理の最適化と高速なレスポンスを実現しています。また、平均シーク（注２）時間は３．８ミリ秒、毎分１万回転の高速回転により平均回転待ち（注３）時間は３．０ミリ秒とデータアクセス時間の短縮を図っています。


（注１）シーケンシャルおよびランダムアクセス性能は、ＩＯＭｅｔｅｒベンチマークソフトでテストしています。システム構成：Ｄｅｌｌ　ＰＥ１９５０、ＳＡＳ／５ｅ　ＰＣＩ−ｅ　ＨＢＡ、ＣＰＵ　２．４−ＧＨｚ　Ｉｎｔｅｌ　Ｃｏｒｅ　２　Ｄｕｏプロセッサ、ＯＳ　Ｗｉｎｄｏｗｓ　ＸＰ　Ｐｒｏｆｅｓｓｉｏｎａｌ　ＳＰ２。

（注２）シーク時間は、ヘッドが目的のトラックに移動し、到達するまでの所要時間。円板の最内周から最外周間の移動を最大シーク時間、隣のトラックへの移動を最小シーク時間という。

（注３）回転待ち時間は、円板上の目的のデータセクタが、モータ回転によりヘッドのある位置に到達するまでの時間。


　２．５型スモールフォームファクタ（以下、ＳＦＦ）の製品として４世代目となる「Ｕｌｔｒａｓｔａｒ　Ｃ１０Ｋ９００」シリーズは、記憶容量９００、６００、４５０および３００ギガバイト（ギガは１０憶。以下、ＧＢ）のモデルを取り揃え、大容量と省スペースを両立した製品です。３．５型ＨＤＤに比べて搭載スペースを約７０％、消費電力を約６５％低減しています。これらの製品特性は、従来の大形ストレージシステムから２．５型ＨＤＤをベースとした省スペースタイプのシステムへの移行を促進し、冷却コストの低減とともにＴＣＯ（Ｔｏｔａｌ　Ｃｏｓｔ　ｏｆ　Ｏｗｎｅｒｓｈｉｐ）の改善に寄与します。

　「Ｕｌｔｒａｓｔａｒ　Ｃ１０Ｋ９００」に採用されている先進のパワーマネジメント機能は、業界をリードする省電力性能を実現し、同じカテゴリの他の製品に比べて消費電力を最大約２８％改善しています。これは、今日のデータセンタにおいて重要視される省エネと冷却効率の向上に寄与します。本製品は、ＩＮＣＩＴＳ　Ｔ１０（注４）技術委員会の規定に準拠した複数のアイドルモード（注５）を用意し、記憶容量と消費電力の最適バランスを図ります。本製品のパワーマネジメント機能により、動作時５．８ワット、アイドル時３．０ワットの低消費電力を実現します。


（注４）ＩＮＣＩＴＳ：Ｉｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌ　Ｃｏｍｍｉｔｔｅｅ　ｆｏｒ　Ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ　Ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｙ　Ｓｔａｎｄａｒｄｓ（情報技術規格国際委員会）。Ｔ１０：ＳＣＳＩストレージインタフェース技術委員会

（注５）アイドルモードは、コマンド処理が実行されていないシステムの待機状態。
　本製品は、ハロゲンの使用を抑えた部品を採用し、グリーンコンピューティングをサポートしていることから、製品の設計、製造から廃棄までの全工程を通して環境への影響を最小限に抑えるために日立ＧＳＴが独自に規定した「ＥｃｏＴｒａｃ」に適合しています。

　・省電力設計による稼動コストの低減
　・製造廃棄物の低減による二酸化炭素排出量の削減
　・含有有害物質の低減と安全な製品廃棄
　・輸送効率向上や梱包資材の削減による環境保全

　日立ＧＳＴプロダクトマーケティング　ヴァイスプレジデントのＢｒｅｎｄａｎ　Ｃｏｌｌｉｎｓ（ブレンダン・コリンズ）は次のように述べています。「本日発表したＵｌｔｒａｓｔａｒ　Ｃ１０Ｋ９００は、大容量、業界をリードする性能、省電力と実績のある設計品質の各要素をバランスよく組み合わせた、企業向けサーバおよびネットワークストレージシステムに最適の製品です。本製品を導入するワールドワイドのお客様が、稼働実績や製品の持つ先進技術性能、および信頼性の点で満足いただけることを確信しています。」
　お客様の信用や企業のブランド保護の観点からデータセキュリティは最重要項目のひとつです。
　日立ＧＳＴのＵｌｔｒａｓｔａｒ製品シリーズは、データ保護やセキュリティの要求に対応して、ユーザデータを暗号化する機能をオプションとして提供します。また、本製品のデータ暗号化機能は、ＴＣＧ（注６）が提唱する「Ｅｎｔｅｒｐｒｉｓｅ　Ａ　Ｓｅｃｕｒｉｔｙ　Ｓｕｂｓｙｓｔｅｍ」仕様に準拠しています。ＨＤＤ製品の廃棄や再利用の際には、暗号キーを削除することにより、それまで格納されたデータは読み出し不可能となるため、従来必要であったデータ消去のための時間とコストを低減することができます。

（注６）ＴＣＧ：Ｔｒｕｓｔｅｄ　Ｃｏｍｐｕｔｉｎｇ　Ｇｒｏｕｐ。高信頼コンピューティングとハードウェア／ソフトウェアセキュリティのテクノロジに関する業界標準仕様を開発、定義、および推進する非営利団体。

　「Ｕｌｔｒａｓｔａｒ　Ｃ１０Ｋ９００」は、お客様の認定用に出荷を開始しています。量産出荷は２０１２年１月の予定です。


※新製品の主な仕様は添付の関連資料を参照