豊田通商、豪州Ｑｕｅｅｎｓｌａｎｄ　Ｃｕｒｔｉｓ　ＬＮＧプロジェクト向けＣＢＭ長期販売契約を締結

豪州Ｑｕｅｅｎｓｌａｎｄ　Ｃｕｒｔｉｓ　ＬＮＧプロジェクト向け炭層メタンガス（ＣＢＭ）

長期販売契約締結およびＣＢＭ開発方針決定


　豊田通商株式会社（本社：名古屋市、社長：加留部　淳、以下：当社）は、この度ＢＧ　Ｇｒｏｕｐ　ｐｌｃ（本社：英国、以下ＢＧ　Ｇｒｏｕｐ）の１００％子会社Ｗａｌｌｏｏｎｓ　Ｃｏａｌ　Ｓｅａｍ　Ｇａｓ　Ｃｏｍｐａｎｙ　Ｐｔｙ　Ｌｔｄと、ＢＧ　Ｇｒｏｕｐが豪州で推進するＱｕｅｅｎｓｌａｎｄ　Ｃｕｒｔｉｓ　ＬＮＧプロジェクト（以下：ＱＣ　ＬＮＧ）へ、ＬＮＧ原料ガスとなる炭層メタンガス（＊１）（以下ＣＢＭ）を２０年以上にわたって供給するＣＢＭ長期販売契約を締結しました。

　ＱＣ　ＬＮＧは、世界初の非在来型ガスであるＣＢＭを原料とするＬＮＧプロジェクトであり、ＬＮＧプロジェクト向けのＣＢＭ長期販売契約締結は日本企業として初めてとなります。

　これに伴い、主要ガス供給源となるＣＢＭ鉱区ＡＴＰ６５１Ｐ（＊２）（当社１５％権益保有）につき、当社は権益取得対価を含め約３億豪ドル（約２４０億円）を投じて開発する方針を決定しました。

　ＱＣ　ＬＮＧは２０１４年にＬＮＧ生産開始を予定しており、日本の電力会社・ガス会社とＬＮＧ長期販売契約を締結しています。当社は、これに合わせたＣＢＭ開発・供給を通じて、日本のエネルギー安定供給と柔軟性の高いＬＮＧ調達の実現を目指していきます。

　当社は、豪州をガスバリューチェーン上流の最重要国の一つと位置付け、在来型・非在来型のガス探鉱・開発・生産権益の取得を実施してきており、今後とも日本向けＬＮＧバリューチェーン構築を目指した更なる事業投資、および、ガス需要の堅調な伸びが予想される豪州国内向けガス関連事業への更なる事業投資を、積極的に行っていく方針です。

（＊１）≪炭層メタンガス（ＣＢＭ）について≫
　石炭の生成過程で発生し石炭層に貯留された主にメタンから成るガスで、非在来型天然ガスに分類されます。用途は在来型天然ガスと同様で、米国、豪州では既に商業生産が行われています。豪州のＣＢＭ埋蔵は約３５０Ｔｃｆに及ぶとも言われる莫大な資源量が存在しており、豪州におけるＣＢＭを原料とするＬＮＧプロジェクトは、他２件のプロジェクトもＬＮＧプラント建設中であり、今後の更なる拡大が予想されます。

（＊２）≪ＡＴＰ６５１Ｐ鉱区について≫
　豪州Ｑｕｅｅｎｓｌａｎｄ州Ｓｕｒａｔ　Ｂａｓｉｎに位置するＣＢＭ鉱区。オペレーターはＢＧ　Ｇｒｏｕｐ１００％子会社ＱＧＣ　Ｐｔｙ　Ｌｔｄ（本社：ブリスベン市）。ＱＣ　ＬＮＧの初期段階の原料ガスの１０％以上の供給が見込まれる主要鉱区の１つ。２０１０年３月、当社は１００％子会社Ｔｏｙｏｔａ　Ｔｓｕｓｈｏ　ＣＢＭ　Ｑｕｅｅｎｓｌａｎｄ　Ｐｔｙ　Ｌｔｄ．を通じて、９８．５百万豪ドル＝約８０億円で同鉱区の１５％権益を取得。


≪Ｔｏｙｏｔａ　Ｔｓｕｓｈｏ　ＣＢＭ　Ｑｕｅｅｎｓｌａｎｄ　Ｐｔｙ　Ｌｔｄ　会社概要≫
　会社名：Ｔｏｙｏｔａ　Ｔｓｕｓｈｏ　ＣＢＭ　Ｑｕｅｅｎｓｌａｎｄ　Ｐｔｙ　Ｌｔｄ．
　本社所在地：豪州　ブリスベン市
　設立：２００９年
　代表者：稲角秀幸
　事業内容：ＡＴＰ６５１Ｐ鉱区権益の１５％を保有　ＣＢＭ鉱区探鉱・開発、ＣＢＭ生産・販売

≪Ｑｕｅｅｎｓｌａｎｄ　Ｃｕｒｔｉｓ　ＬＮＧプロジェクトの概要≫
　クイーンズランド州内のＣＢＭ鉱区で生産されるＣＢＭをパイプライン輸送し、グラッドストーン近郊に建設予定の液化設備にてＬＮＧ生産を行う事業計画で、ＢＧ　Ｇｒｏｕｐが同社子会社のＱＧＣ　Ｐｔｙ　Ｌｔｄを事業主体として推進しています。２０１０年１０月、プロジェクト最終投資判断（ＦＩＤ）が発表され、同年１１月、ＬＮＧプラント建設が開始されました。液化設備は当初２系列が計画されており、ＢＧ　Ｇｒｏｕｐによれば、当初２系列から約８５０万トン／年のＬＮＧが生産される予定です。

≪スキーム図≫
　※添付の関連資料を参照

≪鉱区位置図≫
　※添付の関連資料を参照