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帝人、熱可塑性CFRP製品のパイロットプラントを新設
量産型自動車への採用に向けた世界初の製造設備
熱可塑性CFRP製品のパイロットプラント新設について
帝人株式会社(本社:大阪市中央区、社長:大八木 成男)は、熱可塑性樹脂を使用した炭素繊維複合材料(CFRP)によるコンポジット製品の事業化を加速するため、世界初となる「炭素繊維からコンポジット製品の成形加工までを1分以内で連続一貫生産するパイロットプラント」を、松山事業所(愛媛県松山市)内に設置することとしました。
これにより、熱可塑性CFRPによるコンポジット製品の試作から性能評価までをより迅速に実施することが可能となり、さらに、形状が複雑な成形品や大型コンポジット製品の試作も容易になります。
当社は世界に先駆けて、既に熱可塑性CFRPによるコンポジット製品を1分以内で成形する量産技術を確立しています。また、コンポジット製品の量産成形技術に加え、独自のCFRP接合技術を用いることで、極限まで車体骨格を軽量化したオール熱可塑性CFRPのコンセプトカーを製作しており、これにより技術の実用性を訴求することでマーケット開拓を推進してきました。
当社が開発した技術は、自動車業界が求める理想的なタクトタイム*で、「炭素繊維からコンポジット製品の成形加工までを連続一貫生産できる」ことから、コンポジット製品の量産車への採用に向けて大きく貢献することができます。また、自動車用途に限らず、軽量化が求められる一般産業用途に向けても、幅広く展開していくことが期待されます。さらには、熱可塑性樹脂を用いることから、リサイクル性に優れていることも特徴になっています。
なお、このたびの設備投資額は20数億円で、速やかに着工し、2012年年央に稼働開始予定です。
当社は、当プラントを活用することにより、今後急成長が予想される自動車用途および一般産業用途におけるマーケット開拓を強力に推進し、CFRP製コンポジット製品事業におけるリーディングカンパニーの地位を確立していきます。
*タクトタイム:
工程作業時間のこと。稼働時間を必要数で除した値で求められる。自動車の生産におけるタクトタイムは1分前後と言われている。