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パイオニア、2014年3月期までの新・中期事業計画を策定
新・中期事業計画についてのお知らせ
当社はこのたび、2014年3月期までの新・中期事業計画を策定しましたので、以下のとおりお知らせします。
I.新・中期事業計画の骨子
当社では、新・中期事業計画の骨子として以下の4つを定めました。
成長戦略を推し進めるという従来からの目標に変更はなく、今回の新・中期事業計画は、この4つの骨子を基軸として推進してまいります。
1.既存事業の堅実な成長
2.新興国市場への進出と事業拡大
3.新規事業の開発
4.戦略的アライアンス戦略の推進
1.既存事業の堅実な成長
(1) カーエレクトロニクス事業
主力事業であるカーエレクトロクニス事業は、市販事業における継続した利益拡大と、さらにOEM事業における売上拡大と利益性向上を両立させることで、安定的かつ確実に毎期、増益を実現し、2011年3月期に5.5%であった営業利益率を、2014年3月期には6.6%まで高めます。
市販事業では、海外市場におけるカーCDプレーヤーの堅実な伸びと、各市場のニーズに合致したカーナビゲーションシステムのグローバル展開により、事業拡大を図ります。
OEM事業では、主要取引先との関係強化、新興国を中心としたカーディーラーチャネルにおけるビジネス拡大により、事業の拡大を図ります。
また、カーエレクトロニクス事業共通のコスト削減への取り組みとしては、開発での標準化や共有化によりハードおよびソフトの開発工数を低減することで開発効率を高めるほか、戦略パートナーとの協業の範囲を拡大することで開発費の圧縮を図ってまいります。
(2)ホームエレクトロニクス事業
ホームエレクトロニクス事業では、当期の課題であるホームAV事業を黒字化したあとは、全事業で利益を拡大させ増益を図ります。営業利益率は、2011年3月期の1.6%から2014年3月期には4.8%を目指します。
ホームエレクトロニクスは、ホームAV、DJ機器、光ディスクを中心に、売上および利益の拡大を計画しています。
中でも、ホームAV事業でダンサーオーディオ“STEEZ”のような市場創造型商品による商品ラインアップの拡充に加え、ODM(相手先ブランド設計・生産)の活用などによる継続したコスト削減を進めることで、黒字の定着と拡大を図ってまいります。
また、光ディスク事業は、ブルーレイディスクドライブの薄型化や多層化といった技術革新に加え、アーカイブ用途の需要拡大や、タブレットPC等の普及に伴う外付けディスクドライブの需要増加など、ビジネス機会の拡大をとらえて今後も売上拡大を図ってまいります。
2.新興国市場への進出と事業拡大
成長を続ける新興国で、当社の保有する「強み」を生かして各地域ごとの市場ニーズに適った地域別戦略を展開し、事業を拡大させてまいります。
前期は中国、当期はブラジルをターゲットとして事業拡大に取り組んできましたが、来期以降は、インドをはじめ、ロシア、アセアン、中南米、中東などでの事業拡大を目指します。
また、将来的に有望な市場であるアフリカでの開拓準備も進めてまいります。
3.新規事業の開発
さらなる成長のためには、カーエレクトロニクス、ホームエレクトロニクスに次ぐ第3、第4の事業を立ち上げることが急務です。新規事業の開発に当たっては、「新たな需要をもたらす新規事業の創造と拡大」と「新規分野への事業参入と育成」という2つの方針を掲げています。
「新たな需要をもたらす新規事業の創造と拡大」については、現在の事業ラインをより拡大すべく、2つの方向性で展開していきます。一つ目の方向性は『“ハード・ソフト+情報サービス”による、新しいユーザー価値の提供』です。これは価値創造をハード単体だけでなく、ソフトや情報・サービスという無形の要素を加えたトータルでの価値提案を行うものです。すでに、カーエレクトロニクスではスマートフォン連携のカーナビゲーションビジネスを開始していますが、今後はホームエレクトロニクスでも独自の発想で取り組んでまいります。もう一つの方向性は『AVと異分野の融合による、新たな音楽文化の創造』です。例えば、本年10月に発売したダンサーオーディオ“STEEZ”は、AV文化とストリートダンス文化を融合し、いつでも、どこでも仲間と一緒にダンスを練習できる、という新しいスタイルを提案したものです。
「新規分野への事業参入と育成」については、当社が参入していない他分野に進出することで、新たな事業ラインを築いてまいります。具体的には、カーナビゲーション技術を活かした自転車関連機器事業や、ブラジルでのEMS(電子部品受託製造)・部品事業などに注力してまいります。また、中期的な展開としては有機EL照明事業、電気自動車時代に向けたEV(電気自動車)関連事業、そして今後、極めて大きな市場が見込まれる医療・健康機器関連事業など、当社が保有する技術を活用することで、未経験の様々な他分野に参入し、新規事業を育成してまいります。
4.戦略的アライアンス戦略の推進
戦略パートナーとのアライアンスの推進は、新・中期事業計画実現のための主要な取り組みの一つであり、当社のさらなる成長に向けて今後も一層精力的に取り組んでまいります。
そのためにも、現在の協業の強化に加え、さらなるアライアンスも視野に入れて積極的に取り組んでまいります。
※ 「II.数値計画」など詳細は、関連資料参照