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東京ガスと日本サーモエナー、潜熱回収型真空式ガス温水ヒーターを共同開発
世界初の「潜熱回収型真空式ガス温水ヒーター」の開発について
東京ガス株式会社(社長:岡本毅)と株式会社日本サーモエナー(社長:榊本貞良)は、真空式ガス温水ヒーターに装備する潜熱回収器を共同で開発し、基本仕様を決定しました。平成23年4月から、世界初(※1)の「潜熱回収型真空式ガス温水ヒーター」を販売します。
真空式ガス温水ヒーターは、給湯需要の大きな業務用のお客さま向けに給湯や暖房用のお湯を供給するガス温水ボイラーの一つです。取り扱いに免許や資格を必要とせず、耐久性に優れていることから、フィットネスクラブや温浴施設等で広く導入されています。これまで排気ガス中に含まれる潜熱は未利用のまま外気に放出していましたが、潜熱回収器を装備して熱を有効に利用することによって、従来の真空式ガス温水ヒーターでは最高で95%だった熱効率(※2)を105%に向上させ、真空式ガス温水ヒーターで最高(※3)の熱効率を実現します。
「潜熱回収型真空式ガス温水ヒーター」は、潜熱を回収するとともに、負荷の変動に応じてバーナーの出力を連続的に変えることができる比例制御燃焼方式を採用したことで、年間の一次エネルギー消費量を1割以上削減することを見込んでいます。
両社は今後、「潜熱回収型真空式ガス温水ヒーター」の最終性能試験や販売準備を進め、平成23年4月から株式会社日本サーモエナーが製品化し、販売します。両社は、フィットネスクラブ、温浴施設、病院、老人福祉施設等のお客さまに「潜熱回収型真空式ガス温水ヒーター」をご提案し、低炭素社会の実現に貢献してまいります。
※1:平成22年11月8日現在(日本サーモエナー調べ)
※2:低位発熱量基準
※3:平成22年11月8日現在(日本サーモエナー調べ)
【 「潜熱回収型真空式ガス温水ヒーター」の主な特長 】
(1)潜熱を回収することで高い熱効率を実現
潜熱回収器は、排気ガス中の水蒸気から潜熱という未利用エネルギーを回収するものです。水蒸気から潜熱を回収するとドレン水(※4)が生じますが、潜熱回収器の熱交換器にドレン水が付着すると、排気ガスからの熱回収効率が低下します。今回共同開発した潜熱回収器は、内部の排気ガスの流れを工夫し、ドレン水を効率的に取り除くことで、高い熱効率を実現しました。
※4:ドレン水とは、潜熱回収時に排気ガスが熱を奪われ、温度が下がることにより、排気ガス中の水分が結露したものです。排気ガスに含まれる成分(主にNOx)によって酸性(pH3)になっていますが、中和器で中和したドレン水(pH6〜7)として、機器外に排水します。
(2)比例制御燃焼方式の採用による高効率化
バーナーの出力を100%から20%まで連続的に変えられる比例制御燃焼方式を採用しました。比例制御燃焼方式でない場合はバーナーの起動と停止によって負荷の変動に対応しますが、比例制御燃焼方式では負荷が定格の20%になるまでバーナーを停止する必要がないため、起動と停止の繰り返しによる効率の低下を抑えることができます。
(3)分割搬入・後付け対応
真空式ガス温水ヒーターの本体部分と潜熱回収器を分割して搬入することができ、搬入経路がせまい場所にも設置が容易です。
【 基本仕様(目標仕様) 】
型 式 :GTLH−500
缶体出力 :581kW
燃料ガス消費量:554kW
熱効率 :105%
電 源 :三相AC200V
寸 法 幅 :1,230mm 奥行き2,455mm 高さ2,050mm
乾燥重量 :2,500kg
※都市ガス13A仕様の値。
※燃料ガス消費量と熱効率は低位発熱量基準。
【 システム原理図 】
※添付の関連資料を参照
<真空式ガス温水ヒーターについて>
大気圧より低い圧力に密閉されたタンクに保有される水(熱媒水)が加熱され、約80℃で沸騰した後、熱交換器において凝縮により給水を間接的に加熱して温水を取り出す構造のガス温水ボイラーです。熱媒水に圧力がかかっていないので「ボイラー及び圧力容器安全規則」の適用を受けず、免許や資格を必要とせず誰でも取り扱うことができます。また、真空密閉構造のため、機器内部の腐食が非常に少なく長寿命です。
<潜熱回収器について>
バーナーの燃焼排気で、真空式ガス温水ヒーターへの給水を予備加熱します。
【 試作機外観 】
※添付の関連資料を参照
以 上