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NTTデータ経営研究所、応用脳科学R&D研究会「ニューロデザイン研究会」を発足

2011-11-18

応用脳科学コンソーシアム
株式会社NTTデータ経営研究所が主催する
応用脳科学R&D研究会「ニューロデザイン研究会」を発足
〜脳科学による商品デザイン・プロセスの革新を目指す〜


 株式会社NTTデータ経営研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:豊田充、以下当社)は、2011年11月より、当社が事務局を務める応用脳科学コンソーシアム(※1)(英文名:Consortium for Applied Neuroscience、略称名:CAN)において、応用脳科学R&D研究会「ニューロデザイン研究会(以下、本研究会)」を主催・発足しました。

※1:応用脳科学コンソーシアムとは、当社が日本神経科学学会の協力を得て設立した、オープンイノベーションモデルのコンソーシアムで、20社を超える異業種の民間企業と異分野の研究者が一堂に会し、脳科学およびその関連領域の最新の研究知見を基盤に、「研究開発」「人材育成」「人材交流および啓発」に取り組み、複数のR&D研究会のもと幅広い研究活動を進めています。
 応用脳科学コンソーシアムWebサイト:http://www.keieiken.co.jp/can/


【背景】
 当社は、グローバル・カンパニーにおける商品デザイン・プロセスへの脳神経科学の応用事例に関する調査研究を進め、そのプロセスや成功要因等を分析してきました。この調査結果に基づき、当社は「ニューロデザイン研究会」を主催・発足し、株式会社国際電気通信基礎技術研究所 脳情報研究所の神谷之康室長をはじめ、メーカや広告代理店等といったさまざまな分野に属する、7業種13社の企業にご参加いただき、日本発の商品デザイン・プロセスの革新を目指します。


【ニューロデザイン研究会の目的について】
 近年、グローバル・カンパニーを中心に、商品デザイン・プロセスに脳神経科学、心理学等の知見を活用する動きが活発化しています。これは、従来、経験豊かなデザイナーやマーケティング責任者等の主観によって決められていたデザインを、エビデンスに基づいた客観的な商品デザイン・プロセスへ革新させることにより、より消費者にアピールするデザインの創出を図るものです。これにより、将来的にはグローバル市場において、各国の文化や嗜好に合わせたデザインの創出を目指します。

 当社は、このような脳科学の知見を基にしたデザイン創出手法の確立をニューロデザイン戦略というコンセプトでとらえ、関係するグローバル・カンパニーの事例研究を積み重ねてきました。その結果、脳神経科学の活用レベルの違いから、ニューロデザイン戦略は以下3つに分類できることが明らかとなりました。

■Level 1:デザイン認知の洞察への活用
 特定のデザインに対する脳の反応を計測することで、ヒトがそのデザインに対しどのように認知するかを明らかにするレベル。これにより、商品パッケージやCM等のデザインがどのように認知されるかを理解し、その知見を活用することで、客観的な評価を基に、ユーザの無意識的な判断にも配慮したデザイン作成が可能となります。

■Level2:デザイン効果の予測への活用
 さまざまなデザインに対する脳活動に加え、行動データ(購買した、手に取った等)等を同時に分析することで、新たに設計したデザインの売り上げやブランド力等を予測するレベル。これにより、作成したデザインはどの程度売り上げが見込めるか、またどのようなマーケットセグメントに受け入れられるかといった効果の予測が可能となります。

■Level3:インタラクティブなデザイン・プロセス構築への活用
 蓄積された脳情報とデザイン効果を基に、商品デザインを策定するレベル。これにより、既存のデザイン・プロセス全般を、脳情報を活用したインタラクティブなデザイン・プロセスに革新させることで、より大きなデザイン効果が期待でき、かつ効率的なデザインの策定が可能となります。


 グローバル・カンパニーの事例では、ニューロデザイン戦略の展開にあたり、これらレベルを段階的に進展させています。本研究会においても、本年度はまず「Level1:デザイン認知の洞察」の成果を導出することを目指します。

 また、本研究会は、オープンイノベーションを目指し異業種の企業により形成される応用脳科学コンソーシアムの中に設置されるため、異分野のさまざまな商材等に対する脳活動を蓄積することが可能です。加えて、本研究会では日本が強みを保有する計算論的神経科学による「脳情報デコーディング技術(※2)」を活用します。これらにより、既に脳科学を商品デザイン等に活用しだしているグローバル・カンパニーに対しても競争力を保有するニューロデザイン戦略の構築を目指します。

※2:脳情報デコーディング技術とは、脳情報を解析することで人の認知状態や主観的な意識や意図、さらには無意識下の情報までを読み出す技術のことです。脳神経科学分野においても、近年著しい発展を遂げている分野であり、世界的にも日本の技術が評価されています。


 以上を踏まえ、本年度の本研究会では、世界的にも先進的な「計算論的神経科学による脳情報デコーディング技術」を保有する、株式会社国際電気通信基礎技術研究所 脳情報研究所の神谷之康室長にご参画をいただき、「Level1:デザイン認知の洞察」の成果として、脳情報デコーディング技術によって捉えた脳の情報処理形態を基に、さまざまなデザインを分類するニューロデザイン系統樹を構築します。

 このようなニューロデザイン戦略を推進することで、脳科学的なアプローチによる異なる文化への対応が可能となるため、日本企業のグローバル展開においても重要な技術開発になると考えられます。そのため、将来的にはグローバルな消費者の脳情報を蓄積することも想定しています。


【ニューロデザイン研究会への参加企業一覧】(2011年11月15日時点) ※五十音順。

■飲料メーカ
 アサヒビール株式会社(本社:東京都墨田区、代表取締役社長:小路明善)
 キリンホールディングス株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:三宅占二)
 サッポロビール株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:寺坂史明)

■自動車・自動車用品メーカ
 株式会社カーメイト(本社:東京都豊島区、代表取締役会長 兼 社長:村田隆昭)

■広告代理店・印刷会社
 株式会社アサツーディ・ケイ(本社:東京都中央区、代表取締役社長:清水與二)
 大日本印刷株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:北島義俊)
 凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金子眞吾)
 株式会社博報堂(本社:東京都港区、代表取締役社長:戸田裕一)

■情報・通信
 株式会社NTTデータ(本社:東京都江東区、代表取締役社長:山下徹)

■ゼネラルコントラクター
 株式会社竹中工務店(本社:大阪市中央区、取締役社長:竹中統一)

■素材メーカ
 帝人株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長執行役員CEO:大八木成男)


※その他大手民間企業2社が参加予定。
※事務局は株式会社NTTデータ経営研究所が担当。


【ニューロデザイン研究会への参加について】
 応用脳科学コンソーシアムは、異業種連携によるオープンイノベーションを一層推進するために、引き続きニューロデザイン研究会への参加企業を募集しています。ニューロデザイン研究会への参加には、応用脳科学コンソーシアムの特別会員(※3)またはR&D研究会員(※4)となる必要があります。

 詳しくは応用脳科学コンソーシアムWebサイト:http://www.keieiken.co.jp/can/をご覧ください。

※3:特別会員は、ステアリングコミッティの構成委員として、応用脳科学コンソーシアムの運営において中心的な役割を果たします。また応用脳科学R&D研究会を1つ主催する権利や、他社が主催する応用脳科学R&D研究会への参加希望ができる権利があります。さらに応用脳科学アカデミーや応用脳科学ネットワークに参加することができます。特別会員のコンソーシアム会費は、450万円/年(初年度は別途入会金150万円が必要)です。

※4:R&D研究会員は、応用脳科学R&D研究会に1つ参加することができます。さらに応用脳科学アカデミーや応用脳科学ネットワークに参加することができます。R&D研究会員のコンソーシアム会費は、原則150万円/年(初年度は別途入会金50万円が必要)です。


以 上

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