大日本印刷、金融機関など向け「窓口業務支援ソリューション」を販売開始

金融機関の新規口座開設業務を効率化し、Ｓｍａｒｔ　Ｂｒａｎｃｈを目指す「窓口業務支援ソリューション」を発売

申込書記入・本人確認・カード即時発行をスピーディーに処理して顧客の利便性も向上


　大日本印刷株式会社（本社：東京　社長：北島義俊　資本金：１，１４４億円　以下：ＤＮＰ）は、金融機関などの新規口座開設に関わる窓口業務をトータルにサポートする「窓口業務支援ソリューション」の販売を開始します。

　このソリューションは、アノト方式デジタルペン（＊１）と専用の申込書で手書き文字を瞬時にデジタルデータ化する仕組みと、運転免許証などを読み取り本人確認を行うマルチカードスキャナーを組み合わせた「口座開設申し込みシステム」と「ＩＣキャッシュカード即時発行システム」で構成されます。新規口座開設の一連の業務を簡便化するとともに、迅速で正確な申し込み手続きが可能となるため、窓口業務の効率化と顧客利便性の向上を図ることができます。

　なお、ＤＮＰは本ソリューションを２０１１年１０月１９日より東京国際フォーラムで開催される『金融国際情報技術展（ＦＩＴ２０１１）』のＤＮＰブースにて展示します。

【開発の経緯】
　ＤＮＰは２０１０年１０月、金融機関向けに、店頭で口座開設の申し込みを受け付け、ＩＣキャッシュカードをその場で顧客に渡せる「ＩＣキャッシュカード即時発行システム」を開発しました。２０１１年２月には、付与された認証番号の盗み見を防ぐ目隠しシールなどで安全性を高めインターネットバンキングカードにも対応したＩＣキャッシュカード即時発行用カードプリンターも開発しました。また５月には、デジタルペンとマルチカードスキャナーを組み合わせた「口座開設申し込みシステム」を開発しています。今回は、これらのシステムを活用してより効果を高めたソリューションを提供します。

【システムの概要】

口座開設申し込みシステム
　本システムは、アノト方式デジタルペンとこれに対応する専用の電子フォーム申込書、本人確認マルチカードスキャナー（＊２）、タッチパネル式タブレットパソコンで構成しています。口座開設の申し込み時に、顧客が申込書にデジタルペンで記入した文字情報が、リアルタイムでデジタル化されて、申込書と同じ体裁の電子フォームのデータとして保存されます。記入漏れなどの不備があれば自動的にチェックされ、記入ミスを防止します。また、運転免許証などの公的認証カードをマルチカードスキャナーで読み込み、本人確認を行います。公的認証カードから氏名や住所などのデータを取り込むことも可能で、顧客の記入負荷を軽減できます。

ＩＣキャッシュカード即時発行システム
　本システムは、ＤＮＰが運用するＣＤＭＳ（Ｃａｒｄ　Ｄａｔａ　Ｍａｎａｇｅｍｅｎｔ　Ｓｅｒｖｉｃｅ）センターと金融機関の店舗をネットワークで結び、店舗の口座開設申し込みシステムから送った顧客情報を元にＣＤＭＳセンターでＩＣカード発行用のデータ処理を行い、店舗に設置した発行機でＩＣキャッシュカードを即時発行するものです。カード裏面への目隠しシール貼付と、プリンター内のインクリボンに残る認証番号などの文字の判別を不能にする機能によりセキュリティ機能を高めており、インターネットバンキング一体型のＩＣキャッシュカードも発行できます。

【価格（税抜き）】

■座開設申し込みシステム
　・口座申し込みシステム：
　５０万円／式　（内訳はアノトペン　１本、マルチカードスキャナー　１台、タブレットＰＣ１台となります。）

■ＩＣキャッシュカード即時発行システム
　・ＡＳＰ月額利用料：１２０万円〜
　・ＩＣキャッシュカード即時発行機：１００万円／台
　＊初期開発費と保守費用等は別途

【今後の展開】ＤＮＰは、「顧客サービスを実現する次世代店舗　〜Ｓｍａｒｔ　Ｂｒａｎｃｈ〜」をコンセプトとし、その第１弾として本システムを金融機関に販売し、今後５年間で約５０億円の売上げを見込んでいます。

　
（＊１）：アノト方式デジタルペン：スウェーデンのアノト社が開発し、商用に提供している技術。デジタルペンで手書きする際に、用紙に印刷された特殊な配列の小さな「ドットパターン」をペン先の内蔵カメラで読み取り、手書きの文字や図の筆跡をデータとして記録・再現する方式です。専用紙には１枚１枚固有のドットパターンが印刷され、どの帳票に書いた情報かが識別できるとともに、デジタルペンの固有のナンバーや記入日時などの情報が保存されるため、データの偽造や改ざんを防止し、情報セキュリティの高い安全な運用を実現します。

（＊２）：本人確認マルチカードスキャナー：ＩＣ運転免許証および住民基本台帳カードのＩＣのデータを読み取り、そのカードの真贋判定を行うシステムです。ＩＣデータの読み取りと同時にカードの表裏の券面をスキャンする機能があるため、業務の効率化を図ることができます。


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