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J&J、アブレーション治療用イリゲーションカテーテルの心房細動・心室頻拍に対する適応追加承認を取得

2011-10-18

頻脈性不整脈の根治治療法
「アブレーション(心筋焼灼)(*1)治療」用イリゲーションカテーテル「NAVISTAR(R)THERMOCOOL(R)」における
心房細動、心室頻拍に対する適応追加承認を、2011年10月5日に取得
〜国内約100万人の心房細動患者さんのQOL向上を目指す〜



 ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社メディカル カンパニー(本社:東京都千代田区、代表取締役プレジデント:デイビッド・W・パウエル)は、頻脈性不整脈の根治治療の一つであるアブレーション治療用イリゲーションカテーテル「NAVISTAR(R)THERMOCOOL(R)」(販売名:ナビスター サーモクール)の心房細動(*2)、ならびに心室頻拍(*3)の適応追加について2011年10月5日(水)付で厚生労働省より承認を取得いたしました。


 ※製品画像は添付の関連資料を参照


 「ナビスター サーモクール」は、頻脈の原因となる心筋を焼灼する際に、カテーテルの先端から生理食塩液を灌流しながら通電し、標的病変を冷却しながら焼灼することで、過度な温度上昇を防止し、血栓形成リスクを低減させるイリゲーションカテーテルです。心腔内の形態を立体的に認識する当社の3Dマッピングシステム「CARTO(R)システム」(*4)との併用で、より高精度な解剖情報による適切な診断と通電部位の決定、さらに安全なカテーテル操作を行い、不整脈の原因となる心筋を正確に焼灼します。日本において、2009年7月の発売以降、I型心房粗動に適用され、不整脈の治療をサポートしてまいりました。

 この度、このナビスター サーモクールに、心房細動(*2)と心室頻拍(*3)の適応が追加されました。

 心房細動は、不整脈の中でも特に患者さんの多い疾患で、日本での患者さんは約100万人(*5)(発作性・慢性を含め)と推定されています。また、心房細動は特に加齢とともに増加するとされていますが、その発症率は60代の男女では人口の1%、70代では2.1%となり、発症率の高い男性を見ると、60代では1.9%、70代では3.4%となっています(*6)。また、超高齢社会に突入した日本では心房細動の患者さんは今後増えていくと考えられています。心房細動は、それ自体が致命的な疾患ではありませんが、持続することで、心房内に血栓ができやすくなり、その血栓が心原性脳梗塞など重篤な疾患を引き起こす原因となります。脳梗塞の約30%が心原性のものであると考えられています。(*7)

 弘前大学大学院医学研究科 循環呼吸腎臓内科学講座 奥村謙教授は、「心房細動の患者さんには、抗不整脈薬治療では効果が得られなかった方が多くいらっしゃいましたが、『ナビスター サーモクール』の心房細動治療への適用が承認されることにより、安全に確実にアブレーション治療を行うことができるようになり、心房細動を根治治療することで、脳梗塞の発生リスクを低減させる可能性が期待され、患者さん及びそのご家族の皆様のQOL(生活の質)の向上を期待します。」とコメントしています。

 一方、心室頻拍とは、頻脈性不整脈の中でも特に心臓のポンプ機能が低下するため、場合によっては意識の消失や突然死に至ることもある、重篤な不整脈です。心室頻拍に対しては現在、抗不整脈薬や植込み型除細動器による治療が行われていますが、抗不整脈薬の効果が十分ではなかったり、植込み型除細動器の作動によるQOLの低下が問題になる場合があります。

 この心室頻拍へのカテーテルアブレーション治療の適応追加により、深刻な不整脈で困っている患者さんに対し、新しい治療オプションを提供できるようになります。

 横浜労災病院 不整脈科 野上昭彦部長は、「この『ナビスター サーモクール』の心室頻拍に対するカテーテルアブレーションの適応追加により、患者さんは薬剤、植込み型除細動器に次ぐ新たな治療オプションが増える事になります。それにより、今まで治療が困難であった心室頻拍や、植込み型除細動器の頻回作動に悩まされていた患者さんのQOL向上に役立つが期待されます。」とコメントされています。

 当社では、心房細動と心室頻拍に対するカテーテルアブレーションの適応承認取得によって、頻脈性不整脈の根治療法であるアブレーション(心筋焼灼)治療を通じ、患者さんのQOL(生活の質)の向上に貢献して参ります。


*1 主に、頻脈性不整脈の根治治療として用いられます。足の付け根の静脈や動脈から心臓内に挿入した電極カテーテルを、頻脈性不整脈の原因となっている異常興奮の発生部位や興奮旋回の通路に置いて、カテーテルの先端電極から高周波電流を流して、その部分を焼灼【しょうしゃく=アブレーション】し、頻脈性不整脈を根治するという治療法です。手術で開胸することがないため、患者さんの身体への負担が少ない治療法です。
*2 心房細動の適応:薬剤不応性症候性の発作性及び持続性心房細動
*3 心室頻拍の適応:他の治療が奏功しない心室頻拍
*4 CARTO(R) XPシステム及び、CARTO(R) 3 システム
CARTO(R) 3 システムとは、2010年8月5日に薬事承認取得した3Dマッピングシステム。磁場と電位を利用することで、心臓全体を3D画像で表示し、不整脈の診断・治療を支援するシステム(販売名「バイオセンスCARTO 3」、承認番号「22200BZX00741000」)
*5 Ohsawa M,et al.:J epidemiol 2005;15:194−196
*6 日本循環器学会疫学調査 Inoue H,Fujiki A,Origasa H,Ogawa S,Okumura K,Kubota I,et al.Prevalence of atrial fibrillation in the general population of Japan:An analysis based on periodic health examination.Int J Cardiol 2008(e−Pub)
*7 脳卒中データバンク(Japanese Standard Stroke Registry Study:JSSRS)



※以下、製品特長などリリースの詳細は添付の関連資料を参照


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