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フリースケール、車載インテリジェント・ノード市場に貢献する統合型テクノロジーを発表
フリースケール、インテリジェントな車載ネットワーク・アプリケーションを実現する
新しい統合型テクノロジを発表
車内ネットワークの直接接続とシステム・コスト削減を可能にする
S12マイクロコントローラのシステム・イン・パッケージ(SiP)デバイスとLL18UHVテクノロジ
2010年11月2日 − フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン株式会社(本社:東京都目黒区下目黒1−8−1、代表取締役社長:ディビッド M. ユーゼ)は、急速に成長する分散された車載インテリジェント・ノード市場に貢献する次世代技術を発表しました。既存のS12マイクロコントローラのシステム・イン・パッケージ(SiP)製品ファミリと、新しい統合型「LL18UHV」テクノロジによるモノリシック・デバイスは、ウィンドウ操作やサンルーフ、モータ制御など、所要スペースとコストをできる限り抑える必要のあるアプリケーションにおいて、技術面とコスト面のニーズを同時に満たします。
従来の自動車エレクトロニクス設計では、高電圧プロセスで製造されたバッテリおよびパワー・アクチュエータ出力に接続するデバイスと、低電圧デジタル・ロジック・プロセスで製造されたマイクロコントローラの複数のデバイスが必要とされていました。このため、最終製品の物理的スペースに制約があると問題が生じます。フリースケールは、この課題を克服するべく、2つのアプローチを提供します。
・ 現行:全く別のプロセスで製造された個々のマイクロコントローラとアナログ/ミックスド・シグナル・チップを単一のパッケージに統合するSiPソリューション。
このSiPデバイスは、2チップ構成(デュアルダイ・ソリューション)となり、高電流が必要な場合に最適です。
・ 次世代:高電圧アナログと、不揮発性メモリ(NVM)、デジタル・ロジックを単一のシリコン・チップ上に統合可能としたLL18UHVテクノロジによるモノリシック・デバイス。費用対効果に優れた新技術により実現し、低消費電流が求められるアプリケーションに適しています。
フリースケールのオートモーティブ・マイクロコントローラ製品担当ディレクターであるレイ・コーニンは、次のように述べています。「現在利用可能なS12ベースのSiPデバイスと新しく発表されたLL18UHVテクノロジにより、フリースケールは、自動車ボディ・ネットワーク向けの強力なロードマップを提供します。この新プロセス技術は、間違いなく自動車ボディ向けマイクロコントローラの現状を打破するものとなるでしょう。」
車載ネットワーク市場では、ローカル・インターコネクト・ネットワーク(LIN)接続ノード分野が急速に成長しており、フリースケールは、次世代LL18UHVテクノロジによりこの市場のニーズに応えます。LL18UHVテクノロジは、信頼性に優れたフリースケールの低リーケージ0.18μm製造プロセスを利用して、不揮発性メモリ、デジタル・ロジック、ならびに40Vアナログを単一のシリコン・チップ上に統合します。
フリースケールでは、LL18UHVテクノロジをベースとする包括的なAEC−Q100認証製品ファミリの開発を計画しており、具体的な製品の発表を来年に予定しています。新製品は、マイクロコントローラや車載電圧レギュレータ、LINおよびCAN物理層、モータ・ドライバなどを単一のチップに統合し、自動車アプリケーションに求められる要件を満たしつつ、全体的なシステム・コストを削減します。各パーツは、共通のCPUおよびデジタル・ペリフェラル・セットと共通のアナログ特性を備えています。
MM912F634の概要
費用対効果に優れたフリースケールのS12ベースIDC(Intelligent Distributed Control)製品ファミリの最新デバイスであるMM912F634ファミリは現在出荷中です。
MM912F634ファミリは、AEC−Q100認証を取得しており、ウィンドウ操作のような分散制御型アプリケーションにおいてコストとスペースの削減に貢献します。このSiPデバイスは、フリースケールの0.25μm SMARTMOS8 MVテクノロジで製造されたチップと、業界をリードするS12マイクロコントローラを組み合わせています。
製品の特長:
・ 32KBのFlashメモリと2KBのRAMを搭載したフリースケールの高性能16ビットS12CPU
・ 1つの内部RC発振器、2つの自律型ウィンドウ・ウォッチドッグ(専用発振器付き)、1つのリアルタイム割込みモジュール
・ 障害検知および低電圧リセット(LVR)回路を備えたカスケード式低ドロップアウト電圧レギュレータ(5Vおよび2.5V)
・ LIN 2.1物理層インタフェース
・ 誘導性負荷を駆動する2つの保護ローサイド出力、2つの保護ハイサイド出力、6つの高耐圧入力(デジタル/アナログ入力対応、ウェイクアップ機能付き)
・ 低電圧警告を備えたバッテリ電圧検知、逆接保護、設定可能なサイクリックセンス、ならびに強制ウェイクアップ機能
・ ゲインが選択可能な電流検知モジュール
・ チップ温度センサ(ADCチャネルで読み取り可能)
・ 切り替え可能な18V電圧レギュレータとして実装されるホール・センサ用電源
・ 6つの5Vデジタル汎用I/O(SPIと共有)、3つの5Vデジタル/2.5VアナログI/O(16ビット・タイマと共有)、2チャネルPWM、10ビットADC、選択可能なプルアップ抵抗を持つSCI
供給
MM912F634ファミリは車載向けの認証を取得しており、サンプルの出荷を開始しています。1万個購入時の1個あたりの参考価格は4.07ドル(USD)からで、さまざまなパッケージと動作周波数のオプションが用意されています。車載用認証に対応したLL18UHVベースの製品は、2011年の初めにサンプル出荷を開始する予定で、量産開始は2012年の中頃を予定しています。MM912F634ファミリは、フリースケールの長期製品供給プログラム(Product Longevity Program)の対象となっており、最低15年間の供給体制が保証されます。諸条件の詳細については、 http://www.freescale.com/productlongevity のWebサイトをご覧ください。
フリースケール・セミコンダクタについて
フリースケール・セミコンダクタ・インクは、自動車用、民生用、産業用、およびネットワーキング・マーケット向け組込み用半導体のデザインと製造の世界的リーダーです。フリースケールは、テキサス州オースチンを本拠地に、世界各国で半導体のデザイン、研究開発、製造ならびに営業活動を行っています。詳細は、 http://www.freescale.com (英語)、または http://www.freescale.co.jp/ (日本語)をご覧ください。
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Tel: 0120−191014
Email: support.japan@freescale.com
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