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富士キメラ総研、エコ・セーフティー住宅用建材・機器の国内市場調査結果を発表

2011-10-13

20年5兆円規模に 創エネ・省エネ機器中心の
エコ・セーフティー住宅用建材・機器の国内市場を調査
−2020年建材・機器市場規模推移・予測−
 ●4分野全体市場  5兆5,558億円(10年から10年間平均伸び率   9.0%)
 ●創エネ・省エネ   4兆6,840億円(10年から10年間平均伸び率  12.3%)
 ●断熱・遮熱        6,684億円(10年から10年 間平均伸び率  0.1%)
 ●防 災           1,208億円(10年から10年間平均伸び率   0.6%)


 マーケティング&コンサルテーションの(株)富士キメラ総研(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 田中 一志03−3664−5839)は、2011年7月〜8月の間に、東日本大震災を契機にした電力不安などから、いっそう創エネ、省エネ市場の拡大が見込まれるエコ・セーフティー住宅の市場を調査した。
 調査では、国内の市場で使用されている対象品目を4分野に分けて、創エネ・省エネ分野14品目、断熱・遮熱分野13品目、防災分野6品目それに防犯分野7品目の合計40品目を対象とした。そして、品目別に市場規模推移、参入企業動向、需要先・用途動向、採用素材動向、技術開発状況、問題点・課題などの分析を行った。また、ハウスメーカー、ディベロッパーの取組や、建材・機器ニーズ、エコ・セーフティー住宅に対する考え方をまとめて、エコ・セーフティー住宅および建材・機器の今後の方向を明らかにすることを目的とした。
 このほど、この調査結果を報告書「2011年 エコ・セーフティー住宅建材・機器市場の将来展望」にまとめた。


<調査結果の概要>

 ※「エコ・セーフティー建材・機器4分野の市場」表は添付の関連資料を参照

 住宅着工戸数は、景気変動により縮小を続けて、09年はリーマンショックの影響を受け80万戸を割るところまで減少した。しかし新築数、建て替え数および空き家数の増加により、現状は80万戸程度を維持している。今後も15年までは微増で推移すると考える。
 着工数が伸び悩む中、エコ・セーフティー住宅建材・機器の全体市場は拡大すると予測する。その背景には、政府の後押し(次世代省エネ基準、長期優良住宅、フラット35s、各種電池関連への助成金、エコポイントなど)がある。特に創エネ関連が市場を牽引しており、震災後の電力不安が市場の追い風となっている。太陽電池や燃料電池は導入されて間もないため普及率が低く、潜在需要はまだまだ大きく20年まで高成長すると予測した。
 全体市場は15年に約4.7兆円、20年には約5.6兆円に達する。市場拡大の最大要因は10年で1兆4,722億円の創エネ・省エネ機器類であった。前年比55.4%増と急速に拡大しており、15年までの平均成長率は20.8%と予測した。高単価で普及率が低いため、高成長が見込まれる。また政府による助成金(燃料電池の11年度第一期募集では、最大105万円/台の補助)が大きい。
 さらに、東日本大震災による原発問題から電力不安が生まれ、創エネ機器ニーズが高まっている。これまでの省エネやCO2削減といった成長要因に、電力不安が上乗せされている。防災関連は、短期的には関心が高まるにしても中長期的にはどこまで普及するか難しい。
 遮熱材は、今後も高成長が予測されるが、断熱材は横這いのまま、新築住宅着工戸数の影響を受け15年以降は微減に転じる。すでに新築物件に標準的に採用されているため、概ね住宅着工数に比例すると予測する。
 対象40品目の建材・機器のうち、成長率が高い品目は、創エネ・省エネ分野の製品である。スマートグリッドの推進やインフラ整備の前倒しでここ数年市場が立ち上がったスマートメーターや原発問題に端を発した電力不安と政府助成金による燃料電池などの急成長を予測する。
 温室効果ガス削減(CO2削減)やエコ、省エネ関連の製品に対するニーズは、国内外問わず急速に高まっている。また、東日本大震災の影響による、電力不安や原発問題から、太陽電池など再生可能エネルギーや燃料電池、蓄電池などに注目が集まって成長している。断熱・遮熱や防犯・防災分野は、一部製品は拡大基調であるが、創エネ・省エネ分野に比べ成長率は低い。

 今後、ハウスメーカー・デベロッパー各社は住宅の長寿命化が進む中で、大幅な着工数の増加は期待しにくく、一棟当たりの住宅の高付加価値化を進め、ユーザーの満足度の向上や、一棟当たりの高価格化を進める。今後は創エネ・省エネ分野に最も力を入れる。各種施策や補助金もあり、消費者の認知度が向上し、さらに省エネ意識の高まりから太陽光発電やエコキュートを始め関連機器の需要が伸びており、引き続き増加が期待できる。各社は、製品単体に加えて、複数製品を組み合わせた住宅システムを発売している。例えば、太陽光発電は曇りや夜間では発電量が低下するが、燃料電池を組み合わせて電力の安定供給が出来る。蓄電池を組み合わせて発電した余剰電力をストックし、さらに電力供給を安定させる。3つを組み合わせたシステムは、戦略商品として徐々に需要を伸ばしていくとみられる。
 遮熱分野では、遮熱塗料やウインドウフィルム(現状はオフィスビルや商業ビル中心)も、節電/省エネ意識の高まりから需要増加が見込まれ、”断熱”+”遮熱”は今後も訴求点のひとつとなる。


<注目される品目別需要の市場推移>
●ヒートポンプ式温水床暖房(創エネ・省エネ分野)
15年予測 374億円(10年からの平均成長率19.0%) 220万m2(同19.0%)
 10年の市場は、92万m2、157億円(パネル価格)であった。この機器は、オール電化住宅の伸びに伴う需要拡大に加え、省エネ意識の向上、省エネ法の強化、住宅エコポイントの実施などにより住宅着工数が減少する中、需要が拡大している。また、ガスや灯油を熱源とする床暖房と比較して低ランニングコストが評価され、他方式から切替需要も増加している。
 また、従来使用されてきたリビングやダイニング以外にも、寝室や洗面所などほかの部屋にも設置が拡大している。この製品は住宅エコポイントの対象になったことから、10年3月頃から急激に需要が拡大し始め、10年は前年比40%増となった。住宅エコポイントは11年7月に終了したが、住宅エコポイントの導入でこの認知度が上昇し、震災後も前年比で2倍の需要があり、11年は前年比30%増が見込まれている。震災により、オール電化は一時的に停滞感があるが、今後もオール電化は進展すると推測され、製品のリニューアルも行われる予定であるため、拡大が見込まれる。ただし、震災を機にガス会社がどのように動くかという点も市場に影響を与える。

●ウインドウフィルム(日射調整)(断熱・遮熱分野)
 15年予測 148億円(10年からの平均成長率29.9%) 780万m2(同31.3%)
 ウインドウフィルムは、自動車用と建築用に大別されるが、建築用を取り上げ、特に省エネや節電で注目されている日射調整フィルムの動向についてまとめた。この建材は、10年までに省エネを推進力として徐々に拡大してきた。
 東日本大震災後、節電要請で市場が一気に拡大し、主要サプライヤー各社は2〜3倍以上の伸びを示している。災害対策および節電対策は、少なくとも数年先まで続くことから、日射調整フィルムは継続して拡大すると予測する。主に官公庁施設・商業施設やオフィスビルの改修案件に対し、需要が拡大していること、また工場などの節電・災害対策としても需要を伸ばしており、需要は今後も拡大する。

●住宅用遮熱塗料(断熱・遮熱分野)
 15年予測 68億円(10年からの平均成長率19.4%) 8,300トン(同23.4%)
 使用環境によるが、屋根表面温度を最大で20℃程度低下することが出来、室内温度を3℃程度低下させる効果が期待出来る。現在は主に建築向けとして使用されており、その他路面や自動車向けにも使用される。
10年の国内市場は住宅向けの販売量が2,900トン、販売金額は28億円と推定した。地球温暖化、ヒートアイランド現象改善を目的とした国や地方自治体の補助金助成、08年の測定法JISの公示、09年のグリーン購入法特定調達品目採用などが影響し、2ケタ成長を続けている。10年は猛暑が続いたことも影響し、高い成長率を示した。
 また、東日本大震災以降は、省エネ・節電意識がさらに高まり、計画停電対策需要も加わったことで、前年同月比2〜3倍の販売量が増加している。秋口に近づくにつれて、徐々に需要は落ち着いていくとみられるが、それでも11年は前年比169.0%の出荷量になるとみられる。12年以降は、伸び率は鈍化するとみられるが、室内の温度低下が実感できるこの製品需要は堅調に増加し、前年比10%以上の成長が続くと予測する。

●免震支承(防災分野)
 15年予測 12億円(10年からの平均成長率19.1%) 8,400基(同19.1%)
 免震技術は、阪神・淡路大震災以降注目され1996年以降、免震建物は拡大してきた。免震構造は、地面と建物を切り離し、支承やダンパーなどで地震のエネルギーを吸収することで、建物の損壊を防ぐことができる。免震構造の考え方は、大規模地震がきても、建物が損壊せず、補修費用が不要といったメリットがある。そのため、初期費用が若干高いものの、中長期的なメリットがある。11年3月に発生した東日本大震災以降、津波の被害が目立っているとはいえ、再び免震への注目度が高まりつつある。耐震では建物への損傷や、建物内部の被害(家具の倒壊など)は防ぎきれないため、建物と人命の安心・安全を確保するために、免震の導入は重要といえる。
 すでに、東日本大震災以降は問い合わせが増えており、今後は住宅分野でも免震需要が拡大すると予測される。また、住宅以外のビルや病院、庁舎なども需要は拡大傾向である。


<調査対象>

 ※添付の関連資料を参照


<調査方法>
 当社専門調査員による調査対象先/関連企業各社への直接面接調査、及び社内データベースと公的データの活用

<調査期間>
 2011年7月〜8月


以 上


 タ イ ト ル:「2011年 エコ・セーフティー住宅建材・機器市場の将来展望」
 体   裁  :A4判   373頁
 価   格  :97,000円(税込み101,850円)
          CD−ROM付価格 107,000円(税込み112,350円)
 調査・編集 :富士キメラ総研 研究開発本部 第二研究開発部門
          TEL:03−3664−5839  FAX:03−3661−1414
 発 行 所 :株式会社 富士キメラ総研
          〒103−0001東京都中央区日本橋小伝馬町2−5 F・Kビル
          TEL03−3664−5839(代) FAX 03−3661−1414  e−mail:info@fcr.co.jp

 この情報はホームページでもご覧いただけます。
 URL:http://www.fcr.co.jp/
     http://www.group.fuji-keizai.co.jp/


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