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神戸製鋼、加工性や遅れ破壊特性に優れた自動車用冷延ハイテンが日産自の新車で採用

2011-10-11

自動車用冷延ハイテンの開発・採用について



 当社はこのほど、加工性や遅れ破壊特性に優れたTBF型(※)1180MPa級自動車用冷延ハイテンを開発し、日産自動車株式会社(以下 日産)の新車種での採用が決定しました。自動車のボティ骨格の主要部品に採用されたのは、1180MPa級ハイテンでは世界初となります。

 近年、地球環境保全意識の高まりから、燃費性能の向上(CO2排出規制対応)は自動車メーカーにとって急務であり、車体軽量化の必要性は加速度的に高まっています。一方、日本・米国・欧州において衝突安全規制の強化に対応した車体の強度向上が求められています。
 これらのニーズを両立するため、ハイテンの採用が拡大傾向にありますが、より高強度のハイテンを適用するには、加工性の向上が必要となります。

 当社は、新しいミクロ組織のTBF型ハイテン(980MPa級から1470MPa級まで)でメニュー化および一部の実用化を既に実施してきました。今回、同組織を活用し、対象部品の材料要求特性達成に向け日産と共同で検討した結果、特に加工性に重要な伸び特性を向上させ(従来の約2倍)、遅れ破壊特性にも優れるTBF型1180MPa級ハイテンの開発に成功しました。また、日産での革新的なスポット溶接工法等の開発を経て、2013年発売予定の新車種のボディ骨格部品への採用が決定しました。1180MPa級ハイテンが、ボディ骨格に採用されるのは、世界初となります。

 当社は、USスチールとの合弁会社である米国プロテック社において連続焼鈍設備(CAL:冷延鋼板製造設備)の導入を決定しており、欧州での技術提携、インド及び中国においても共同事業の検討を開始するなど、グローバルハイテン戦略を薄板事業の中核と位置づけています。また、鋼板の高機能化のみならず、当社独自の超ハイテンプレス加工技術やフェストアルピーネ クレムス社(オーストリア)と共同開発した超ハイテンロールフォーム技術、さらにグループ会社である日本高周波鋼業株式会社の超ハイテン用金型材料技術などのソリューション技術を引き続き、日系自動車メーカーに提供してまいります。
 当社は、より強度の高いハイテンの採用拡大により、自動車メーカーの更なる軽量化、安全性強化への貢献を目指して参ります。


※TBF型ハイテン(Trip aided Bainitic Ferrite)
 高強度の組織(ベイニティックフェライト相)に加工性を向上させる組織(残留オーステナイト相)を微細に分散させることで、強度と加工性(伸び特性)の両立を可能とし、さらに、遅れ破壊特性にも優れることが特長。


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